prologue 3rd その始まりの事故を起こした男
元々の構想では出すはずのないプロローグでした。
「どこ、行こっかなぁ〜♪」
「えぇ〜何処行くか決めてないん?さいって〜…キャハハハハ♪」
酒をたらふく飲ませたから、ハイになってんな。後はホテルにでもしけこみゃ…フヒヒ。
コイツに酒飲ます為に、俺も飲まざる負えなかったが。まぁ、運転は出来る。早く行きたいが、そこそこの渋滞がイライラする。
「前(の車)はよ行けっての。行かねぇんなら追い越しちゃうぞ〜らぁ!」
「キャハハハハ、あっぶないよぅ〜。ジェットコースターかっての」
徐ろに此奴の胸を触ったら、思いっ切り土搗きやがった。巫山戯んなこのアマと思って、襟首を掴みに掛かったらバランスが崩れた。あら?なんか対向車線に突っ込んじまった。
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何だろうなぁ。最近、こんな変な夢ばっか見る。女とイチャ付いたり酒飲むのは分かるんだが、変な馬車?を俺が操舵してんのがワカンねぇ。前世はどっかの貴族様だったのかね、どうでも良いが。
今の俺は、小汚たねぇ街の角で盗みを働いたりして糧を得ている。十歳になったら、冒険者ギルドに行けって言われてる。俺の面倒を見てくれる糞親父にだ。親父っつっても、ホントの親じゃねぇ。俺はスラムの隅で棄てられてたらしい。記憶はねぇが、まぁ、そんなとこだ。
糞親父も殆ど帰ってこねぇ。何度も餓死しそうになった事もある。偶に帰ってきたら、未だ生きてたんだなと巫山戯た事吐かして、黒パンと水筒を俺の前に投げてくる。貪る様に平らげると、糞親父に俺は突っ掛かる。此奴を殺せば、多少は金を持ってんだろうと。これまで何度もやってるが、いつも簡単に悪しらわれてしまう。
十歳になった日、糞親父が朝も早い時間に俺を連れ出し、冒険者ギルドに来た。なんか、他にも十歳になった奴がいた。糞親父は俺をカウンターまで連れて行き、受付のねーちゃんになんか喋ってた。しかしこの眼鏡のねーちゃんは胸がデケェ。まるでメロンじゃねぇか。アレに包まれたら幸せだろうなぁ。
「で〜はぁ〜、僕〜?この水晶盤の上に〜、手を乗せて〜貰えますかぁ?」
よくワカンねぇが、取り敢えず言われた通りに手を乗せた。すると、目の前が光り、なんか手に入ってくる感覚が。思わず手を引っ込めたが、なんか間に合わず手に入っちまった様だ。俺、死ぬのか?
「登録は終わったな。おい、カードを出してみろ」
何言ってんだ?この糞親父は。いくら目の前で俺の手にカードが入ったからって出せるワケねぇだろ。
「チッ。とにかく手を前に出せ。そしてお前自身が記されたカードが出て来る様に念じろ。出なきゃ殺すぞ」
だから、意味がワカンねぇんだよ。手を出して、俺自身が何だって?と考えたら左手の掌からカードが出て来やがった。何だよこれ?なんか書いてあんな。
名前 ジュラス
年齢 10歳
種族 人間
職業 なし
レベル 5
体力 16/21
魔力 6/6
筋力 18
知力 10
魅力 2
器用度 15
敏捷性 22
SP値 10
才能
剣術 LⅠ 操舵術 LⅠ(馬)気配察知 LⅠ
特殊才能
憤怒強体
んだ?コレ。なんだったかなーどっかで見た様な…ゲームかなんかで見たんだよ似た様なもん。そういやゲームって何だ?ま、いいや。要は素早くて、力もソコソコってことだろ。
「糞弱ぇじゃねーか。だが、おもしれーもん持ってんな。嬢ちゃん、序でに此奴を冒険者にしてくれ。探堀士ならタダだったよな」
「で〜はぁ〜、今度は此方の水晶盤に〜手を翳して下さいねぇ〜」
まだなんか、やんのかよ。面倒くせぇな。やる気なく、仕方なく手を乗せる。すると目の前のメロンのねーちゃんが、なんかカタカタし始めた。どうせならその胸の間に手を入れてぇぜ。
俺とねーちゃんの間に光る球が出てきて…変な文字?がいくつか浮かぶ。文字みたいなのは知らねぇ筈なのに、頭の中にそれが何かを理解しているっぽい。
戦士 剣士 拳闘士 商人 探堀士
戦士ってのは、まぁ戦うってことか。剣士って、なんかさっきのカードにもあったな。拳闘士…あぁ、殴り専門か。俺に合ってんじゃん、何も考えずに右手の指を拳闘士に向かわせようとしたら、糞親父が掴んで止めやがった。何すんだ、この糞親父!
「餓鬼が一丁前に、拳闘士なんぞ選ぶんじゃねーよ。ソイツは金が掛かるんだよ。お前に銅貨二十枚も払えるのか?」
クソっ!この糞親父、指が痛ぇじゃねーか。放せねぇ。有無を言わせぬ態度取りやがって。いつか死なす。
確かに金は無ぇ。糞親父の言う通りだ。銅貨二十枚もありゃ、飯食えて屋根のある所で寝る事が出来る。雨風凌げんのは、スラムの片隅にある廃墟で寝るよりはずっとマシだ。今持ってんのは、銅貨六枚に屑貨十四枚。コレでも二日は飯が食える。
「嬢ちゃん、此奴の職業は探堀士だ。登録頼む」
「わかりました〜、登録〜しますね〜」
勝手に…まぁ、探堀士ってのがよくワカらねぇが、タダでやってくれるんなら何でもいいや。てか、いい加減指を放しやがれ糞親父!
登録が済んだのか、球体は消えて左手のカードも俺の手に入っていく。いやマジで気持ち悪りぃ光景だぜ。隣りのカウンターで同じ作業をやってた奴は、平気そうな顔をしてやがった。マジか、ジョーシキなのか?
「で〜はぁ〜、冒険者に登録とぉ〜職授を〜終わりますねぇ〜。あと〜ベル様の〜金銭袋もお渡し〜しますねぇ〜」
なんか綺麗な袋を渡された。怪訝に見ていると糞親父が親切にも教えてくれた。
「ソイツには金が無限に入る。勝手に両替もしてくれる。嵩張らねぇし、大事に懐に仕舞え。無くしたら次は金貨十枚いるからな。売ろうなんて思っても、誰も買わねぇぞ。皆んな持ってるからな」
は?いやコイツ売れば金になるんじゃね?って思ったが、それが顔に出てたのか直ぐに突っ込んできた。チッ!まぁ、使えるから良いか。
◆◆◆◆◆
お昼ごろまで何故かギルドにいた糞親父。まぁ、飯も食わせてくれたから、素直に付き合っていた。奥の部屋から受付のメロンねーちゃんが、小さな子供を抱えて他二人と出て来た。何か他の登録組の女がキーキー喋ってたのを、糞親父は聴き耳立ててた様で。俺には関係ないか。
糞親父の仲間達のひとり、手足がちょっと細長く…いや顔も細長い。耳が頭の上に尖ってあることから、猫系の獣人じゃねーだろうか。黒く錆びた革鎧に革の小手。腰にはやや大振りのナイフが二本。其奴が糞親父と何か話してた後、ギルドを出て行った。
◆◆◆◆◆
十日ほど経ったある日、猫獣人のオッサンが糞親父に怒野されていた。なんか失敗したらしい。俺には関係ないか。俺はべナールの街を出て、近くの平原で薬草探しだ。偶にゴブリンだのグラスウルフなどの魔物が出てくる。ゴブリン一匹なら問題なく倒せるが、グラスウルフは間違いなく多頭で来るので逃げの一手しかねぇ。強くなって、いつか糞親父の寝首を掻いてやる。其れまでは我慢だ。
誤字脱字等ありましたら、御報告頂けると幸いです。読んで頂いた方々に感謝を。
2章がそろそろ佳境です。ジュラス君は、アルフ君にどう関わっていくのか。私も分かりません(おい
出番も…あれ?あー閑話とかであるかも?(ジュラス:巫山戯んな!メインで出しやがれ!




