第1章 その3 その額に攻撃される
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早いもので一年程が経ち、ようやく起き上がる事が出来る様になった。まだハイハイくらい迄しか出来ないのが辛い。暇なので、家族の事を頭の中で整理してみよう。
父親の名前はオズィール・セルラントス。通称オズ。エルフ族で、職業は精霊剣士だそうだ。前世にあった小説などでもお馴染みであるが、目鼻立ちが整った所謂イケメン顔。線は細いが冒険者としてランクA級なだけあり、脱ぐと筋肉がしっかり。ジュニアライト級のプロボクサーみたいな細マッチョ。性格は温厚で、とても思慮深い。家にいる時はよく本を読んで過ごしている。
たまに外出する時は、食材などの買い出しか日銭稼ぎの魔物狩りをしている様で、狩りの後なんかは血の臭いが薄っすらしていたりする。
母親の名前はエミーレシア・シーン。通称エミー。どうも地方貴族の四女らしい。兄や姉がいるので、自分は冒険者になってもいいでしょ!って家を飛び出したそうな。職業は聖戦士。某アニメの主人公とかではなく、光魔法が使えたのでこの職業に。因みに後日聞いたのだが、聖騎士にもなれたそうだが堅苦しいのが嫌だったとか。性格は漢気溢れる姉御肌(笑)。細かい事が苦手。ちょっと天然でもある。身長はオズよりも高くて180cmくらいあり、胸もかなり大きい。アレ、メロンクラス。授乳してる際に窒息しそうになった事が何度もある。顔は性格同様な凛々しい顔立ちだったので、冒険者の間では姉御って呼ばれてたとか。オズにプロポーズされるまで家事を一切やらなかったそうで、同じパーティー仲間の女性に急いで習うハメになりかなり苦労したそうな。見る限り、それなりの腕前にはなってる様子。
同じパーティーでエミーがリーダーだったとの事。仲間内からは「貰い手がいて良かった」と言われたり、他の冒険者からは「やっぱりエルフも胸好きか」とか「俺も踏まれたかった」とか言われたとか。
ふと窓の外を見ると、大きな眼をした鳥型生物が覗いている。茶色の毛並み、口と鼻が一体になった赤い嘴。後頭部に赤い羽根で出来た鶏冠の様な尖り。前世ではエミューが近いだろうか。大きさはその3倍くらいあり、ドゥバードと言われる陸上を疾走する飛べない鳥。名前はロドル。家で飼ってる移動用の鳥だそうだ。此方を不思議そうに見て、首を傾げた。私もつられて首を傾げる。
途端に『クァアアッ』と威嚇する様に鳴いたかと思うと、額に啄木鳥アタックをお見舞いされて私はノックアウトされた。気付いたエミーが直ぐに駆け寄ってヒールを掛けてくれた。以上が私を含めた3人と一羽の鳥が現在、知る限りの家族構成。
その後ロドルは、エミーにしこたま怒られて晩飯抜きにされたそうな。
誤字脱字等ありましたら、ご報告頂けると幸いです。読んで頂いた方々に感謝を。