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第2章 その21 その夢とキッカケ



「いやぁ〜参ったぜ。いくら不得手な剣を使ったとはいえ、ここまでやるとはな」


苦笑いしながら、起き上がってくるコルドさん。まぁ、私もここまで上手くいく…いや光の針(ルミエルナーデル)をただの鉄剣で弾かれるとは思わなかったからなぁ。


「おめぇ、今は接近戦も多少こなせる魔法士の方が向いてん(る)ぜ。動きは悪くねぇが筋力が足らねぇし、何より背が足りねぇ。成長と共にスタイルを変化させん(る)のが良いかもな」


確かに言われる通りなんだよなぁ。自分のステータス考えると、筋力が足らな過ぎ。代わりに敏捷性が高けりゃ、まだ良かったのだが普通よりも若干高いだけの中途半端さ。歳重ねたら、もうちょっとマシになるだろうか。


「まぁ、これで一人前の冒険者だ。Eランク認めん(る)ぜ」


字面だけ聴くと不合格に聞こえるが、訛りなどを加味すると合格に聞こえる。エミーは満面の笑みだし、オズも軽く首肯くので合格で間違いないだろう。


「コルド、あんた弱くなったんじゃないの?」

「あくまで試験なんだから、手ぇ抜くの当たり前だろ!」

「いくらバランス崩れたからって、転ける事ないじゃない」

「エミー、アレは魔法で脚を掬ったんだ」

「え?アレはそんなに強い風だったの?」

「掬ったっつーより、蹴られたに近ぇんだよ。あんな魔法、俺は知らねぇ」


そりゃあ、知らないだろう。だって自分で考えたオリジナルに近いんだから。本来の風魔法で考えると、切り裂くものをイメージするものが多い。だが台風の様な強風の際に、身体が押される様な感覚を経験した。それを魔法で出来ないものかと考えたのが『風の悪戯(ヴァンスケルツォ)』である。殺傷能力は無いが、相手の身体の一部を押す様な圧力をかける。今回の様に転ければ、攻撃のチャンスが広がる訳だ。よく森の中でゴブリン相手に使って転ばせた。皆んなに説明すると、一様に首肯き感心している。


「やっぱ、おめぇ魔法士に向いてん(る)な」

「アルフは天才ね」

「発想力もそうだが、魔力操作が抜きん出ている」

「エミーさ〜ん、アルフ君を〜私のお婿さんに〜欲しいです〜」


皆んなからベタ褒めで恐縮してしまうわ。モリーさん、抱き締めながら求婚されても困りますよ。頭の後ろは気持ちいいけれども。てか、いつの間に地下に降りて来たんだ?


◇◇◇◇◇


皆んなで執務室に戻り、ランク昇格の手続きする為、水晶盤の上に手を翳しカードを出す。コルドさんがテキパキと操作してカードの内容が一部変わる。自身の能力を詳細解析で見る。


名前 アルフ・シーン

年齢 10歳

種族 ハーフエルフ(エルフとして擬装中)

職業 聖戦士

ギルド登録 冒険者(Eランク)

レベル 23


体力 27/30 (最大60)

魔力 52/66 (最大99)

筋力 14 (最大21)

知力 34 (最大37)

魅力 37 (装備品+3)

器用度 44

敏捷性 23(装備品+1)


SP値 18

才能(スキル)

剣術 Ⅰ 棒術 Ⅱ 弓術 Ⅰ 風魔法 Ⅰ 森林魔法 Ⅱ 光魔法 Ⅳ

料理 Ⅱ 作製 Ⅲ (衣類、装飾、道具)

特殊才能(ユニークスキル)

魔力感知 念話 空間転移 Ⅷ(レベルMAX、統合機構に含まれる)


祝福(ギフト)

悠々自適(能力創造、制限あり)

統合機構(含まれる才能 天恵眼、地図作成、詳細解析、仲間管理、並列思考、臣従の誓い)


隷属契約 ルナマリア(幻獣)


やっぱり職業欄に聖戦士ってのは厨二心を擽られるくらい格好良いな。そして職業を得た事で能力数値の最大値がいくつかアップしている。だが、改めて見て基礎筋力や敏捷性が低いのが分かる。この辺は地道な努力とレベルアップって事に…

ん?いくつかの才能の修得する、SP必要量が下がっている。筋力増強や魔力消費減、体力回復増など今までは修得するのに二ポイントだったのが一ポイントになっている。職業に応じて才能の修得に有利になるって事なのか。まぁ成人する十六歳くらい迄は、下手に才能修得せずに貯めておくのが懸命か。


「よし、登録とランクアップは完了したぜ。これで晴れて一人前(・・・)ってことだな」


ふむ、一端の冒険者って事か。悪くない。オズが近付いて来て私の頭を撫でてくる。


「これから、しっかり鍛えてやる」

「そうね。私もビシビシいくわよ」


オズが私の頭を撫でて来たのは、初めてではなかろうか。ちょっと…いやかなり嬉しい。前世じゃ父親に褒められた事すら無かったから。エミーは…これで子煩悩成分が和らげば良いかなぁ。


◇◇◇◇◇


地下の練兵場を出て、ギルドの受付に戻るとセレナ様とゼパルジャンさん、レヴィが連なって出迎えてくれた。


「アルフ様、御無事ですか?変な事されませんでした?」

「ん?普通に、登録と職授の儀を受けただけですよ」


差し障りない様に、セレナ様に説明して納得してくれた。ゼパルジャンさんは相変わらず糸目で笑顔だ。全て見透かされている様で、冷や汗が出そうだ。レヴィはガクッと項垂れて「私より上級職…」とブツブツ言ってるが、無視しておこう。


「聖戦士を選べるなんて、アルフ様は凄いですわ!」


私の目の前まで近寄って、眼を輝かせているセレナ様。どうやら上級職に最初から就く人は珍しいらしい。因みにセレナ様は魔法士になったそうで、一度家に戻った後に王都グランへ向かい魔法学校に通うとの事。学校か…この世界でもあるんだな。ちょっと興味が湧くが、前世からの知識を持っている私としては億劫になりそうな気がする。セレナ様に話を聞くに貴族ばかりが通う学校の様だし。


ん?そういえば、セレナ様は魔法系の才能持っていなかったはずだが。詳細解析で見ると、水魔法を修得していた。いつの間にと首を傾げていたら、ゼパルジャンさんから周りに聴こえない様に小声で教えてくれた。


「今朝、修得していたのです。どうやら昨夜、魔法を使っている夢を見た様なのです」


え?夢で見たら才能修得出来るの?うーん、普通は努力して獲得…いや、私は自分の意思でSPを使って修得…光魔法の才能レベルを上げた。整理すると、SPに余裕があれば才能修得も自ら出来るのかもしれない。セレナ様は、キッカケは夢での魔法行使、水魔法の才能修得には2SP有れば良い。普通は自由にはいかないのだろう。私も必要なSPが有っても全てが修得可能ではない。要は修得する為に何かしらのキッカケがいるよって事か。


◆◆◆◆◆


「あのやろー、子供(ガキ)出来てたのかよ」

「ダンナ、昔の女ですかい?」

「昔の…パーティ組んでた女だ。あのちいせぇのは…」

「エルフみたいですぜ」

「ふん…(ヤサ)突き止めろ」

「ガキ攫うんですかい?確かにエルフなら金になる」

「それも良いか。あの女と…父親がいる。それは殺す」

「成る程、了解しました」

暴露(バレ)るなよ」

「当然でさ」

「この俺様を振った事を後悔させてやる」


◆◆◆◆◆





誤字脱字等ありましたら、ご報告頂けると幸いです。読んで頂いた方々に感謝を。


ブックマークや評価して頂けると、モチベ上がるので出来たら宜しくお願いします。

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