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第2章 その20 その地下での模擬戦



実力さえあれば、ある程度ランクも最初から上げた状態に出来るのは良いな。

ただ、まぁ模擬戦は裏技を防止するって意味なんだろうなぁ。なんせ登録して直ぐに魔石や毛皮なんかを大量に出せば、あっという間に高ランクに出来てしまうからこその抑止でもあるんだろう。それでもランクを上げておけば、依頼を受ける幅が広がるし効率が良いかもしれないな。


「どうせまだ魔石持ってんだろ?Fランクに上げてやるから、さっさと出せ!」


コルドさんにそう言われたら、出すべきだろう。一応、エミーとオズの顔を見て伺うと肯いてくれたので、ウエストバッグから百個の魔石を出す。コルドさんが言い出した事だが、量が多かったのか呆れた様子で見ている。モリーさんはニコニコと笑顔のままだ。


「…あ〜、モリー。一応、計算宜しくな。てか本気でニランク上げる気かよ。んじゃ直ぐにでも模擬戦やるか?その間に計算も済むだろうし…」

「銀貨百六十二枚ですね」


起ち上がろうかとした途端に、計算が終わったモリーさん。フォレストウルフの魔石が多かったから予想よりも高額になったなぁ。計算の早さに冷汗を掻きながらも、コルドさんが執務室を出て地下にある部屋、模擬戦をする場所であろう、大きな円型の広場に案内された。


「此処は、模擬戦や冒険者ランク昇格の為の地下練兵場だ。元々、グラン国とは別の国だったこの城を一部改修してべナールのギルドとして使ってんだ。防御結界も張ってるから多少暴れた位じゃ壊れねぇから安心しな。本来ならBかCランクの冒険者に頼むんだが、今回は特別だ。俺が試験してやる」

「コルドがするの?いつからそんな器用になったの?」

「俺ぁ、べナールのギルドマスターだぞ⁉︎そのくれぇ出来なきゃ務まんねぇだろが!」


エミーはコルドさんを弄るなぁ。まぁ、それだけ仲が良いって事か。憤慨しながらも、色々な武器が架けられている壁面に行くコルドさん。


「アルフは何が得意だ?」


個人的に得意な武器って…普段、森の中じゃ光の針(ルミエルナーデル)ばっかり使ってたからなぁ。敢えて言うなら、前世での経験から警棒術が得意になるんだけど、コッチじゃ棒術になってるんだよなぁ。だから短槍とかで代用出来ればって思ってるのだが。ちょっと聞いてみるか。


「ただの棒…棍棒でも有りますか?」

「は?あるにはあるが、そんなんじゃ…ま、まぁ腕を見るだけだから大丈夫か」


頭を掻きながらも武器がある棚から、棍棒と片手剣を手に取り私達の元へ来るコルドさん。エミーとオズはサムズアップして逆に離れていく。手渡された棍棒は一メルちょっとあるか。徐ろにウエストバッグから、ヴァルドゥさんから買ったナイフを取り出して棍棒を切る。スッパリ切れて長さが七十セメル程になった。うん、これで使い易いかな。


「アルフ、一応はギルドの持ち物だから断れよ。おめぇ性格もエミー引き継いでんな」


あ!そうだね、完全に忘れてた。頭を下げて「ごめんなさい」と詫る。「まぁ、ただの棒だから良いけどよ」と返されて、私の立ち位置から五メル程の所で正対するコルドさん。


「んじゃ、Eランク昇格模擬試験始めっぞ。その棒でも魔法でもいい。俺に一撃入れたら合格な」


え?じゃあ棍棒いらな…ま、まぁ、良いか。動きも見るんだろうし、この棍棒いや警棒でちょっと試してみよう。駄目そうなら光の針(ルミエルナーデル)を絡めてやれば良い。


「んじゃ、いつでも来い」


先ずは、コルドさんに向かって直進。直突から右手払いの、逆袈裟払い上げと繋ぐ三連打。コルドさんは刃を潰してある剣で、三連とも受け止めた。


「アルフ、おもしれぇ動きすん(る)な?でも剣撃と、そう変わらねぇぜ?」


警棒術なんて本来、威勢を削ぎ、相手の武器を払い、制圧するのが目的だからねぇ。こちらから攻撃ってのは向いていないんだよ。それでも模擬戦は攻撃しなきゃ始まらないから、剣と短槍の攻撃方法を織り交ぜながら打ち込んでいく。でもひとつも当たらないどころか、全て剣で受け止めるか流されている。なんて言うか、凄く守備が上手いな。最初の立ち位置から殆ど動いていない。レベル差もあるのは分かるんだけど、こうも遊ばれてると苛々してくる。


「おら、どしたぁ?魔法でも使ってみろや?」


更に煽ってくるのか…んじゃ魔法を使っちゃうぞ?怪我しても知らんからな。一旦、距離を取りながら左手を後方に構え、魔力を籠める。明らかに魔法を使いますよと言わんばかりに。

コルドさんは私の左手に意識を向けて警戒する。やるなら今だ。コルドさんの後方、数メル離れたところに魔力を集中し左肩を狙う様に光の針(ルミエルナーデル)を撃ち込む。威力は抑えたからちょっと痛いだけで済む筈だ。当たると思ったその時、コルドさんはその場で右回転しながら振り向きざまに光の針を打ち払った。

流石に魔法を打ち払ったのは予想外だったが、私に一瞬でも後ろを向けたのは悪手。左手の魔法を発動、『風の悪戯(ヴァンスケルツォ)』で重心が変わって不安定になった左脚を前に払った。「ぬをっ」と発したコルドさんは見事に仰向けに転けてしまい、その胸に警棒を突き刺す形で模擬戦を終えた。




誤字脱字等ありましたら、ご報告頂けると幸いです。読んで頂いた方々に感謝を。


ブックマークや評価して頂けると、モチベ上がるので出来たら宜しくお願いします。

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