第2章 その19 その登録と裏技
冷静に考えて、説明回になってると最終確認で気付く(苦笑)
職業か。何の職業が良いか悩んでいると、コルドさんがアドバイスをしてくれる。
「職業ってのは重要だ。特に冒険者として活動すんなら、尚更だ。職業によって適正なもんが決まってく(る)んだよ。戦士ってのはどんな武具や防具でも装備出来るんだが、魔法とか不得手になる。魔法剣士や聖戦士なんかは、魔法も其れ也に使えるが防具の制限を受けてしまう。魔術士なんかは武器が杖やダガー位しか使えないし、防具もローブや革の服くらいしか着れない。いや、実際には装備出来ん事も無えんだが、その職業に沿った能力が軒並み低下しちまう。だから特に駆け出し冒険者が職業に見合った装備でねえと、直ぐにやられる原因になる。今おめえは無職だから、武具は小剣や小槍まで、防具は革鎧迄しか装備出来んってこった。まだ、ちいせぇおめえには難しいか?」
うーん…前世で遊んだダンジョン攻略系のゲームみたいだな。そう考えると…前衛で戦ったり、後衛で魔法を使ったりもするオールマイティーな職業が良い訳だが。とにかく手を翳せと言わんばかりに、コルドは「まぁ、選択出来る職業を見とくのも良いわな」と水晶盤を目の前に持ってくる。
水晶盤に手を翳すと…頭の中に選べる職業と、アイコンみたいな象形文字が浮かんでくる。選べそうなのは、
戦士、聖戦士、弓術士、魔法士、魔導士、魔法戦士、魔導戦士、槍術士、商人、執事、契約士、薬師、調理師、服飾士、錬成士、付与士、探堀士、忍者。
結構色々あるが何が良いか。詳細解析で見ていると、職業を選ぶとそれぞれに合った装備が推奨され、合わない武具なども装備出来なくないが能力が落ちる様だ。転職も出来る様だが、レベルや能力が下がってしまうらしい。そして副業、サブの職業も選べる。説明文には副業は一種類までしか選べないらしく、勇者である転移者はメインを除いて二種類までと書いてある。
改めて私の職業欄を見てみると…何故か空欄がメインの職業とサブを合わせて八つもある。これは如何言う事なのだろうか?統合機構と仲間管理…何が…並列思考か!気付いた途端に、以前は無かった説明文『並列思考が出来る数が増えると副職業も増える』と追加された。おい。
これは誰にも言ってはならない気がする。いや、グランデ様達には聞くべきか。こんなの下手打てば、勇者以上の力を持つ事に成りかねない。…と、取り敢えずはメインの職業を選ばねば。アレ?何か足らない気がするけど…
固まっている私を見て心配してくれるのか、モリーさんは頭を撫でてくる。エミーとコルドさんは、私の選べる職業が多いのかちょっと驚いた表情。
「おいおい…上級職が三つもあんじゃねぇか。いや、さっきの能力見りゃ、こうなるのも…」
「アルフは天才で天使だもの、当然よね〜」
「アルフ君は〜、やっぱり私の旦那さんに〜なるべきよね〜」
モリーさんは斜め上の発言してるけど、褒めてくれてるって事なんだろう。エミーの親馬鹿発言は、いつもの事。上級職…聖戦士と魔導戦士、忍者辺りだろうか。忍者ってこの世界でもあるのか。いや前世でも大昔にいて、今は殆どいないらしいけれど。直ぐに素早さと一撃必殺とか思い浮かぶけれど、装備の点で軽装になるのではないだろうか?素早さは魅力的だな。聖戦士はエミーが就いているから、なんとなく解る。魔導戦士は風や炎なども万遍なく使えるって事だろうと思う。オールマイティーでいくなら、魔導戦士なのだろうが家を出発する前に光魔法のレベル上げちゃったし…聖戦士が一番無難なところだろう。
「母様と同じ、聖戦士が良いです」
そう発言した途端、エミーはモリーさんから私を引っ手繰る様に自分の膝に乗せて抱き締めてくる。
「もう〜この子は私と同じ職業を選ぶなんて!」
満面の笑みで私にキスの雨を降らしてくる。いや、コルドさんが呆れているから辞めて欲しいのだけど。
「エミー、子煩悩なのは分かったからアルフを離せ。職授が出来ねぇだろが」
言われて…気持ちも落ち着いたのか、エミーが私を拘束から解放してくれる。軽く溜め息を吐いてから、水晶盤に手を置く。また職業が浮かび上がる。コルドさんが何やら操作すると、聖戦士を模したアイコンが目の前に浮かび七色に大きく光ると私の手の甲に吸い込まれていった。
【ピンポーン、新しく職業が設定されました。副業は選択出来る範囲での一覧を表示します】
うん、そんな気がしていたんだ。つまり副業は自由に選択出来るって事か。
「これでアルフは聖戦士として登録された。んで、冒険者としても登録する事で良いのか?副業で…薬師や調理師なんか選べたから、副業選べばそっちのギルド登録も出来るぞ」
ふむ。ギルドは冒険者だけじゃないのか。人が生活する以上、そうなるか。副業に関しては自分で選択出来る様だし、冒険者としてギルド登録しておけば取り敢えずは問題ないだろう。
「副業はその内に。冒険者登録だけします」
コルドさんは「おう、そっか」と返事をして、改めて水晶盤に手を置く様に促してくる。手を置くと今度は私の登録カードが浮かび上がり、コルドさんが何やら操作するとカードの内容が書き換えられる。
【ピンポーン、冒険者としてギルド登録されました。ランクはGです】
「これで登録完了だ。ノルマは最低でも年に一回は、魔物を狩ってくるか依頼を完了させる事だ。まぁ、登録したてだから最低のGランク。所謂、初心者だわな」
「ランクを上げるなら〜、魔石をた〜くさん〜換金しても〜上がるわよ〜。ゴブリンなら〜百個で〜Eランク確実ね〜」
「いや、Eランクに上がるには模擬戦やって合格しなきゃ駄目だろ」
ふむ。実力あれば、ある程度ランクも最初から上げた状態に出来るのか。まぁ模擬戦は裏技を防止するって意味なんだろうなぁ。なんせ登録して直ぐに魔石や毛皮なんかを大量に出せば、あっという間に高ランクに出来てしまうし。
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