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第2章 その17 その裁縫の効果

貴族って、庶民な作者には大変な仕事?だなぁと思っています。



久々な入浴を堪能して一息付く。現在は応接室で、ミルクたっぷりの紅茶を飲んで寛いでいる。ふとリュネさんに声を掛けられた。


「アルフ様、今夜はわ…お嬢様と一緒におやすみになさいませんか?」


は?言いかけた部分は、放って置いて…。


「そうですよ、アルフ様。一緒に女子トークしましょう!」


セレナ様が、とんでもない事を言ってくる。いや、私は女子ではないのだが。それにエミーの顔色が優れない…いや怖いオーラが立ち昇る気がした。これは不味い。


「いえ、今日は母様と一緒に寝ますので。お話なら今しましょう」


そうセレナ様に返すと、最初は不貞腐れていたが私の隣でこれから何を目指すのかとか、こんなスキルが欲しいだとか明日の登録の儀に向けて当たり障りのない会話をして…暫くはキャッキャ嬉しそうに話していたが、やはり馬車での旅が堪えたのかセレナ様は寝てしまった。ゼパルジャンさんは起こさない様に抱えると、小声で「本日はこれで失礼致します」と言って退室した。

リュネさんも流石に使用人としての責務を思い出したのか、私達家族が寝る客室に案内してくれた。


客室は案外広く、セミダブルのベッドが二つに簡単な応接セットが置いてあり、衣類を掛けるクロークもある。簡易のお風呂…では無く、洗面所も兼ねた簡易のシャワーがある。前世の高級ホテル並みではないだろうか。


「やっと親子水入らずね」


確かに、そうなのだが。エミーはまたも私を人形抱っこしている。これ結構、長時間されると辛いのだけど。一緒に寝るとは言ったが、それまでは放して欲しいのだが。困った表情を見て少しでも緩和させようとしたのか、オズが話題を振ってきた。


「アルフはどんな職業に就きたいんだ?」


んー職業と言われても、現在の自分に適している職業がなんなのか判らないからなぁ。まぁ、取り敢えずは。


「何の職業ってよりも、悠々自適に過ごせたらそれで良いかなぁ」


真面目に答えた筈なのに、エミーもオズも眼を丸くして驚いている。そんなに驚く事かな。大した事は言ってない筈だが。暫く静まり返っていたが、オズがプッと吹き出して笑い始めたらエミーも釣られて笑い出した。


「アルフはアルフのままな(かわらない)のねぇ。それだけの才能があれば、一流の宮廷魔術師にもなれそうなのに」

「まったくだ」


二人はそう言ってまた笑い出した。宮廷魔術師なんて、余計な面倒事があったり忙しかったり大変ではないだろうか。そんな厄介な職業に就きたいとも思わないよ。

おっと、やる事があったな。エミーの拘束を解いて貰って、応接セットの椅子に腰掛ける。魔法鞄から毛革とナイフ、裁縫道具などを取り出し、作業に掛かる。いきなり何を始めるのかとエミー達が覗いてくる。


「セレナ様にブーツの事を話したら、欲しがってさ。だから作ってあげるんだよ」

「…アルフ、まさかセレナ様が好きなの?」

「は?…まだ付き合いも殆ど無いのに、好きにはならないよ。ただ懇願されたら、断れないでしょ」

「別に交際しても…」

「それは駄目よ!まだ早過ぎるわ」

「交際まで考えるつもりはないよ。貴族となんて、面倒事たくさんありそうだし」


エミーとオズは、『あぁこんな子だった』といった表情をして、エミーは安堵の、オズは諦めの溜息を吐いた。悪い子じゃないのは、解ってるけどね。

会話している内にも、別意識で出来ていくブーツ。靴裏は滑らない様に毛をナイフで落としていく。出来れば裁ち鋏とか有れば良いのだが、まぁ無くてもそこまで困らない。革だけになった部分に更に新しい革を縫い付けて取り敢えず完成。

あ、光った。錬成のスキルを持っていなくても、作製スキルで作った物の一部で偶に魔具となる場合がある。今回は『防御力+1』が付いている。色が薄茶色なので、セレナ様が好き?な白のブーツにするべく、魔法鞄から魔法染料の白を取り出す。オズが興味を示したので答えてあげる。


「これは雑貨屋で買った魔法染料だよ」


この魔法染料は粉状で、上から必要量を掛けて魔力を込めると色が染まるのだそうだ。どのぐらいで染まるのか分からないので、切った革の切れ端に少し振り掛ける。んで、手を翳して魔力を込めてみる。魔力量も少な目で込めていくと、薄っすらと白く光り色が白に変わった。切れ端の三分の一も掛けていないのに、全面積が白くなってしまった。これ、経済的にもお買い得だったのだろうか。

今度は出来たブーツに、斑らに染料を振り掛けて魔力を込める。どう見ても全体を染めるほどの量は掛けていなかったのに、真っ白なブーツに変わってしまった。ただ白いブーツでは可愛げがないので、今度は水色で染めた革を用意して、ナイフでリボンを模した形に切り取り、脚首辺りの左右外側に縫い付ける。また光ってしまった。今度は『防汚効果』が付与された。


「凄いわねぇ、アルフは。片手間でブーツを作っちゃうなんて」

「それも魔具のブーツを作るとは」


二人して感心してるが、裁縫なんて基本を憶えてしまうと結構簡単に出来るのだが。まぁ、魔具になったのは偶々…三、四回に一回程度なのだが勝手になってしまうのだ。それも付与効果は選べないし。錬成のスキルや付与魔法などを覚えれば、もっと狙い通りな物も作れるかもしれないな。





誤字脱字等ありましたら、ご報告頂けると幸いです。読んで頂いた方々に感謝を。


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