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第2章 その14 その雑貨屋の店主

セリフ…というか方言が難しいです。まぁ、別世界の日本人って事で御理解を(笑)



冒険者ギルドでのやりとりが長くなったせいもあり、陽が少し傾きつつある。

街中は人でごった返している。夕飯前の買い出しや、冒険者達が街へ帰還し何処の宿が良いだの、買い取りが先だの、今日は稼げたから夕飯は豪勢にいこうだの騒いでいる。改めて異世界なんだなと、また思わされるのは人族の種類。一般的に人が多いのだが、獣人がやけに目立つ。所謂獣耳や尻尾などが際立って見える。そしてエルフやドワーフも偶に見掛ける。其れ等の殆どが、和気藹々の雰囲気で過ごしている。あまり人種による差別は少ない世界なのかもしれないな。


等と浸ってる場合ではない。買い物があるのだ。急がねば。エミーに聞いてみよう。


「母様、雑貨屋とか魔具屋とか知らない?」

「そうねぇ…みどりの窓口っていう雑貨屋に行きましょうか」


それ…前世繋がりなお店だよなぁ。違う可能性もあるけれど。窓口って受付とかカウンターの事だよね。そのネーミングはどうなんだ?

エミーに連れられて来た『みどりの窓口』店。その看板にはでかでかと店名が書いてあり、周りに植物の様な意匠が縁取られ…ん?小さく日本語で『ようこそ厨二の世界へ』って書いてある。おい。


「店主は変わってるけれど、割と品揃えも良いのよ」


色々とツッコミたいが、まぁ入ってみよう。外観はヨーロッパ風の商店だったが、中に入ると結構広い。余り商品の陳列をしていないせいかな。そういえばドアベルもなかったのに、「カラーンコローン」と鳴ってた。マジで転移者か記憶持ちの店、確定。


「いらっしゃいませ〜、みどりの窓口へようこそ。何かご入り用ですか?ふぁっふぁっふぁっ」


奥から、老齢…ではなく、見た目10代のエルフ女性が出てくる。問答無用で詳細解析すると37歳。エルフにしちゃぁ、若いのかな。ていうか絶対狙ってやってるぞ、このオバ…こほん、お姉さん。突っ込むのはなしにして、尋ねてみよう。


「あの〜、毛皮を染める染料とかありますか?」

「チッ…あ、はい染料ですね。色は幾つか御座いますよ、何色を御所望でござるか?」

「はい、白く染めたいのですが、良いのありますか?」

「(チッ…突っ込めや、ボケぇ)」


今、舌打ちしやがったな。完全にツッコミ待ちじゃねぇか…いかんいかん。心の内とはいえ乗せられてはいかん。冷静に。店主はブツブツ言いながら、店の奥から出したのは小さな透明の瓶。中の液体も透明で、回して開け閉めする蓋になっている。蓋の内側に固定される様に、小さな刷毛が付いている。おい。


「はい、此方はセ○○○ンと申しまして、どんな物でもくっ付けてくれる優れもの…」

「「………」」


『おめえはプラモ女子か!』とか突っ込んで欲しいのだろう。だがツッコミは入れてやらん。


「この子は染料が欲しいのだけど?」

「…あ、あ〜そうでしたねぇ。染料はですね〜」


エミーも冷静に返して突っ込みを入れないので、気落ちしたのかトボトボと店の奥へ歩いて行き、ようやくこの世界っぽい?木箱を持ってきた。上の蓋を開けて中を確認すると、白い粉末状のものが入っている。これもツッコミ待ちなのか?と悩んでいると店員は普通に説明してきた。


「これは、毛皮でも装備品でも上から振り掛けて、魔力を込めると染まる染料です。魔法道具でも、効果を阻害したりしないし安全ですよ」


ほう。これは使い勝手がいい奴だな。染めたりしたら、元々の効果が半減したりする事も有り得るのかと思ったのだが。つまりこれは魔具だな。


「それ買います!」

「ヘイ!毎度あり!銀貨80枚です」


高!もうちょっと安いかと思ったが、結構するなぁ。別の色を抱き合わせで値切ってみるか。


「お姉さん、深い青色とか水色とかもあるかな?」

「!!坊ちゃん、ありますよ〜ありますよ〜ちょーっと待ってて下さい♪」


そう言って今度は嬉しそうにスキップしながら店奥に行きゴソゴソ探した後、2箱持って来る。蓋を開けて色味を確認。


「それでは占めて、銀貨2…」

「はい!金貨2枚ね!」


被り気味に、とびきりの笑顔でお金を出す。店員も笑顔だが冷や汗を流しているが…。何か気付いた様だ。


「はぁ〜敵わんな〜もう。はい、じゃあ金貨2枚で。毎度あり〜」


店員さんが貨幣袋に仕舞う間に、私もウエストバッグに染料の入った箱を仕舞う。その行動を見て、店員の目が光り私の手を引っ張って店の奥へ。


「あんさん、転移者?いや年齢からすると、記憶持ちかいな?」


エミーには聞こえない程度で言ってくる。こっそり念話で『記憶持ちですよ、翠さん』と答えてあげた。暫く固まってたが、徐ろに私を抱えて高い高いする様に回り始めた。


「やっぱそうなんやぁ〜マジで嬉しいわ〜」


初めての街で、こんなに直ぐに前世からの転移者と会う事になるとは思いもしなかった。


☆人物紹介


名前 セーナ・グリーン

年齢 37歳

種族 エルフ

職業 錬成士 (弓術士)

レベル 56 


体力 125/125

魔力 207/209


※能力一部省略


才能(スキル)

弓術 Ⅳ 風魔法 Ⅳ 森林魔法 Ⅱ

錬成 Ⅵ 鑑定 Ⅲ (自己、他者、鉱石)

特殊才能(ユニークスキル)

念話


祝福(ギフト)

???


雑貨屋『みどりの窓口』店長。転移者。前世では『瀬名 翠』。前世では瀬名模型店の娘。身長162セメル。本来エルフは翡翠色の髪が多いが、青味がかった黒髪。普通、エルフにはない雀斑(そばかす)あり。蒼色の鑑定眼鏡を装備。バストはBサイズ。エルフでは標準体型のスリム型。



誤字脱字等ありましたら、ご報告頂けると幸いです。読んで頂いた方々に感謝を。


セーナさんは、サブヒロインですが主要キャラの一人です。なので簡単な人物紹介を付けています。

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