第1章 その2 その魔法を忘れた母
今日は七夕…全国的に愚図ついたお天気ですが、皆様の地域は大丈夫でしょうか?
産まれて1ヶ月程で周りがハッキリと視える様になった。
まだ、自分で歩いたり起き上がったりすら出来ないので、ベビーベッド?の様な所でずっと寝ている。
前世でもこの頃の赤ちゃんは1日の殆どを寝て、起きても母親からの授乳をせがむくらいだった気がする。オムツの交換の時に起きてると、手や足をバタバタと動かすくらいだった様な…
起きてるのに気が付いたのか、女性が近付いてくる。いや今世での母親、エミーだ。
「起きてたの〜アルフ〜。もうお腹が空いちゃったかな〜」
と言って私を抱き上げ、胸の着衣をはだけさせその頂点に私の口元に充てがう。不思議だったのが、無意識で飲み始める私だ。生存本能がなせる技なのだろうかと思う。
因みにエミーの胸はデカい。多分メロンクラスではなかろうか。窒息しそうになった事が何度もある。前世でも思ったが、触っている分には柔らかくて良いが顔に押し付けられると、この大きさは凶器だと思う…。
ひと心地つき、胸から口を外すと、自然と眠くなる。
「お腹いっぱいになりましたか〜。んじゃオムツも替えましょうね〜」
エミーはそう言って、私をベビーベッド?の様な所へ寝かせ、オムツを替え始める。私も親戚の子などのオムツを替えた事があるが、エミーは余り上手ではないのが分かる。まあこの世界でのオムツは布オムツなので難しいのか?とも思うが…内心で、両足持って腰からお尻の汗とか拭いてくれって思ったり、足の付け根もしっかりととか…ちょっとイヤイヤする動きをしていると、エミーは困り顔をする。
「んーアルフはどこか、痒いのかな〜お母さんに教えてくれないかな〜」
赤ちゃんな私が上手く伝えられる訳もない。離れた所から男性の声が掛かる。父親であるオズだ。
ファンタジーでは有名なエルフらしく、一見細いのだがしっかりと筋肉が締まっている。家にいる時はよく本を読んでいる。ここから見える範囲で20冊くらいはあるんじゃなかろうか。
「エミー、清浄使ってみたらどうかな?アルフもサッパリするんじゃないか?」
「「……あ!……」」
思わずエミーと一緒に声を上げてしまった。愛想笑いをしながらエミーは清浄を掛けてくれた。うんスッキリした。しかし魔法にも便利なものもあるんだね。マトモに行動出来る様になったら、是非とも覚えたいものだ。
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