第2章 その11 その小ささ故の勘違い
怖い使用人達に弄り回されてると、コンコンとノックの音がする。すると其れ迄、私の周りにいた使用人達は猛スピードで定位置と思しき位置へ移動した。メイド服着た特殊部隊員かと思うわ。
レヴィさんに連れられて、オズが入ってきた。ロドル達が大丈夫か聞くと「最初は戸惑っていたが、美味しい食べ物貰って御満悦だったぞ」と返事が返ってきた。問題なさそうだ。
その後、直ぐにゼパルジャンさんとセレナ様がやってきた。
「アルフ様〜」
満面の笑みで私の下までやって来て、手を握って振ってくる。ん〜テンションの上げ方についていけないんですが。エミーを見ると、眼で「相手してあげなさい」って言ってる様に見えた。私に幼女、いや少女趣味…あ同い年か。
「セレナお嬢様、皆様とご一緒にお食事に致しましょうか」
「そうですわ。アルフ様もお腹が空いたでしょ?」
返事をする前にクーと誰かのお腹が鳴った。思わず探すと、目の前のセレナ様だった。恥ずかしいのか、顔を赤らめて上目遣いで私を見ている。可愛いねぇ。
「セレナ様、一緒に昼食を頂いても宜しいのですか?」
「!…はい!一緒に食べましょう!」
「では直ぐに準備致しますゆえ、お待ち下さいませ」
どうもこのくらいの子の可愛い瞬間を見てしまうと、和むなぁ。孫がいたらこんな感じ…同い年やん。そ、そう考えれば、隅で待っている使用人達の奇行も…いや理解出来ん。アレは恐怖でしかなかった。
予めだったのだろう。他の使用人達が食事の用意をしてくれた様で、直ぐに別の部屋へ案内された。壁にはよく分からない絵画が飾ってあり、部屋の真ん中には12人程が食事が出来るテーブルがある。これ一枚板の天板だ。長さ10メルはあるんだが。前世で考えるとかなり高額だと思う。どれだけ金持ちなんだ?貴族って。
有り難く昼食を頂いて、食後のティータイム。先程の紅茶とは味が違い、ミルクティーだ。牛乳は欲しいな。色々と使えるし。
「アルフ様、この後はどうされますか?御一緒に街を…」
「父様と母様一緒に、街の案内をして貰う予定なんです」
「なら、私も…」
「セレナお嬢様、アルフ様達のお気持ちも御察し下さい。夜にはまた戻られますし」
ゼパルジャンさんのフォローで、若干涙目になってるセレナ様。いや、エミーがちょっと機嫌悪いんだよ。口や態度には出さないけど、長く一緒にいると分かるというか。黒いオーラが出てる気がするんだ。
「夜には戻って来ますから。また色々お話ししましょう?」
「う〜分かりましたぁ〜。絶対ですよ、アルフ様〜」
両手を握って左右に振って来るセレナ様。この子、段々と甘える様になって来た気がする。同い年だよな?
オズはロドル達の世話をするというので、結局は私とエミーの2人で街の散策になった。先ずは何処行こうかと思っていたら、エミーが私の手を引っ張ってずんずんと歩いて行く。何処に行くのか。
目指しているのはセレナ様の別邸にも劣らない程の建物…と言うか遠くからでも目立っていた砦の様な建物。外見は無骨な白壁で、3…4階建てかな。高さ自体は20メル以上ある。出入口から冒険者達が何人か出入りしている。あれ?明日行くところだよね。無言のまま、連れて行かれる。
入り口の扉は開かれたまま。中に入ると、まるで役所みたいな内観だ。支える柱の上部には灯り用の魔石が照らしていて、充分に明るい。入って直ぐにいくつかテーブルがあり、談笑している中堅冒険者達や、初心者と思わしき冒険者達は羊皮紙を片手に、あーでもないこーでもないと悩んでいる。左奥では酒場も兼ねている様で、ベテランの冒険者達が酒と思しきものが入ったコップやジョッキを片手にワイワイ騒いでいる。右奥では魔物の毛皮などを持ち込んで、係員と話している。そして正面には、明らかに役所ですよと言わんばかりの受付カウンター。これが冒険者ギルドか、かなりしっかりとした組織なのが伺える。
ひとりの受付員にエミーが尋ねる。
「モリーはいる?エミーが来たと伝えて欲しいのだけど」
「は?え?エミー…?。エミー姉さんですか?私です、メルバです」
「え?メルバちゃん?大きく…美人になったわね」
どうやら知り合いの様だ。メルバと名乗った子は黒髪ロング、身長は170セメル程。スリムだが出てるところは出ている。モデルの様だ。昔話に花を咲かせている。不意に後ろから、抱き抱えられた。
「あら〜エミー姉さん、お久しぶりですねぇ。この子はオズィールさんとの子かしら〜?」
敵性反応じゃなかったから警戒しなかったけれど、モリーさんだったのか。この人も大きい。身長はエミーと変わらない。メルバさんと変わらず黒髪ロングだが、胸が大きい。Fカップくらいじゃなかろうか。眼鏡あるんだな。翠色のもので良く似合っている。
「モリー、久し振りね。アンタも大きくなったわねぇ、色々と」
「えぇ〜変わってないと思うけどなぁ〜」
「とぼけてるのは相変わらずね。まぁ、いいわ。その子が愛しの我が子、アルフよ」
「エミー姉さん、2人目ですかぁ?お盛んなんですねぇ〜」
「…いえ、初子よ。明日、登録する為に来たのよ」
「「え?」」
メルバさん、モリーさん2人とも驚いてる。やっぱり小さいんだな、私って。早く身長伸びて欲しいと思う今日この頃。
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次回は23日18時更新予定です。




