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第2章 その8 その執事の有能さ

私の中で執事をしてる人って凄く有能な方だと思っています。



セレナ様の勘違いも、仲良くなれる切欠になってくれた様で。それまでの一方的な父自慢の話もなくなり、普段、何をしているのかとか普段の生活の話に変わった。上から目線の話し方も砕けてきた様だ。


「そのブーツは、アルフが作ったんですの?よく見せて下さいませ」


嬉々として、私の作ったブーツを喰い入る様に見ている、セレナ様。あ、いや、臭いは嗅がないで。臭いはしないだろうけど、恥ずかしいわ。


「まるで手造りとは思えませんわね。素晴らしいですわ」


褒めてくれるのは嬉しいけれど、単に家族お揃いで何か欲しかったから作っただけなんだよね。自慢する程の作品じゃないしなぁ…。一通り検分して満足したと思ったら、今度は私の手を両手で挟み握ってきた。


「是非とも、私にもブーツを作って下さいませ」

「…え?…でもセレナ様は、革鎧とお揃いの白のブーツがありますよね」

「同じ白のブーツが欲しいですわ!」


セレナ様、近い近い。もうちょっと進んだらキスしそうですから。そんなに前のめりにならないで欲しい。ちょっと目線を外して考える。作るのはいいが、白か。染めるのが良いかな?それとも魔物で白い毛皮を持っているものを狩るか、悩むところだ。


「直ぐってのは無理ですが、必ず作ってお渡ししますよ」

「嬉しいですわ!是非ともお願いしますわ!」


余程、嬉しかったのか勢い余って抱きついてくる。子供の頃ってこんな感じだったかな?前世合わせると、もう50歳後半だからこんなに素直な喜びを表現する事の記憶がないし、中々出来ない。暫くすると、セレナ様も落ち着いて自分が何をしているのか気付き、慌てて離れた。


「ご、ごめんなさい。こういうのは初めてで…」


うん、凄く照れて恥ずかしがってる。こんな表情見ると子供らしくて可愛いと思ってしまう。


「わたくし、同い年のお友達がおりませんので…出来たらお友達になって欲しいですわ」


…あ、そっか。同い年だった。でも友達…相手は子爵令嬢で、こっちは…冒険者家族の子供。立場的に無理があるような…。


「有り難い話ですが、身分が違いますよ。畏れ多いです」

「!!身分なんて関係ありません。それともわたくしのことはお嫌いですか?」


ん〜。嫌いなタイプでもないし、普通に可愛いとは思うが立場的にねぇ。どうしたものかと思案していると…。


「アルフ様、出来ればセレナ様とお友達になっては頂けないでしょうか?私からもお願い致します」


とゼパルジャンが御者台の窓から言ってきた。てかそこに居たんかい。全部筒抜けやないの。気配を全く感じなかったから怖いわこの執事。

まぁ、こういうのって幼い時の良い思い出とかで済まされる事もあるし良いか。


「じゃ友達からお願いします」

「はい、宜しくお願いしますわ、アルフ」


あ、はい握手ね。ゼパルジャンが云々と、嬉しそうに頷いている。貴方はお…いや保護者みたいなものか。多分、長年仕えているのだろうから我が子の様に思うのかもしれない。


◇◇◇◇◇


暫くして夕飯の時間となったが、流れでセレナ様達と一緒に食事をする事になった。ゼパルジャンさんの作ったスープや肉料理など、とても美味しかった。特にサラダは絶品だった。ドレッシングは塩と胡椒、酸味は…レモンっぽいものだろうか?生野菜なのに葉物が新鮮だ。これは魔法鞄を持っているのだろうな。調理道具や食器、簡易テーブルや簡易の椅子などやら何処から出したのかと思うほどだ。

食後、馬車の中に戻った後も楽しそうに会話してたセレナ様だが、疲れたのかウツラウツラとし始め、寝てしまった。うーん、私も聞き疲れたし寝るかなぁ。それを察知したゼパルジャンさんは、音を立てずに馬車の扉を開けて毛布をセレナ様の肩へ掛ける。私にも、予備の毛布なのか手渡そうとしてくる。


「宜しいのですか?」

「はい、今夜はセレナ様と一緒に御休み下さいませ」


善意に素直に応えて首肯く。本来なら自分達の馬車に戻るのだが、音を立てて起こしてしまうかもしれないし今夜は仕方ないか。普段、家では夜寝る時はエミーが私を抱き枕として寝ているから、寂しがってなきゃ良いけど。私としては別の方が楽なんだけどね。


◇◇◇◇◇


目が覚めた。寝てから結構時間が経っているが、周りが未だ真っ暗だ。感覚的には夜が明ける1ハウル程前かな。隣ではセレナ様が、安らかな寝息を立てながら寝ている。目が覚めた原因は、眼に映るマップに敵性の反応があったから。数は…17。周囲を取り囲む様に、だがゆっくりと近付いて来る。動きからウルフ系かな。


「アルフ様、起きるには未だ早いかと…」

「ゼパルジャンさん、魔物が来てます」

「アルフ様…ふむ、確かに来てますな。…グラスウルフですか」


ゼパルジャンさん、凄いな。私は未だ敵性の反応と動きから推測しただけで、確定していないのに。私も気配察知も取るべきかも知れないな。




誤字脱字等ありましたら、ご報告頂けると幸いです。読んで頂いた方々に感謝を。


明日も18時に投稿します。因みにホワイトデー話などはやりません。未だメインキャラ揃ってないですしね。

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