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第2章 その2 その遅い成長

え〜本日2話目です。『2』が並ぶんで、とか折角2章始まったのに出発すらしてないのって、どうなのよって思い、凶行?しました(笑)



今日、初めて森を出て町に行く。何故なら、後3日で10歳を迎えるのだ。誕生日じゃなく1月1日って事なんだけどね。


10歳になると『登録の儀』を受ける事が出来る。登録の儀は前世で言う、住民登録の様なもの。この世界では出生率自体は悪くない様だが、成人するまでの生存率が低い。魔物等が跋扈しているのもあるのだろうが、人攫いや殺人などが横行しているのも要因の1つ。そして貴族社会が確立しているのもあって、人身売買等の奴隷制度が世に広まり認知されている。

故に冒険者ギルドが、それまで『職授の儀』しかなかった登録システムを新たに増やし、少年期より少しでも優秀な人材を確保して世界貢献出来る様にしたのがこの『登録の儀』の意義でもある。

なら、産まれてすぐに登録しても良いのでは、とも思うかもしれない。だが先に述べた通り、魔物や人攫い、殺人、そして病気で亡くなる可能性が高い為に10歳に満たない子供の登録は、殆どの国から同意は得られなかったという。『冒険者ギルドの意義』って本と、オズの知識参照。閑話休題。


「食料は…」

「あ!私の鞄に入れるよ」


エミーがキッチンから食材をいくつか持ってきたので、私の鞄に入れる事にする。ついでに食器や調理道具等も持って来て貰う事にする。今回はウエストポーチの魔法鞄にバックパックタイプの魔法鞄を仕舞い、ウエストポーチを肩掛けにしている。オズは途中で夜営する為の道具を自らの鞄に入れている。勿論、魔法鞄(マジックバッグ)である。エミーには医療品や着替えなどを母の魔法鞄に入れて貰う。種類分けとしてはこんなもんだろう。

ふと思ったが、魔法鞄って貴重な魔具ではなかったのだろうか?オズが1つ、エミーが1つ、家の食料貯蔵用に1つ、私専用のが小さいのも含めて3つ。私のは例外としても、A級の冒険者二人で3つ持ってる事だけでも凄い事の様な…。閑話休題。


準備が出来たところで、三人でアイコンタクトして家を出る。装備もオズは薄緑の革鎧に、ミスリルエストック。背中に担いだ魔法鞄横に、折畳式のボウガンを引っ掛けている。エミーは白のワンピースにミスリルの胸当て、両腕にワイバーンの革小手。腰にはミスリル製の片刃の剣。刀の様な反りは少なく、フィランギにも似た剣でヴァルドゥの銘がある。私は薄い水色の麻のシャツに薄茶色のパンツスタイル。武器はバゼラード。所謂、ショートソードだ。ブーツは私のお手製、クレセントベアの毛革を使ったもの。クレセントベアの毛革は防水、除湿性能、耐久性が高い。三人分作ったので、お揃いだ。

オズからは「良い物作ったな」と褒めてくれた時のイケメン具合が凄く、エミーは私を抱き上げて「ありがとうアルフ!大事にするわ」との親馬鹿ぶりにはもう慣れたものだ。


「じゃ、準備する」


オズは出発の為に乗る馬車の準備をする。

正確に言うとドゥバード車だ。今回の為にロドル以外にもう一頭のドゥバード、ペルニーと特製の馬車を購入したのだ。普通の馬車よりも小さいが、しっかりとした造りで幌の屋根もある。サスペンションを搭載して殆ど揺れが無い。それに引くのがドゥバードだから、移動速度も速い。一番近い町『べナール』の街まで一日半の行程だ。通常の馬車だと3日以上掛かる。


エミーは、私を乗せる為に馬車の後に立ち私を待つ。駆け寄ると、私の脇を挟み込む様に抱き上げて馬車に乗る。本来なら、自力で乗るのが普通ではないかと思うのだが、今の私には50セメルもの高さを上がるのは、かなりキツイものがある。何故なら、今現在の身長が107セメルしかないからだ。前世の世界で言えば、小学校一年でももうちょっとあったと思う。エルフという種の所為なのかと、以前オズに聞いてみたが『いずれ伸びる』と答えただけだった。どっちなんだよと。


兎にも角にも、準備が整い出発する。ドゥバードは二本脚の為、もっと揺れるのかと危惧していたが、馬車に装備されたサスペンションのお陰か殆ど揺れない。その割にスピードは自動車並みの速さ。この世界じゃかなり速いと思う。青々とした森の景色が高速で流れていく。所々で、樹々の木漏れ日が光のカーテンの様にも見える。


街か…どんなところなんだろうな。前世で見た海外の田舎町風なのか、ゲームでよくある街並みなのか。期待が膨らむとこだな。




誤字脱字等ありましたら、ご報告頂けると幸いです。読んでいた方々に感謝を。


ようやく初の街へ出発となりました。これからどんな出会いがあるのか、拙筆な私も分かりません(オイ)。

次回は来週土曜日の18時更新予定です。

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