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第1章 その22 その毛皮の高価値

今週から本筋、一章の続きになります。


家に帰り着くと、ロドルはエミーが抱えたムーンウルフの子に気付いたのかあからさまに敵意と興味を向けてくる。私としては気にせんでも、と思うがロドルは気が気でならないのだろう。エミーに降ろしてと態度を示すと、ゆっくりと私を降ろしてくれた。


「ロドル〜ただいま〜」


ちょっと誇張した態度で手を広げ、ロドルの元へ走り寄るとすんごい笑顔(そう見えた)で顔を私に擦り寄せて甘えて来た。ちょっと鶏冠部分がくすぐったい…いや、チクチクするから止めて。

満足したら落ち着いたのか…それでも気になるのは変わらない様で、エミーが抱き抱えたムーンウルフの子から眼を離さない。動物としての序列でも気になるのかねぇ?


「ロドル〜、この子は新しい家族になるんだよ。だから仲良くしなきゃダメだよ」


ロドルは固まった。凄く考えているのか、少しずつ頭が傾いていく。45度くらいで止まって、急に傾きを真っ直ぐに戻して…悲壮な、信じられないとでも言いたげに口を半開きに、更に小刻みに震えてる。ってロドルはやっぱり人の言葉を理解しているよね?


「だいじょーぶ。ロドルも立派な家族だよ」


そう伝えて右手を挙げると、ロドルは嬉しそうに手の平に顔を擦り付け…なんか薄っすら涙流してない?


「アルフ、扉を開けてくれる?」


エミーに言われて、ロドルから手を離すと名残惜しそうに涙目で見てくる。軽く手を振ってから、家の扉を開けに小走りでエミーの方へ行く。ロドルから『クゥエェ〜』と寂しそうな声が聞こえてくるも…


「ロドル‼︎聞き分けなさい。出ないとご飯抜きよ」


シュンと項垂れるロドル。まぁ頑張れ(笑)。

さて家に入り、オズがリビングの一角にタオルや毛布の様なものでルナマリア用の仮の居場所を作り出す。

父様、貴方は何故其処まで無言で気配り出来るイケメンなのか。エミーが惚れたのもちょっと納得してしまった。この世界でのエルフが皆、そうなのかオズだからこそなのか…馴れ初めが知りたいところだ。


準備が終わるとエミーは「ありがと」と一言、オズにお礼を告げてからムーンウルフの子であるルナマリアを横たわらせる。側に寄って様子を伺うが、安らかな寝息とも思える状態で身体が上下している。問題なさそうだと安心し、傍らに座って身体を優しく撫でてやる。ちょっと血や埃等で汚れているのも忍びないので、清浄クリーンの魔法を掛けてやる。


毛並みの汚れが落ちて綺麗になり、改めて撫でると…うっ…凄え気持ち良い。

転生前、元々動物が好きで毛並みを撫でたりしていたが、此処までの気持ち良さは産まれて数ヶ月のアルパカクラスだ。まるで絹の優しい肌触りなのにしっかりとした弾力がある。指の間に毛が通ると、サラサラとしていて何とも言えぬ幸福感が。


「ムーンウルフの毛皮は超が付くほど高級素材だ。亡くなった親の毛皮なら、素材としてだけでも金貨100枚は下らないよ」


恍惚に浸っているとオズが毛皮の価値を教えてくれた。


マジで?もしかしてお金持ちになる?…いやいや勝手に売る訳にもいかんよな。とりあえずこの子が眼を醒まして(言葉が通じるかは分からないが)事情を説明してから、どうするかだよね。






誤字脱字等ありましたら、ご報告頂けると幸いです。読んで頂いた方々に感謝を。

↑誤字脱字報告を受け付けない状態だったのを今頃、気付きました(笑)。修正してます。


体調は戻りつつありますが、時間がなさすぎて…年末年始も本業は仕事詰めデス。

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