prologue 2nd その1 その娘は弟を守る
転生2人目です。ヒロイン候補ですが、果たして…
※注意※柔らか目に表現してますが、事故シーン有ります。気分を悪くされる方は読み飛ばす等お願いします。
わたしの名前は月狼茉莉亜。花の女子高生(笑)。いわゆるJK。今日は弟の誕生日を控えて、買い物に来ている。弟はまだ小学生に上がったばかり。休みの朝にやっている、特撮ヒーローのオモチャが欲しいらしい。私にはサッパリわかんないわ。
今日は休日なのに両親とも仕事が入って忙しいらしく、わたしが一緒に買い物に行くことにしたら結構なお金渡された。余ったら小遣いケッテーだね(笑)。
ウチは影狼流って言う武術の支流らしく、わたしも物心付く前から習わされた。才能があったのか知らないけど、女の子が指を鍛えるってどうなのよ?お陰で指ふっとくなってスマホなんて押し辛いったらありゃしない。
「勇輝〜はよ買いもんせんね〜」
「えーちょっと待ってよ〜。どっちが良いか悩む〜」
「どっちかっち(どっちでも)一緒やろうもん。悩んどらんでサッサ決めりぃ〜」
なんで、はよ決めきらんかねぇ。グズグズしてから…お前は女の子か?顔が可愛いだけにオトコの娘の格好させてやろうか…。
悩んでる弟を見て過去を思い出す。両親の初子は女の子、つまりわたしだった。幼少の頃から道場で親父の武術を興味半分でやってた。4歳の時に…ちょっとだけ、道場の門下生…高校生だったと思う…をぶっ倒したら、諸手を挙げて親父が喜び抱き上げてくれたのを今でも憶えてる。いや、今思えばあれは偶然に…身長差もあって、相手の懐に入り腹筋の脇に綺麗に4指が入ってしまい…お陰で、それからわたしは友達と遊ぶ暇すら無くなったのだ。
小学四年の頃、弟の勇輝が産まれてくるまでは。そう考えるとコイツには感謝か?いや母さんに感謝かな?
ひとが回想している間も、未だに悩んでる弟を見るに…やっぱ腹立ってくるわ。痛い目に遭わせんと分からんかねぇ。
「いい加減、はよ決めぇって言いよろうが。分からんのはこの頭ね?んん〜?」
頭を上からベアクロー、ヨロシクとばかりに掴んで締め上げてやる。指からミシミシ聴こえる気がするが無視することにする。
「い、いた、痛いよ、ねーちゃん。コッチにするから、てぇ〜離して。マジで頭、割れる」
ようやく決めたのは、よく分からんチャンピオンベルトみたいなのに色々と嵌め込んで声が出る代物。なんでも男の子には大人気らしいが…わたしは知らんし、わからん。興味もない。
ようやく買い物済んで、家に帰ろうと店を出ると夕方だった。大喜びでいる弟を連れて家路へ向かう。
途中、道路側でヤなブレーキ音。不思議と時が遅くなる。ゾーンってやつかな…武術やってたせいか偶にそうなる時がある。見遣ると、一台の車が反対車線に突っ込んでいく。手前の車は、急ハンドルとブレーキで危機回避したようだ。コッチ来るかと思って心配したわ。ふと弟を見ると、買ったプレゼントを目線まで持ち上げて眼を輝かせている。コイツは今の騒動に、気付いてもおらんち(いないのか)…平和なやつ。
またブレーキ音がして、今度は反対車線から大型のトラックが此方に突っ込んで来た。折角手前で止まった車両に思いっきりぶつかり、止まってた車両はグシャグシャだ。それでも勢いは止まらず…てかヤバ、弟直撃コースじゃん。身体が勝手に動く。弟を庇う様にトラックとの間に入る。抱いて逃げる…は間に合わん。そして弟を反対側に強く突き飛ばした。
※※※※※※※※※※
遠くで、叫んでいる…弟、勇輝の声か?なんだよ、コッチは寝てんの、よ……待て?なんで寝てるん?
確か…買い物して帰って……薄っすら眼を開けると、茜色に染まった空が目の前にある。ええと、どこ?ここ。身体を起こそうとするが起き上がれない。顔だけでもと起こそうとするが全く力が入らない。勇輝が遠くから「ねーちゃん、ねーちゃん」と叫んでるのが聴こえる。
どこだよ勇輝はぁ〜…眼を動かして視界の端にようやく弟を見付ける。3メートルくらいは離れて…知らんオバちゃんに抱き竦められて…手が真っ赤に染まっちゃいるけど、怪我はしてないみたい。なんか大泣きしてんが…。
ちょっと安心して自分を確認…あ〜手が、指すら動かん。足も動かんねぇ。参ったね、こりゃ。どこか動かせないかと試行錯誤して…
少しだけ頭が上がり、下側を見た。一面、真っ赤に…まるで茜色に染まった空が、雨を降らせたかの様な赤だった。わたしの下半身はあるべきところになく…突っ込んで来たトラックの下に…見覚えのあるオキニのスカートと、私の脚であろうモノ…巻き込まれてグチャグチャだわ。
瞬時に状況理解した…コレはダメだわ。頭をゆっくり地面に下ろした。
あ〜わたし、死ぬんだ…
まぁ、弟の勇輝は怪我なさそうだったから…大丈夫だよね。
唯一心残りは…彼氏出来んかった…ことか。まぁ来世あんなら…良い男見付けて…
見付かる…かな?
勇輝、うっせぇ…「ねーちゃん」連呼すんな…恥ずかしい…だろ。
お前は良い男になって…長生きして…
ま、まぁ、まもってやあって…たん…だ……しず…か…に、ね………か……せ…ろ………ょ。
誤字脱字等ありましたら、ご報告頂けると幸いです。読んで頂いた方々に感謝を。
1話で収まり切れず、区切りまでやったろかと思ってやってたら、5枚分いってしまった。
次話は女神様が出て来ます(笑)




