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第1章 その18 その満月の如き白き獣


警戒しながら進む、オズとエミー。私も魔力感知と地図に意識を傾けながら、何かを探す。


しばらく進んでいると、姿は見えないが『ゴアゴア』とか『ガルルル』とか聞こえて来た。争ってる?地図を再確認すると、解析中の文字と光点が3つ。その内、赤い点が1つに黄色っぽい点が2つ。黄色い方は早さに違いはあるものの、どちらも点滅している。聞こえてくるのは二匹分の唸り声。魔力感知では3つ。1つはかなり弱い魔力。赤い方が黄色い方を襲っていると視るのが妥当だろうか。取敢えず知らせるべきだろう。


「とー様、かー様。ひとつが残りのふたちゅを、こーげきってるっぽい」


抱えられているのもあって、噛んでしまった。でも意味は伝わった様だ。二人は歩みをゆっくりと、警戒しながら進む。


「多分、唸り声から一匹はクレセントベアだね。もう一匹は…ウルフ系統かな?」

「そうね。ウルフだと…この辺はフォレストウルフくらいじゃないの?」


二人が唸り声から推察する。私も右側の視界に映る地図を見ると、解析中だった文字が解析完了と文字が変わって直ぐに消えた。後には光点の所に名前が追加。1つはクレセントベア。後の2つは…えっと、ムーンウルフと表示している。


「こうげきしてるのがクレセントベア、のこりのふたつがムーンウルフだって」


思わずそう口に出してしまった。オズは呆れ顔で、エミーは花が咲いたような満面の笑みを向けてくる。あ、これ拙いよね?思わず地図の情報通りに言っちゃったけど、二人は私のこの才能や祝福は知らないはずだ。


「本当にアルフは天才だわ。やっぱり私達の子供よね!」

「ここから毛色でも見えたのかい?僕はまだ見えないんだけど…いやムーンウルフはもっと北側に住んでいるはずだよ。ここまで南下するなんて…」

「アルフが言ってるのよ。間違えようがないわ。行きましょう!」


オズはまだ納得していないみたいだが、エミーの勢いに押されて今は渋々了承した感じだ。エミーにだけ見える様にサムズアップすると一瞬、眼を丸くしたが直ぐに満面の笑みで返して頭を撫でてくる。うん、誤魔化せただろう。

精神年齢50歳の私は…気恥ずかしいので、目標の方へ振り向く。見えてきた…何か腕を振り抜いている黒っぽい影に、白い犬(サイズはかなり大きいが)が何かを守る様に威嚇している。オズやエミーは更に慎重に、数歩だけ近付いて止まった。


「間違いなくクレセントベアと、ムーンウルフだね。どちらも主クラスの大きさだけど…」


オズの言う通り、主ってのが当たってるんだろう。クレセントベアは2.5メル(メートル)ほどの立ち姿。毛色は黒っぽい茶色が主体で、首の所に白い毛が見える。一方のムーンウルフも体長は同じくらい長く、毛色は輝きを放っているかの様な白。所々に裂傷と思わしき、赤く染まっている部分がある。

あれ?もう一匹は何処だろう?眼を凝らして探すと、ムーンウルフの後脚辺りに白い…まるで小さな月を思わせるかのようなものを見付けた。


これは…親が子を守っているんだと、直感的に理解してしまった。



誤字脱字等ありましたら、ご報告頂けると幸いです。読んで頂いた方々に感謝を。


随分、読んで頂いている方が増えて来ました。本当に感謝ですm(__)m

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