第1章 その16 その母の思惑
まだ20代のエミーのお尻…アルフ君は見慣れていたせいか何も動じる事はなかった様です。血の繋がった親子だしね笑。
母様よりも前にいる父様には、スカートが捲れたのは見えなかったんだろう。不思議そうな、微笑ましそうな感じで此方を伺っている。気付かれる訳にはいかないと思ったのか、エミーは別の話題を振る事にした様だ。
「オズ、キラーモスキートがこんな処まで来るなんて珍しいわよね?」
「……そうだね。奥で何かあったかもしれない。調べてくるかな…」
森の奥を伺うオズ。こ、これは森を探検出来るチャンス?先程の戦闘も、あっという間に終わったくらいの二人なら私を守りながらでも行けるかもしれない。ならばと。
「私も行く!」
エミーは眼を丸くして驚き、オズはやれやれといった感じで溜息を漏らす。まぁ普通に考えたら、連れて行けないのは当然だわなぁ。
「アルフ、これは危険が伴うんだよ。とてもじゃないがアルフを守りながら探索は…」
「オズ、一緒に連れて行きましょう。家に一人で置いてはいけないわ。探索も、オズ一人では何かあった時の対応が難しくなる。それにアルフにも見聞は必要よ」
「いや、しかし…」
「…私が抱えて行くわ。戦闘になりそうな時は…アルフ、私の後ろに隠れるのよ?これは絶対」
「…はい!」
よし、上手くいった。まだ3歳(肉体実年齢2歳)だけど、精神的には前世から数えて50歳になろうかとも言えるのだ。ハッキリ言って、ずっと家の中で過ごすのは精神衛生上、辛過ぎる。家にある書物もほとんど読んでしまっていた。要は暇を持て余しているのだ。
オズが諦めた顔をして「分かった。一緒に行くか…」と独り言ちながら、周囲を再度伺い始める。
「オズ、とりあえず装備がいるから1ミネル(1分)頂戴。直ぐに支度するわ」
エミーはそう言うと、私の首根っこを捕まえて急いで家に入る。猫じゃないんだが…。
家に入るや否や、急いで寝室の方へ駆けるエミー。あ、そうだね…下着履かないとね。私は装備を整え様がないので…あ!バックパックにナイフ…いや、それはやめておこう。ウエストポーチくらいは付けて行くか。ウエストポーチに、水が入った魔法瓶を入れ直して右腰に装備する。
うん、デカ過ぎてずれ落ちる。斜め掛けに背中に背負う事にした。ベルト部分を短く調整して良い塩梅に。これで準備万端だ。
エミーは上に、白の革鎧…レザーチェストとでも言うようなものを身に付け、白のショートブーツを履いて来た。腰には先程の剣に加え、小さめの剣を持って来た。
「アルフには、早いけどナイフを渡しておくわ」
あ、剣じゃなくてナイフなんだ。それでも刃渡り15セメル(センチ)位はありそうだ。私の背中とウエストポーチの間に滑り込ませ、鞘部分に付いている紐を使って上手く取り付けてくれる。
「それじゃ、行きましょうかアルフ」
そう言って私の手を握り、家を出る。外でロドルが此方を見て、一声鳴いた。心配してくれている様だ。
「ロドル〜、おるぅすばん、よおしくねぇ〜」
気持ちが昂っていたせいか、カミカミだがまぁ良い。ロドルは寂しそうな表情をしているので意味は伝わっている気がする。さて、初探検楽しみだぞ〜。
誤字脱字等ありましたら、ご連絡頂けると幸いです。読んで頂いた方々に感謝を。
もうちょっとすると、ヒロイン候補?が登場します(笑)。




