第1章 その15 その母の姿に…
本業の休みの間に、執筆しようと思ってたのですが体調崩していたせいか全く進まず(苦笑)。
私の顔が可愛い(自分で言うなって感じだが)のは置いといて、目の前…エミーの背中越しに見えるあの姿は私が嫌いな虫のひとつ…前世では冬でも偶に見掛ける『蚊』。『キラーモスキート』って母様が言ってたけど…あれ、2メル(メートル)くらいあるんだけど⁉︎あんなに大きいと、気持ち悪さ増し増しなんですけど⁉︎
私が顔を蒼褪めながら見ていると、此方に突進して来たキラーモスキートは結界に身体が引っ掛かり、動きが止まる。薄っすらと膜の様なものが光る。そのタイミングを見計らった様に、父様が風魔法を行使する。『裂風』と唱えられた呪文は、キラーモスキートの羽根の付根部分に発現し、右側の羽根を根元から切り飛ばした。
羽根を切り飛ばされた為、バランスを崩しながら不様に着地するキラーモスキート。その動きが止まる瞬間を見逃さない…いやそうなる事を見越して、腰にある剣の柄に手を掛けたまま既に駆けているエミー。眼前で右脚をしっかりと踏み込み、キラーモスキートの顔付近を剣を抜き様に逆袈裟に斬り上げる。
斬り上げて静止したエミーを見て…なんて格好良いんだろうと…必殺の太刀とも言えるその斬撃で、確実に仕留めるのが解っているかのように、左脚が後ろに真っ直ぐに伸びている。右脚は身体の軸が全く振れる事がなく、全く揺るがない。横から見れば三日月を思わせる立ち姿。
キラーモスキートの吸管が口の根元付近で切れた。吸管が乾いた音を立て落ちた時、奴の身体も斜めに切れた。血飛沫は上がらない。そのまま地面に落ちたところで、ようやく切断面から血が緩慢に垂れて広がっていく。達人だとあんな断ち方が出来るんだなぁと思う。
だが『並列思考』のスキルが私の中で、無意識に発動していた。
エミーは家を出る時の服装を忘れている。パンツスタイルであれば、凄く絵になったと思う。でも…エミーは生成りのフレアスカートを着て来たのだ。それはつまり、スカートの後ろ側だけ捲れて見えてしまったのだ。
下着が見えてしまうだけなら、まだ良かった。だが…エミーは下着を履いていなかった。引き締まった太腿だけでなく、キリッと上がったお尻が丸見えだった。
普通に考えれば、我が子が見ただけなので問題ない。ただ…私は前世の記憶を持って転生したのだ。それもアラフィフまで、生きてきた記憶があるのだ。それなりに経験もあるから、別に興奮するとかは既にない。ただ、母親であるエミーは、我が子に良い所を見せたかったのだと想像がつくだけに……
格好良いと思う気持ちと、とっても残念な気持ちが綯交ぜになっている私。
エミーが『ふふん』と鼻高々に胸を張って振り返り、此方を見遣る。如何にもどうだと言わんばかりに。
言っておくべきだろう。それが親を想う子心というものだ。タタタッとエミーに近寄り、頭を下げる様に手招きする。エミーは屈んで頭を下げ此方に向けて来た耳元に、手を添えて小さな声で告げた。
「かー様、すっごく格好良かった。でも……下着は履いてね」
にこやかな笑顔で…しばらく固まっていたエミー。直立してオズの方へゆっくり身体ごと振り向くと、後ろ手にお尻をスカート越しに触って確認した様だ。そして私にしか聴こえない程度の声で釘を差す。
「アルフ、オズには内緒よ」
誤字脱字等ありましたら、ご報告頂けると幸いです。読んで頂いた方々に感謝を。




