第1章 その14 その耳に着けた装飾品の効果
鏡に映る自分。いやどう見ても可愛い過ぎる。睨めっこしたり、左右に振ったりするが全て同じ様に動く鏡に映った自分。髪の色は深い青。少し緩いウエーブが掛かっている。顔全体は卵型。眼は母様よりだろうか、クリクリとしたサファイアブルーの瞳。耳はハーフエルフだからか少し尖っているが、純粋なエルフであるオズとは違い丸みを帯びて人間の耳朶の様な部分が少しある。鼻は筋が通っているが鷲鼻でもなく、緩やかに丸みがある。まるで頬紅を塗ったかのような色艶で、口は小さいのにぷるんとふっくらしている。
自分で言うのも烏滸がましいが、こんな可愛い子供は見たことがない。父様、母様、グランデ様、感謝します。
耳に着けてくれたカフス。小さな青い石が良いアクセントになっていて、可愛さをより引き出している。
「アルフ、それはずっと着けていなさい。貴方にとって、とても必要なものよ」
「以前にステータス用紙を見てたから覚えているかな?アルフの種族についての事なんだけど」
笑顔だが眼が笑っていないエミー。オズが相槌を打ちながら、付け加える。
「アルフはハーフエルフという種で産まれてきた。この世界にはアルフ以外、いないと思う。何が言いたいかと言うと、稀少性が高いせいで誘拐にあったり奴隷にさせられてしまう可能性がある。だからそのカフス、認識阻害の魔法が掛けられているんだけど、着けていれば『エルフ』として認識される。エルフなら貴族と同等の扱いを受けるから、街に出ても攫われたりする事は少ないと思う。『鑑定』されても効果の高い物を作らせたから大抵は誤魔化せるはずだよ」
個人的に可愛いと思うこのカフスは、凄いマジックアイテム…魔具だった。確かに意識をカフスに向けると、魔力を感じる。実感として認識阻害されているか迄は解らないが。
突然、耳に聞き覚えのある音が聞こえてきた。前世でも聞いた事のある不快音。思わず耳を塞ぐが、構わずとばかりにその不快な高音は聞こえてくる。エミーとオズが、私の行動に不思議そうな顔で見てくる。
何処から聞こえて来るのか、周りを見渡す。魔力感知に引っ掛かったのはエミーの後側から。耳を塞いでいるのに、その不快な高音はどんどん大きく聞こえてくる。エミーの後ろを覗く様に見ていると、ようやく二人も気が付いた様だ。
「…アルフ、よく気が付いた…いや聞こえたね」
オズが感心して当の飛来する目標物を見定め様とする。距離がまだ離れているから判らないが、大きさは1メル以上あるんじゃないだろうか。ただでさえ、私の大っ嫌いな虫のひとつなのに大き過ぎないですか?。エミーはゆっくりと振り向き、剣の柄に手を掛ける。
「オズ、分かっているわね?…アルフ、結界で奴…『キラーモスキート』は入って来れないけれど、吸管だけは結界無視して刺して来るから、私の後ろに隠れていなさい』
やっぱり蚊だった。ただデカ過ぎでしょ?どう見たって2メルくらいの大きさなんですけど⁉︎
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次回も予定通り来週の土曜日18時に更新します。




