第1章 その母のずぼらな日記2
8月も最後ですね。早く夏が終わって涼しくなって欲しいものです。今日もエミーレシアの過去日記をどうぞ(笑)
◯月◯日
パーティーを組んだのは良いが、何故かリーダーになれと。てっきりコルドが引き続きするものと思っていたのに。なんでも『剣姫』の肩書きがリーダーにあった方が、箔が付くからと。渋々引き受ける事にした。
◯月◯日
一緒に探索していて、凄く楽なのが分かった。バランスが取れているのだ。熊人族で守護士のコルド、人間の探掘士ボルゾン、エルフ族で精霊剣士のオズィール、その親類らしい魔法士のリースレータ。4人でパーティーを組んでいたそうだが、もう1人前衛職か回復士が欲しかったらしい。
◯月◯日
リースレータが、好きな男はいないのか聞いて来た。まだ恋愛よりも、私の剣が何処まで通用するのかの方が興味が尽きない。コルドはどうかと言って来るが、笑い方や食べ方が下品だ。良く言えば、ワイルドになるのだろうがアレはない。
◯月◯日
ボルゾンが2人きりになるタイミングで『俺としねえか』と聞いて来た。悪いが願い下げだ。コイツは目が気持ち悪い。それに一緒に組んで見て分かったのは、探堀士として優秀だが普段の素行が悪い。休みの日にコイツは1人で花街に通っている。誰がそんな奴と関係を持つものか。悪いが興味ないと断った。
◯月◯日
精力的に依頼をこなしたお陰で、パーティーを組んで1年でAランクになれる一歩手前迄来た。次の依頼『ワイバーン討伐』を成功させれば、晴れてAランクになれる。頑張らなければ…啖呵を切って家出した意味がない。
◯月◯日
焦っていた。なんとか倒したのだが、左側…脇から脇腹、腰にかけて鉤爪を喰らってしまった。既に回復薬も私の魔力も尽きかけている。皆んなが心配して駆け寄ってくる。いやボルゾンだけはワイバーンの解体をしにいった。オズィールが的確に薬草を磨り潰し、それを傷口に当てる。素早く包帯を巻いてくれる。痛みに朦朧としながらもオズィールの事が目から離せなかった。
◯月◯日
Aランクに昇格した。嬉しさよりも、戸惑いと悔しさが募りあまり喜べない。怪我自体は治ったが、脇の下と腰の上辺りに穴が空いた傷痕が残ってしまった。服や鎧を着れば目立たないが、油断した事実は変わらない。オズィールは何をしているだろう?アイツが手当てしなければ、もっと酷い…いや死んでいたかもしれない。
◯月◯日
オズィールに休みの日はどうしてるのか聞いてみた。後ろでリースレータがニヤニヤしているのがムカつく。後で殴る。オズィールは森までロドルに乗って出掛けているのだと。ロドルは移動用の動物だ。以前、ロドルに触っている時に魔物なのかと聞いたらロドルは怒っていた。人語が解るのか…。
◯月◯日
ロドルに乗ったオズィールと共に、貸出用のドゥバードに乗り森を走る。見た目揺れている感じだったが、乗ってると思ったほど揺れていない。騎乗してる人の事を考えて走ってくれるんだそうだ。欲しいなと金額を聞いたら、金貨30枚。買えなくないが…高い。
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明日から通常の更新に戻ります。つまり明日も18時更新です。