第1章 その母のずぼらな日記1
本日も18時更新です。本筋をいきたかったのですが、ちょっと間に合わない(汗)のでエミーレシアの過去話です。
◯月◯日
ようやく10歳になった。母様に連れられて、ギルドに来た。登録の儀を受ける。自己鑑定の才能を貰って自分の状況を確認する。兄達と一緒に、お抱えの剣術指南に習っていた所為か剣術がL Ⅳもあった。母様に伝えるが良い顔をせず、職授の儀は受けずにそのまま家に帰った。
◯月◯日
騎士になる事も出来るが、母様は何処かに嫁がせたいようだ。ちょこちょこお見合いの話を持ってくる。殆どが有力の貴族で、偶に豪商の馬鹿息子。どれもナヨナヨしていて、気持ちが悪い。
◯月◯日
13歳になった。非常にまずい。胸がだんだんと大きくなってきた。このままでは、無理矢理にでも結婚させられる。好きでもない、好きにもなれない相手と一緒になるなんてげんなりする。家出する準備が必要かもしれない。
◯月◯日
準備が整い、家出を決行する。門を出る瞬間、母様に見付かった。色々言い合ったが何も聞き入れてくれない。頭にきたので、門の片側を剣で叩き斬ってやったら驚愕して固まった母様。その隙に門を出る。かなり離れた後に、遠くから何か母様が叫んでいたがハッキリと聞こえなかった。
◯月◯日
王都を離れ、べナールの街に来た。王都にも冒険者ギルドはあるが、家族と鉢合わせする可能性を考えると、離れたこの街の方がいい。職授の儀を受け、聖戦士の職業を選ぶ。銀貨3枚を支払うと、ギルド職員に貨幣袋を貰った。通貨の神、ベルアーネア様の加護を受けている袋で、お金を入れると勝手に両替してくれて便利なのだとか。そのまま貨幣を持っていると、いつの間にかお金が消えるそうだ。大事にしよう。
最初は初心者らしく、薬草取りやグラスゴブリン討伐などで生活の糧としよう。
◯月◯日
ソロで色々と依頼をこなすうちに、16歳で冒険者ランクがBに上がった。周りが剣姫と囃し立てるのも悪い気分ではない。家を出てからもう3年程になる。父様や母様、兄弟は元気にしてるだろうか?
◯月◯日
とある洞窟で、腰の横に付けられる小さい魔法鞄を見付けた。これは凄く便利。荷物が嵩張らず自由に動ける。容量は100キグルと少な目だけれど、時留めの効果も付いている優れもの。今回は上手く依頼をこなせたが、ソロで依頼をこなすのはもう厳しくなってしまった。パーティーを組む相手を探す事にしよう。
◯月◯日
剣姫の二つ名があるせいか、募集をかけたら余りの殺到に驚いた。まさか胸が目当てではないだろうな?男性がやたらと胸を見て話してくる。辟易しながら周りを見てたら、やけに目線が高い気がした。ギルドで身長を測ってみたら180セメル超えてた。いつの間に伸びたのか…。
◯月◯日
パーティーメンバーを決めた。熊人族で守護士のコルド、人間の探掘士ボルゾン、エルフ族で精霊剣士のオズィール、その親類らしい魔法士のリースレータ。4人でパーティーを組んでいたそうだが、もう1人前衛職か回復士が欲しかったらしい。全員ランクBなので丁度良い。やけにコルドが馴れ馴れしい。熊人族の特性なのか、鬱陶しい事この上ない。
誤字脱字等ありましたら、ご報告頂けると幸いです。読んで頂いた方々に感謝を。
明日も18時更新です。