第1章 その11 その魔力量は多過ぎて…
夏休み最終の企画?本日2日目です。
未だに歩く事が出来ない為、最近は本の虫になっている。今日は魔法大全なる本だ。魔法とは言っても、この世界では才能のひとつ。どんな才能でもあれば、この世界で生きていくのに上手く立ち回れる糧となる。
魔法には、火魔法、風魔法、土魔法、水魔法、光魔法、闇魔法の基本自然魔法と、氷魔法、森林魔法、雷魔法、時空魔法の上級自然魔法がある。時空魔法は未だによく解っていないようだ。『時留め』、『収納空間』、『空間転移』位しか確立されていないとの事。
他には、契約魔法、付与魔法、錬成魔法等の理の魔法がある。
それぞれの魔法才能を修得すると、それぞれの魔法が使える。火魔法の才能を修得したら、『着火』から始まり、『豪炎爆裂』まで使える。例え才能レベルが『Ⅰ』でもフレイムバーストまで使える。ただし膨大なMPと発動までの時間が掛かる。才能レベルが上がれば、MPの消費量は減り発動までの時間が短くなるという事らしい。この世界では、呪文の詠唱や呪文名の発言で魔法行使する事が出来るのは勿論なのだが、基本は無詠唱で呪文名のみが多い。更に呪文名すら唱えずに完全無詠唱で魔法行使も可能なのだが、これには本人の創造力が必要で訓練が必要。熟練すれば、オリジナルの魔法や混成魔法、複数同時発動なども出来るらしい。
さて、私が使える魔法は『風魔法』と『森林魔法』、『光魔法』が今使えるらしい。森林魔法はこの本には詳細に載っていないので、まずは風魔法を試してみよう。風魔法の初期に載っているのは『微風』。
大した事ではないのだが、呪文の言の葉が前世での英語やドイツ語、ギリシャ語など多岐に渡るのは何故だろうか。文字は明らかに前世では無かったと思う。古代の象形文字には似ているが、ちょっと違う気がする。閑話話題。
先ずは微風のイメージだ。心地良い風を…前世での田舎の家、軒下での軽やかな風を思い出す。イメージが固まり、両の手の平を内側に向けて魔力を込める。どのくらい魔力を込めたら良いのか解らないので、兎に角込めてみる。頭の中にカチリと扉の鍵を開ける様な音が聞こえたので、呪文を唱えてみる。
『微風』
すると両手の魔力を溜めたところから、風が部屋の中に広がっていく。うん、これは涼し…ん?なんか強くない?だんだんと風が勢いを増し、強風めいてきた。その事に気付いたエミーが、バタバタと奥から駆けてきた。マズイ。
『アルフっ!って何が起こってるの⁉︎』
慌てて、魔法の解除…魔力を霧散するイメージをすると、徐々に風が止んだ。
『…ア…ル…フ…?…あなた今、魔法を…風魔法を使ったの?』
部屋の中が多少散らかってしまったので、仕方なく詫る事にして大きく首肯く。
『ごぅえんあさーぃ』
『………何を言ってるのよ⁉︎まだ2歳なのよ⁉︎……やっぱり天才よ〜♪』
そう言って、私を抱き上げて、くるくる回るエミー。とりあえず物とか壊していないから…怒られんで済んだ。
誤字脱字等ありましたら、ご報告頂けると幸いです。読んで頂いた方々に感謝を。
明日も18時更新します。