第1章 その8 その鞄はアルフ専用
本業が忙しく、しばらく体調不良でした。なんとか持ち直せたので、ちょっとある事を企画?してます。
魔法鞄?マグ?まぐ?知らない単語が出てきて、困惑していたら、オズが補足してくれた。
魔法鞄とは時空魔法が付与された鞄で、魔具のひとつだとか。大抵は迷宮などの宝箱に稀に入っているそうだ。勿論、自作も出来るらしいが錬成魔法や作製スキル、時空魔法や付与スキルが必要なので作れる人も殆どおらず手間も膨大な為、まずお目にかかれない代物。大抵は王族や、有力貴族、一部の冒険者くらいしか持っていないそうだ。大抵の魔法鞄は中に10キグル(Kgと同じ単位)ほど入るものからあり、容量は増えるに従って高額になる。時空魔法で時間停止まで付与されていると値段が跳ね上がり、更に使用者固定されていると防犯上の観点からも、超高額な鞄になってしまうそうだ。
オズが横から手を伸ばして、鞄の中に手を入れようとするが入口付近で手が止まる。
「…間違いなく、使用者固定だね。容量や時間停止かどうかが判らないけど、これは高いよ」
「そうね…100キグルだとしても白金貨5枚以上よね」
んー貨幣価値やらが分からないから何とも言えないが、前世での金貨などの価値を考えると高いのだろうと推測する。まぁ、今はお小遣いも貰える訳では無い(まだ赤ちゃんだし)ので頭の隅に記憶しておくだけにしておこう。
で、中を見ても渦巻いている小宇宙にしか見えない中に、恐る恐る手を入れてみる。すると不思議なのだが、鞄の中身が頭に浮かぶ。ノートPCや充電用のソーラーパネル、飲料水を入れる魔法瓶、メモ用のノートや筆記具、普段の買い物用の自作ウエストバック、煙草や小銭を入れる小さなポーチ、後は紬織のシャツが2枚、財布などが入っているのが一覧の様になって浮かぶ。
ちょっと待て。全て前世での持ち物だ。今出す事は出来るようだが、どれもこの世界にあるものとは思えない。下手にノートPCとか出したら…怖すぎる。精々、自作ウエストバックくらいが無難だろうか?それを思い浮かべると、見えないが手に触れたのが分かったので握って出してみる。出し終わるまで重さを感じない。まるで前世のアニメであった、青猫のポケットのようなものなのかと思わず思ったのは内緒だ。
「「…え?…」」
エミーとオズ2人して素っ頓狂な声を上げた。何がどうしたのか?
「…オズ…何で魔法鞄の中に魔法鞄が…普通、入らなかった筈よね?」
「…ああ、魔法鞄に魔法鞄は入らない仕組みの筈だけど…アルフ、ちょっと貸して貰えるかな?」
私も意味が分からないので、素直に渡すが…開けられないようだ。自作なのでバックパックと同じくジッパータイプではなく上から被せるだけのマグネットボタンで閉じれるだけなので開けられない筈はないのだが、此方も使用者固定になっている為か。
「これも使用者固定の魔法鞄か…うーん。これは新たな発見かもね」
「どういう事?」
「つまり使用者固定の魔法鞄なら、その中に別の魔法鞄を入れられるって事なのかもね」
普通がどうかも分からない私は、頻りに首を傾げるしか他にする事がなかった。
誤字脱字等ありましたら、ご報告頂けると幸いです。読んで頂いた方々に感謝を。




