第1章 その7 その鞄は女神の加護を得て変質する
危ねぇ、更新忘れるとこだった(^◇^;)
エミーの子煩悩っぷりは堪能(苦笑)したので、オズに向かって私の荷物を指して聞いてみる。
「ふぁふぁ〜、あーうぇーあー?」(パパ、あれは?」
「…すごいな、まだ言えてないけれど、ちゃんと理解して喋ってるね」
「アルフは天才だわ〜‼︎」
二人してワイワイし始めているのを眺める。考えてみれば、二人にとって初子なのだからこの成長なんかを目の当たりにすると喜んでしまうのも仕方ない事なのだろうが、自分の荷物を早く確認したいので急かさせてもらう。
「あ〜うぇ〜わぁ〜」
「…あ、ああ、ごめんよ。この鞄だよね」
そう言うと、鞄を机の上に持ってくる。エミーも「ごめんね〜」と謝りながら机の上に座らせてくれる。目の前で見ても、やはり私自作のバックパックだ。前世にあるランドセルの様に、上革のカバーを跳ね上げて中を確認をしていたら…
「…やっぱりこの鞄はアルフので間違いない様だね」
「そうね、私達じゃ開けられなかったし。やっぱりグランデ様の加護なのかしら?」
ん?開けられなかった?それにグランデ様って…どういう事なんだ?思わず確認作業を中断して二人の顔を見て、首を傾げる。二人は顔を見合わせて私に語り始めた…。
エミーが妊娠して暫く経った後、夢でグランデ様のお告げがあったそうだ。
『産まれてくる子はこの世界で初めての、そして唯一のハーフエルフという種として産まれてきます。今後も、本来通り異種族間の交配出産においてハーフと言える種は一切産まれる事はありません。だからと言って、彼に特別な使命は与えておりません。大変だとは思いますが、健やかに過ごされる事をお祈りします』
このお告げを受け、二人で相談して色々と準備。そして家を建てたとの事。
余談だが本来異種族間では、男性側の種族が産まれる確率が8割、女性側が2割と決まっているそうで。
そして私が産まれてから、気が付くと鞄が部屋の隅に置いてあったそうだ。産婆さんだったリスティンさんが忘れて行ったのかと思い、街に行った際に聞いたが忘れたものなど無いと言われたそうだ。では誰のものなのかと中を確認しようとするが、オズもエミーも開けられなかった。で、もしかしたらグランデ様が産まれてきたアルフの物として下さった物ではないか?と思って置いていたのだそうな。
うーむ。転生する際にグランデ様がテンパってしまったのは、私がハーフエルフって種族を望んだ事が原因だったのか。もしもグランデ様にお会いする機会があったら…いやあり得ないかな。心の中で感謝していよう。さて、中身は……えっと…これはどう表現したものか。中が真っ暗…いやこれは宇宙空間みたいな感じに見えるのだが、大丈夫なのだろうか?固まっていると、オズが後ろから覗いてきた。
「やはり、魔法鞄の様だね。それも使用者固定となれば、凄く高価な魔具だね」
魔法鞄?マグ?また知らない単語が出てきたなぁ。
誤字脱字等ありましたら、ご報告頂けると幸いです。読んで頂いた方々に感謝を。