表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
100/113

第3章 その13 その状況説明と両親の贈り物

後、五時間くらいで年を越しますね。来年も続くけど、今年はキツイ一年でした。



見知らぬお婆さんに精神的ダメージを受けたが、モリーさんが運んでくれるので問題ない。というか重くないの?装備含めて二十キグル(キログラム)は少なくともある筈なのだが、私を軽々と抱き抱えてギルドの二階へ。メルバさんはお茶の用意があるので(泣く泣く)キッチンへ行った。エミーじゃなくてルナマリアなんだけど気付いていないのか?

二階の奥、ギルド長室にノックをして「入って来い」と返事を待ってから入る。コルドさんにイレースさん、ヴァレルさんが予定通りいた。


「遅かったじゃねーか、エミーにアルフ。ん?エミー…おめぇ、耳飾りなんかしてどうしたんだ?」


ちょっと呆れ顔のコルドさん。ていうか、ヴァレルさん達は話してないのか口に手を当てて少し笑いを堪える表情だ。事情が事情だけに私からって事か。


「コルドさんお久しぶりです。ちょっとひと騒動ありまして遅れました。後程、衛兵さんが来られると思うので宜しくです。それから、母様ではなくルナマリアです」

「…はっ?…ルナマリア?エミーに妹いたっけな?」

「まずは何があったのかお話ししますので、座っても?」


了解を得て事の発端、森の家を襲われたところから現在までを話す。途中でモリーさんが更にぎゅっと私を抱き締めたり、コルドさんが「王国の調査団長になりやがったのに、んな馬鹿な事起こしやがったのか」と憤ったりしていたが無事に話し終えた。


「何にしても、大変だったな。取り敢えず『鎧』はアルフが持ってんだな?」

「はい、ものがモノですから。後は登録カードですね」

「どちらもこっちで引き取るが良いか?」

「勿論です。持ってても使えません(・・・・・)し」


鎧自体は王国に返すべきだし、既に差し障りのないスキルや大したスキルを持っていない奴のSP値は頂いているから私としては用の無いものだ。ランドセルから鎧と登録カードを七枚出して、コルドさんに渡す。


「鎧の件は後日、王宮に呼ばれる事になるだろう。報奨があるはずだ。それから、此奴等の賞金がギルドから出る。これは明日か明後日だろう。しっかし、エ…アルフ、よく倒してくれた。俺からも礼を言うぜ」


一度、ルナマリアを見てエミーって言いたかったのだろう。それだけ長い付き合いをしてた仲間に、瓜二つでいる姿はコルドさんにとってもいくばかりか。


「今回の件が片付いたら、アルフは国からBランクの推薦を受けるだろう。後は護衛か指名依頼を何回かすれば、間違いなく昇級する。良かったな」


良いか悪いか、どちらかと言えば良いのだろうがまだ十三歳の身に良いのか疑問が残る。しかし自由度で言えば、Bランクになった方が得である。まず準貴族扱いされ、殆どの国へ無料での出入国が可能になる。そして推薦を出してくれた国内での宿泊費も無料(推薦国が支払う)になる。まぁ、拠点を作って彼方此方に旅をするだろうから便利だろう。ただ、それ以上になるとネームバリューが枷になりかねないし色んな柵が増える可能性があるから当分はBランクで充分だろう。


「で、だ。アルフ、此奴等の登録カードを持って来たって事は、エミーとオズの登録カードも当然持ってるんだよな?」

「ありますよ」

「ん〜…ちょい金掛かるが、継承の儀…やるか?」

「継承の儀?」


コルドさん曰く、冒険者ギルドが国と対等な理由の一つが三つの儀だ。【登録の儀】【職授の儀】最後に【継承の儀】。この三つを全ての国々で使える様にしているのだ。そして元々は王家や貴族のみで行われていた【継承の儀】は亡くなった親から、残された子へ才能を一つだけ引き継ぐ儀。グラン王国は初代マサル王が持っていた【真偽の眼】を代々、継承しているんだそうな。

まぁ、使える才能を私が引き継げるなら欲しいものはある。エミーなら【剣術Ⅶ】。コレが有れば剣でほぼ無双出来る。オズなら【精霊感知】か【弓術Ⅵ】のどちらか。でも金掛かるのか。遺してくれたお金は白金貨四枚と金貨七十枚程。足りるのだろうか?


「一人に付き、白金貨一枚。エミーとオズ二人からなら二枚になる。とてもじゃねぇが、はら…」


コルドさんが言い終わる前に、白金貨幣をテーブルの上に二枚並べる。ちょっと固まっていたが、膝を叩いて良しやるかとモリーさんに指示を出す。モリーさんは少し不満そうに私を膝の上からソファに降ろして隣の部屋へ。拘束が解けたので身体の骨をポキポキ鳴らしながら、背伸びや屈伸をする。周りから苦笑が起こるのだが何故だろうか?


「準備出来ましたよ〜。アルフ君、こっちの席に座って〜」


執務机の隣にある、書類だらけのテーブルを片付けてモリーさんは登録盤に似たものを置いた。若干、盤の紋様が違う様に見受けられる。

モリーさんの対面の席に座ると、モリーさんが私の左手を手に取り「カードを出してね」と言うので素直に従う。盤の上にエミーとオズのカードを盤の横から差し込んで(いや、もうコレPCじゃね?)何やら操作すると私のカードが輝き出し、目の前にホログラフィックな画面に『どれを選択しますか?』と出てくる。なんかもう遠い目になってる自分の意識とは別に、並列思考で大急ぎで自分の才能を整理(剣術レベル1をSP値に変換)してから、エミーの剣術レベル7とオズの【精霊感知】を選択。

モリーさんが色々と操作した後に、私のカードがより一層輝いて部屋の中を真っ白にした。



『アルフってば、こんなに凄い才能や祝福持ってたのね。流石、私の子ね』

『ここまでとは正直思ってなかったよ。それにこの才能を選んでくれた事は本当に嬉しい限りだ』

『ええ。これからも私達はアルフを護り続けられるわ』

『アルフ、これからも一緒だ』


二人に抱き締められている感覚になり、眼から一筋の嬉しさと寂しさを織り交ぜた雫が流れるのだった。





読んで頂いた方々に感謝を。


そして良いお年を。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ