君に私の絵を描いてほしい

プロローグ

最近の小説を読んでいると、流行りなのか、共感を得やすいのか、「不治の病が、女子高生のヒロイン」という設定の話が、やたらと目立つ気がする。

でも、世の中はそんなにドラマチックではない。「事実は小説よりも奇なり」というが、当てはまらないだろう。所詮は、フィクションの世界だけだと思っていた。人事のように読んでいた。

しかし、それが自分の身に起ろうとは、夢にも思わなかった。そう、あの日、彼女に出会うまで・・・