自分流枕草子
一.春は……
春は夜。月の光に照らされた夜桜は、昼よりも美しい。月夜に舞う花弁は、どこか哀しく、儚く見えて風情がある。窓を開けていると、風に乗って部屋に入ってくるのも良い。
二.夏は……
夏は昼。小川の水が清く透き通っているのが良い。足を水に浸したとき、かわいらしい小魚を見つけるのも良い。風鈴の音がかすかに聞こえてくるのも涼しげで好ましい。日が強く鋭く照っているのは、枯れてしまいそうになるので良くない。
三.秋は……
秋は夕暮れ。夕日がもみじの山にさして、もみじが鮮やかに彩られているのは趣がある。
四.冬は……
冬は早朝。雪の白さがまだ暗い庭を少し明るくしてくれる。大変寒いのはいやだが、ほほに当たる粉雪は心地が良い。また、冬にしか見られない、おしくらまんじゅうをしているふくらすずめは大変かわいらしい。