66/100
脱胎
虚ろな世界に立っている。
確かなる現実世界でこそあれど、今私の目の前に現前している世界は明らかに現実と乖離している。
いや、正しく表現すると、私にとっての世界が変わろうとしている。
親の庇護の下に生きてきた、軟弱なる私の存在に変化が訪れようとしている。
避けようのない変化。然るべき変化。
差し迫りくる現実に対し、当然の如く現実逃避をしてしまうのは私の未熟さ故か。
此処は、現実であって現実ではない。子供と大人の間にぽっかりと空いた、虚無的な狭間。
私は今、何をするべきだろう。そんな、カンタンなことさえ答えが出せない。
冷蔵庫は、中身の分からない宝箱だった。
期待を持ってその扉を開いていたものだった。
中身を、自らが作らなくてはいけない。
それは、未知の空間ではなくなっていく。




