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径庭
人間の闇は、見えるもの程薄っぺらい。ましてや、ひけらかしている闇が深い訳がない。
闇こそ、光ある人間が総じて抱え持つ物であろう。凡百で普遍的な者の闇は薄い。
思うに、闇を持つからこそ、光を目指す。その闇が大きいほど光たらんとする。闇を闇と捉えられぬ内には、光を光とは捉えられない。
目的は闇から生まれる。そして目的は闇ではない。
闇と光が混淆していると、止揚すらもままならず、目指すべき場所すらはっきりしない。
闇とはすなわち人間生来のもの。それは才覚と同等なもの。
闇と光を鋭敏に捉え、世界を見渡さなければならない。
私にそれはできない。
私はいったい何処に在るのか。
見つけられたら何かが見えるかもしれない。
見えなかったものも見えるようになるかもしれない。
希望的推論を押し並べることしかできない。
どうして、こうなってしまったんだろう。




