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真空
なんだろう。何だかやる気が起きない。
生気が失われている。めんどくさい。
やらなくてはならないことは明確だ。
やりたいことは特にない。
ただただ、食っちゃ寝、食っちゃ寝。
生産性はない。いや、ある意味ではある。物資を浪費し糞を生み出すだけのマシーンという意味では。
何日家から出ていないだろう。
家から出ても見渡す限りの田んぼのみ。
外出する必要性も感じられないし、交通手段の確保が難しい。
だがまあ外出することは本当に大事だと思う。
家でのみ過ごしていると心が腐る。これは、呪いとも、罰ともとれる、怠惰な人間へ送られるはた迷惑なプレゼントだ。
はたして、腐りきった精神を浄化せしめるカタルシスは存在し得るのだろうか。
まあこの休みが終われば自ずと答えは見えてくるだろう。
その答えは当たり前のように思えるものだろう。
やはり、当たり前にあったものの「尊さ」というものは、当たり前に存在していた当時には、意識の破片の中でさえも、一瞬たりとも、まさに須臾にも、思いもしない。
これは性ではあろうが、どうしても、どうしても恨めしいものだ。




