第2話「魔力をもらいましたっ!」
俺は先ほど、ナミリアから魔力をもらった。魔力を分けてもらうのは簡単だった。一瞬で終わってしまった。ナミリアが何か長い英語のような言葉をしゃべったら、俺は赤い光に飲み込まれた。どうやら既に魔力があるらしい。使い方はあとで教えるとのこと。なんか実感がわかない。
でも、なんだかんだで今は午後6時、夕飯の買い物がてら錦糸町の町をぶらぶらと歩いている。
「なぁ、お前は誰に追われてるんだ?」
「ファザーフォレストって人。」
ファザーフォレスト・・・ってことはやっぱり日本人じゃないのか?
「そのファザーフォレストって人は、お前と同じ別世界からきた人なのか?」
俺の質問に対して少女が言った答えは、かなり意外な答えだった。
「彼はこっちの世界の人間なんです。」
「えっ?」
「彼は魔力度96%の、かなりの強さを持つこっちの世界の人なんです。」
「す、すまない。魔力度ってなんだ?」
「そういえば、魔力度の説明をしてませんでしたね・・・。」
「魔力度っていうのは、魔力の素質がどれくらいあるかっていうことです。私は、91%なのでかなり素質があるんですけど、それでもやはり96%には勝てません。魔力度が高ければ高いほど、力は強くなります。そして、この魔力度というのは決して数字があがることはないのです。」
「つまり、ナミリアは永遠に91%ってことか・・・。」
「そういうことです。91%だから、永遠に96%には勝てません。だから、あなたに私の魔力を半分分けたのです。」
「その、魔力を半分分けるっていうのは、ナミリアの魔力度が下がるってことか?」
「いいえ、魔力度は永遠に91%から変わりません。魔力は気力や、体力があれば回復します。なので普通に生活していれば魔力は回復するので、分けても何の問題もありません。」
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夕飯は、コンビニで買ってきたものだ。
料理スキルもなければ食費にかける金もない。
食費があったら好きなグッズを買う。
それが俺だ。
俺の夕飯はミートドリア。そして、ナミリアの夕飯は・・・。
「これは、なんですか?」
「ん、それはスパゲッティっていうんだ。」
「スパゲッツィー?」
「スパゲッティな。スパゲッティのカルボナーラ。」
「カルヴォニャーラ?」
どんな食べ物だよ・・・。
でもナミリアは気に入ってくれたみたいで、
「おいしい!このスパゲッツィーのカルヴォニャーラっていうのおいしい!」
「それはよかったな・・・。あと、スパゲッティのカルボナーラな。」
まるで誰かに追われているとは思えない。そんな感じだった。
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『えぇ、ナミリアを見つけました。やはりこの町の安心荘の2階です。突入しますか?』
『いや、まだいい。明日、幸雄が学校へ行ってる間を狙え。』
『了解しました。』
「面白くなってきたぞ、わが息子よ。試練を乗り越えられるか、見せてもらおう!」
次回
第3話「学校は危険な場所でしたっ!」
できれば、1週間に1回はあげたいんだけど、リアル多忙・・・。