デザートアチーブ6
嫌な夢を見ていた。……気がする。昨夜は戦闘の事やあの奇妙なアンドロイドの事を考えていたまま眠ってしまったようだ。
入り口のドアから鉄を打ち付けるような音が鳴っている。
「む、最悪。目覚め……」
寝癖のついたぼさぼさ頭のまま入り口に向かう。
「なに……」
打ち付けられている簡素な鍵を開けて は少しドアを開く。
「おはようございます!! 小さなお友達!!」
突然騒がしかったのでドアを即閉める。外から何やら寂しげなモーター音が鳴るのが聞こえた。
ドアを再び少し開け、すぐ横の壁に頭をつけて項垂れるガミマルを見上げる。
「んー……おはよう。ガミマル……よく眠れた?」
ガミマルはすぐ様こちらに気づき、おどけて2回ほどその場で回った後、手を差し出してくる。
「ふはは! ナイスジョークです、小さなお友達! さあ、中佐にこってり怒られる時間がやってまいりましたよ!! 」
その言葉に はつい眉根に皺を寄せ、尻尾が垂れ下がる。
「そんな嫌そうな顔せずに! まあなんとかなりますよ!」
ドアが無理やりガミマルに開け放たれて肩を掴まれたと思うと同時に小脇に抱えられていた。
「う、あ? ……まだ。準備できてない」
抱えられたまま跳ねた髪を手櫛でなんとかしようとするが、どうにもならない。
降ろしてほしいとガミマルの腕をゴンゴンと叩くが、叩かれてる感覚など元より欠如した鋼鉄ボディには全く意味をなさないようだ。
「ふはは! 嫌なことはさっさと終わらせるに限りますねえ!」
「むー……もっと周りの声を聞くべきだよ……」
もうどうにでもなれと諦めた はされるがまま視界を流れていく地面をただぼーっと眺めるのだった。