デザートアチーブ
ジリジリとボディを焼くような日差し。
排熱板を全開にしたところで、特に何かが改善されるわけではなかった。
「kkれは、い急がないとt !」
寧ろ日に当たる面積が広がるため、閉じておいたほうが良いのではとも思考する。
ーーオグマン帝国。砂漠地帯。
十数日前から状況は戦線が膠着状態にあった。
辺りには陽炎が立ち上っている。砂が音を吸収し、実に静かだ。
中佐からの直々の指名により、偵察任務に就いた。
「こんな所にいては、いくらhh本機でもでmmm……」
熱暴走によるエラーメッセージがインターフェイスに表示されっぱなしとなっている。
「だだmmですね!これは何処かっh陰へ避難しないと!とてもよ良くない!」
辺りを見渡す。砂しかない。バッと振り返ってみる。砂しかない。遠くをズームして見てみる。砂しかない。
今日の空気はとても乾いていた。
「何か……!」
ガックリと項垂れる。
丸い物体を転がす甲虫が足元でそれはそれは頑張っていた。
「……」
「ああああああ!!!!」
突如ダッシュをする。ガクリと止まり、その場でぶっ倒れる。
「あああああああ!!!」
暫くすると再起動が行われて、ガバッと立ち上がりダッシュをする。ガクリと止まり、その場でぶっ倒れる。
そんな行動を数度繰り返したところ、ふと、視覚センサーが何かを感知する。
「あ……!あれは!!」