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38 準備完了!

 

「それに、この辺りは人間の生息数が多い。ヤツ等の子供を狩ることで、みすみす怒りを買うことはあるまい」


 あの森には、孤児院の子供達も時々出かけるらしいし……

 そんなつまらないイザコザでゴブリン達が人間に目を付けられても困る。

 

 ボーギル殿も「市民は守りたい」って言ってたし。

 街中の人間が減らないことは俺のメリットでもあるので、ここはお互いが歩み寄るべきだろう。


「……なるほど、確かに、この地では我らの数の方が不利……これだけの環境をみすみす手放すのは惜しい。一族の者にも注意を促しておきましょう」


「単純な武器・防具は渡しておくが、あくまでも量産品。鍛冶師の才能があるヤツが生まれたら教えてくれ」


「はっ!!」


 俺は、時空袋の中から適当な武器防具類を取り出し、会議室の端に並べて置く。

 100匹分もあれば十分だろう。


「あと、お前たちが使いやすいタイプの罠があったら教えてくれ。いくつかダンジョン内に準備しておく」


「なんと……! このような過分なまでのご配慮……! 有りがたき幸せに存じます。我らゴブリン族一同、必ずや主様のお役に立ちましょう!!」


 あれ? 何か、ゴブローさんの士気がえらく上がってるんだが?

 まぁ……やる気が無いより良いか。


 彼らの方から扱いたいと希望が有った落とし穴などの各種罠管理の能力を譲渡し、ゴブローさんとの交渉は終了。


 俺の部屋に戻ると、ちょうどネーヴェリクの方も一区切りついたらしい。


「カイトシェイド様、地下8階から10階部分は、アンデット部隊にて構成させていただきマシた」 


 これで、とりあえずは、地下10階までの体裁は整ったことになる。


「デモ……10階のボスフロアはどうしまショウか?」


「そうだなー、10階も有るダンジョンなら普通『キーパー』は居るよな~」


 キーパーとは、ダンジョンを守る守護者のことで、大体10階ごとに一人くらい存在しているのが普通。

 じいちゃんが現役だった時代だと、魔王軍四天王って、このキーパーを兼ねていたらしいんだがなぁ……

 まぁ、あれだけ完成しきったダンジョンだと、キーパーは不要か。


 うーん、10階程度なら、ポイントに余裕さえあればゴーレムが一番なんだけど、今はその余裕がない。


「仕方がない。俺がボスを演るか~」


 つまり、俺の分身体だ。

 『分身体』が多くなればなるほど、俺自身が弱体化することは以前の「魔王城」の生活で身に染みている。

 今度のダンジョンでは、基本的に『俺』をあまり増やさずにやって行けるように運営をすすめたい。


 とはいえ、今は、『本体』込で、俺を3体程度に分ける必要性はありそうだ。


 一人はうちの奴隷やウサミン達など、人間対応中心で、メイン業務は『回復魔法』

 もう一人は10階のフロアボス

 最後の一人は今後のダンジョン拡張に向けた準備と現在の環境整備などだ。


 いずれ、フロアボスは誰かに譲ろう。


 そんな訳で、結局地下10階までの体裁が整ったのは、ボーギル殿が調査団を連れて来る前日だった。


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