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03 四天王最弱、爆散!



 最初に嗤い出したのは誰だったのか。


 ネーヴェリクのフォローなんだかトドメなんだかわからない抗議に、四天王の三馬鹿たちが、たまらず笑いを噴き出す。


 その上司たちの言動に堪えられなくなった部下の一般兵たちの笑い声と陰口も、さざめきのように謁見室に広がった。


「ふふふ……確かに、どうして掃除担当の雑用係が俺たちより位が上なんだよ」「しっ! 四天王最弱様に聞こえるぜ!!」「ぶっ……くくく、虫取りに掃除……!」


 くそっ……!


 お前らが快適にこの魔王城で生活していられるのも俺が環境を整えている恩恵だというのに!


 例えば、奴らが「虫取り」と馬鹿にしている『セーブ・エリア虫』の駆除作業。


 コイツは放置しておくとダンジョン内に『セーブ・エリア』と呼ばれるダンジョン外部からの侵入者が自動で体力回復してしまう謎空間を勝手に作り出すのだ。

 しかも、中級レベル以下の魔物・魔族が、近寄りたくないと感じる結界まで張ってしまう。


 ただし、コイツは捕獲して、特殊な保存袋に入れて置けば、後々、ダンジョンでの罠作成の素材や結界の維持、住民の住環境の整備など、その他の色々な作業に活用できる。

 要は、放置すれば害虫だが、集めておけば益虫。


 だが、集めるためには「結界を壊せる程度以上の魔力量を持つ個体が、地図上をしらみつぶしにマッピングしつつの手作業で回収」……しか、方法が無い。

 このアホみたいに広い魔王城をくまなく、コツコツと歩き回らなければならないのだ。


 究極に地味なうえに、一度、通った場所でも、次に通ると巣食っている可能性があるので、この作業……終わりは、ない。

 なお、俺はこの『虫取り作業』常時10体の『分身体』でローテーション制を取って捕獲している。


 こちらを馬鹿にして笑ってるぐらいだったら、虫取り程度は手伝いやがれ!!


 思わずここの連中に軽い殺意を抱いてしまった。


 しかし、シシオウの機嫌は相変わらず悪いようだ。

 イライラと頭の上にそそり立つ虎のような耳としっぽをゆすり、その右腕に何やら力を溜め始める。


「ふん、掃除? 虫取り? ……ワシを馬鹿にするのもいい加減にするんじゃな!」


 ぶおんッ!!


「!?」


 突如、ケモミミ男の右手から、衝撃波のような魔力の塊が放たれる。


「ダメだっ!! 避けろ、ネーヴェリクッ!!」


 俺は、ケモミミ男の放った斬撃がネーヴェリクに当たる前に、自分の身体を盾代わりに滑り込ませ、その間にネーヴェリクの身体を弾き飛ばす。


「カイトシェイド様ッ!?」


 ザンッ!!


 その、たった一撃で俺の身体はサイコロステーキのように爆散した。



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