表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

29/197

29 接待運用を始めよう!


 そんな訳で、午後は治療を終え、急遽、病人5人と保護者替わりの年長組二人を屋敷に受け入れた。

 病気はたいしたことは無く、むしろ栄養失調気味なのが完治を困難にさせているような状況だったので、栄養たっぷりのパン粥を食べさせ入院中だ。


 死亡ボーナスが入る事は無さそうだが、無事幼児を入手……もとい、一時滞在を確保。


 その関係で、シスター・ウサミンも、屋敷に泊まり込んでくれているし、明日は、またコギッツくんたちが通ってきてくれることは決まっている。


 うしししし。

 美味しい、実に美味しいぜ! 獣人幼児コンボ!!


 このポイントだけで、なんとか「魔法石」の排泄場所を接待用ダンジョン内に固定することもできた。


 モンスターの捕獲作業も実にスムーズだった。アルファのヤツ、流石は元・冒険者。

 『大粒ゴキーブリ』の群れとか『ゾンビ茸に寄生されたネズミ』とか『吸血蝙蝠豚』とか『黒鞭蛇』とか……洞窟っぽいダンジョンに居ておかしくないようなヤツ等をホイホイ捕獲することに成功。


 彼らを俺の分身体が創った洞窟型ダンジョンに放って数日放置。

 もちろん、最初の餌になるような残飯などは存分に放り込んである。


 これで、モンスター達はダンジョンの魔力に馴染んで、あるものは増殖し、あるものは進化し、その生態系を整えてゆくだろう。


 最後に、地下3階にセーブ・エリア虫を一匹放し、地下5階の最奥の間に『瞬間移動魔法陣』を設置し、接待用ダンジョンは完成だ。

 瞬間移動魔法陣に一定量魔力を注ぎ込めば、この屋敷の玄関前に移動するようになっている。


 どうしてそんな面倒くさい事をするのかというと、実はダンジョン作成の制限として、レベルの低い内は、コアだけを独立させた空間に設置することができない。

 つまり、『侵入者が絶対にコアに触れることが出来るようにルートを組まなければならない』訳だ。


 『誰も入れない完全な密室内にコアを隠しておけない』=『誰でもコアを破壊できる』リスクが付きまとう……ということなのだ。


 だが、地下洞窟型ダンジョン最奥の魔法陣から移動し、外部に出た先の屋敷こそが、コアが安置されているダンジョンの奥地……とは、なかなか想定し辛いだろう。


 しかも、その家は、ごくごく普通で善良な人間の(ふりをしている俺の)もの。

 勝手に押し入るのが人間の街では犯罪とされていることは、きちんとベータに確認を取っている。

 

 これも『人間の常識』という盲点を突いたトラップの一種だ。


 なので、冒険者たちには、洞窟型ダンジョンの所々に転がっている『魔法石』を拾い集め、一泊二日、ないしは二泊三日で冒険気分を味わい、俺の家の玄関先まで瞬間移動魔法陣で進んだら、そのままお帰り頂く……という寸法である。


 そして、彼らの滞在期間のダンジョン・ポイントは俺が美味しく活用させていただきます。

 うへへへへ……笑いが止まらんな。


 すべての準備が整った後、地下洞窟への入り口を裏庭の目立たない場所にぽっかりと開け、接待用ダンジョンの運用開始だ。


 俺は、白々しくならないように注意しながら、ここ最近、ずっとマンドラニンジン収穫作業に従事してくれているキツネ耳少年のコギッツくんに声をかけた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 吸血蝙蝠豚……いったいどんな生体なんだ
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ