表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
鉱石よ、大志を抱け!  作者: ありづき
21/34

二つ目の依頼

翌日。

 昨夜にヴィーツと約束したとおり、俺はドードの西門に来ていた。

 時間の指定は無かったため、早めに来たつもりだ。

「お主、早いな」   

 俺が到着してから30分後、ヴィーツと合流した。

「じゃあ、行くか」

「ああ」

 俺たちは、馬車に乗り込み出発する。

 今回の依頼は、「高難度:イモータル騎士団拠点跡を調査せよ」である。

「イモータル騎士団?」

「大昔のドードにあった騎士団のことだ。一番有名なところだと、“黒騎士と白騎士”という伝説に聞き覚えはないか?」

「知らん」

「そんな自信ありげに即答するようなことか?」

「俺は、結構遠いところから最近ここに来たんだよ」

「そうなのか、ならば知らなくて当然だ」

 黒騎士と白騎士とは、ドードでは有名な話で童話のような扱いらしい。

「ざっくり説明すると、黒い鎧を着た黒騎士と呼ばれる男と、白い鎧を着た白騎士と呼ばれる男の一人の女性を賭けた勝負を描いた物語だ」

「つまり、それが所属していたのが?」

「そう、イモータル騎士団だ」

「というか、何でそんなとこに調査が必要なんだ?」

「さてな、依頼主も理由は書いておらん。まあ、何事もなければ実質タダで報酬がもらえる」

 そんなに上手く行くものだろうか?警戒は十分必要だな。

 

 出発から3時間が経った頃、目的のイモータル騎士団拠点跡に到着した。

 それは、緑に覆われた朽ちた教会のような大きな建物だった。

「ここが、騎士団拠点跡か」

「朽ちているとはいえ、立派な建物だな」

「入ってみるか」

 と、その前に俺は地面の土を操り手頃な槍を作った。

 中に入ると、その内装に驚嘆した。

 緑の草木に覆われた窓からは、優しい緑の光が射し込み、天井には不死の怪物である大蛇の装飾が施されている。

「数十年経っても、ここまで圧倒されるものがあるとは……」

 ヴィーツは、天井の大蛇を見つめ目を輝かせている。

「いくつか部屋があるようだな。手分けするか」

「あ、ああ。そうしよう」

 ヴィーツは右、俺は左側を探索する。

 部屋のほとんどが騎士たちの寝室だったようで、めぼしいものはヴィーツが見つけた書庫だけだった。

 そこにある本はとても古く、図鑑や小説が置いてある。

「古いが、どれもおもしろそうな物ばかりだ!」

「本が好きなのか?」

「数十年も昔の伝説の騎士団の読んでいた本たちだ。興味がない方がおかしいぞ!」

 ヴィーツは、目を輝かせまるで子供のようにはしゃいでいる。

 楽しそうでなにより。しかし、こんなにも平和に終わっていいものだろうか?

 大量の本を前に完全に自分の世界に入ってしまったヴィーツを書庫に残し、俺はもっと細かく拠点跡を調べてみることにした。

「しかし、本当に凄いなこの蛇。どうやって作るんだ、こんなの?」

 改めて、天井の大蛇の装飾を見上げる。数十年経っているため所々壊れてはいるが、それでも今にも動き出しそうな迫力がある。

 しばらくその大蛇を見つめ、探索に戻る。

 何となく床を見つめながら歩いていると、変な取っ手のような物がある床を見つけた。

「地下か?」

 一人で行くのは危険と判断し、俺はヴィーツのいる書庫に戻ることにした。

「おーい、地下への扉を見つけたぞ……って」

 俺が書庫に戻ると、そこには完全に本の虫と化したヴィーツがいた。 

「いつまで読んでんだよ!」

「全部」

「地下を見つけたんだ。そこも探索しようぜ」

「ヤダ」

「ヤダじゃなくて」

「ムリ」

「いや、仕事だから」

「お主だけで行ってきてよ」

「いいから、行くぞ!」

 本棚にしがみつくヴィーツを、俺は引きずって例の床まで連れて行く。

「ヤーダー!」

「子供か!」 

  

「で、ここがその地下か?」

 ヴィーツは、ふてくされたようであからさまに不機嫌そうな顔をしている。

「入るぞ?」

「うむ」

 地下へは、少し急な階段をしばらく降りなければならない。

 階段を下りきると、狭い廊下の奥に立派な扉両開きのがあるのが見える。

「ただの地下倉庫では無さそうだな」

 狭い廊下を通り、俺は扉に手をかける。

「開けるぞ」

 俺がそう言うと、ヴィーツはランタンの付いた杖を構え頷く。

 俺は、重い扉を押して開ける。

「これは……?」

 扉の奥、そこに見えたのは玉座に座っている銀の鎧と、それに跪く白い鎧だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ