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転生魔法使いは射程2メートル  作者: ひでんのたれ
妖精の国編
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87話 女王その名はローズ

僕たちは花の妖精族で”自称”天才と豪語しているフリージアの案内で

妖精族たちが生活している集落へと到着した。

キレイに草花が咲いているのかと思いきやこちらも草木が枯れている。周囲を見渡しても数えるほどのものしか外には出ておらず、ここに住んでいるものがいるのか?と思うほど静まり返っていた。


そんな集落を観察しながら女王が住んでいる屋敷へとたどり着いた。


「ここがあたし達の女王様のお屋敷よ」

「それじゃああたしについてきてね!」


僕たちはフリージアの後をついていく。


「こんなに気軽に屋敷に入っていいの?」

僕は聞く。なぜならこの城には警備らしい警備がいないのだ。


「うん平気だよ!だってよそ者は里にすら入れないもの!」

「里の結界が既に万全の警備体制なんだね!」

「そういうこと!テオは許可証持っていたでしょ?持ってない人が結界に引っかかったり侵入すると、あたしたち独特のネットワークで全員に知れ渡るようになっているよ。」

へぇ~そっか・・・ん?

「あれ?じゃあどうしてフリージアは僕たちが結界内に入った時に襲ってきたの?許可証持ってたんだし、そういった警報のようなことはなかったんだよね?」


「・・・それは・・・つい!?」

ついかよ!!!!しかもなぜ疑問形!?こっちが聞きたいわ。

きっとこの子は頭で考えるよりも体が先に動いてしまう子なのだろう。


目の前には大きな扉がある。すると


「あっそびにきったよん!」

勢いよく扉を開けるフリージア。

僕の目の映ったのは、とても綺麗な赤い色の髪をしたどこか儚くもある妖精が黒くスケスケでガーターベルトの下着姿の女性が立っていた。


「きゃっ!!」

着替え中だったのか驚きの声を上げる目の前の妖精さん。

「どうしたの?着替え中だった?」

フリージア・・・。今その対応違う気がする。


「いきなりなんですか!ノックもしないで!」

手に持っている服で前を隠し座り込むその妖精はフリージアに対し怒っている。

「えー!いいじゃない面倒だよ」

「えーじゃありません!まったくこれだからフリージアは。」

「見られても減るものじゃないよね?」

「減ります!わらわの精神がすり減ります。ハートブレイクしちゃいます」

「はいはい!わかったからお客さん連れてきたわよ」


「・・・・・・。きゃっ!!」

本日2度目の『きゃっ』いただきました。

僕とレニーが後ろを向いている間に、その妖精は服を着用し、落ち着いたところで話を始める。


「わらわは花の妖精族女王ローズである。」

えっこの子が女王様だったの?

かなりビックリしたもののこうなると話は早い。


ロンプオン村の雑貨屋ボブ爺さんからの紹介状を渡し、なぜここに来たのか?ことの顛末を話すことになった。

「・・・かくかくじかじかで」

僕は説明をする。

「そうだったのですね。わざわざお越しいただいて恐縮なのですが、大したおもてなしはできそうもありません。」

さっきフリージアと話しをしていたときと口調が違うけど、こちらが外界的な対応の時の姿なのだろう。


「いえ!そこでなんですが、あの空にある黒いモヤのようなものの調査をさせていただきたいのですが許可をいただけませんか?」


「それはもちろん妾からも頼みたい。フリージアは独自に調べているものの人手が足りず調査もあまり進んでいないの。妾からの依頼として協力し調べてもらえるかしら?」


「はいありがとうございます。」

そう僕は答える。すると違うところから

「これであたしにも部下ができるのね!」

と嬉しそうな声が聞こえてくる。僕たちは君の部下になるわけじゃないんだよ!わかっていうのかな?この子は・・・。

とジーっとフリージアを見つめる。


その視線に気づいたローズは僕を見て『ふふふ!』と微笑んでいる。

そしてこう話しを切り替える。

「ボブ爺はお元気でしたか?」

「はいすごく元気で親切にしていただきました。」

「そのようですね。まさかあのボブ爺が妾への紹介状を書くとは思いませんでした。」

「そうなんですか?」

「そうなんですよ!あの方は非常に用心深い方ですからね。だからこそこの里へ入ることの許可を与えていたのです。恐らくはあなたが連れている使い魔を見たからでしょうね」

使い魔?ハクトを見たから?どういいことなのだろうか?


「ハクトとなにか関係が?」

「ご存知ないのですか?その子はジョネラルホーンラビットですよね?」

「そうですね!」


「ボブ爺が巨人族なのはご存知ですか?」

「はい雑貨屋でそのことも耳にしました。」

「巨人族はねジェネラルホーンラビットに乗る兎騎士団というのがいるの!巨人族でもエリート最強部隊ね。」

なんだその部隊。モフモフ天国部隊じゃないか。確かにハクトは巨大化のスキルを持っている。巨人に巨大化したジェネラルホーンラビット!そんな姿を見たら圧巻だよね・・・。


「巨人族の里ではすごく大切にされていて、人にはほとんど懐かない気位の高い魔物なの!そんな魔物とあなたが一緒にいるものだから、すごく珍しいというか私も初めて使い魔にしている人族を見たけれど、恐らくボブ爺もその子を信用して、あなたたちと話をし、あなたたちを信用するに至ったんだと思うわ。」


ハクト、君はそんなにすごかったんだ!えらいぞーそう思いながらハクトの体を撫でてあげる。


「忘れないうちに伝えておきます。そのボブ爺からの紹介状による結界への出入りは1回のみとなっています。ですので里から出てしまうと入れなくなってしまいますのでご注意くださいね。」

これは気をつけないと。


「あのー一つお聞きしてもよろしいですか?」

「なんでしょうか?」

「結界の魔法なのですが、あれは転移魔法ですか?」

僕たちは明らかに結界に入った場所と里内部に入ったときの距離が遠くに移動しているのに気づいていた。もし転移魔法なるものがあれば長距離移動も便利になる。


「正確には転移のようで転移ではない魔法ですね。」

「といいますと?」

「転移魔法とはなんだかわかりますか?今いる場所から違う場所へ移動する魔法です。」

「そうですね。それは理解しています。」

「しかし結界は場所を移動しているのではありません。ランダムに発現する入り口とこの里とを繋いでいる扉なのです。ですので転移というのとは少し違いますね。」


「それは僕でも覚えることはできますか?」

この魔法は覚えたい。覚えることができるのであればこれは身に着けておきたい便利魔法なのだ!


「それは可能です。ただしデメリットはありますよ?」

「デメリットですか?」

「はい!距離に合わせて移動する際に魔力を多く消費します。一般的な人族の魔力量で考えると5キロほどが限界かと・・・。」

燃費悪っ!ただ僕の魔力量考えると問題ないだろう。ただここで知られるのも厄介だし、


「それでもかまいません。教えていただくことはできませんか?」

「わかりました。それでは黒いモヤの依頼解決後というのはいかがでしょうか?こちらは一刻を争う事態ですので!」

「そうですね。それでお願いします」

転移?いや転移のような魔法を教えてもらう約束こぎつけました!


女王ローズとの話を終えた僕たちはフリージアの家に居候することになった。部屋は余っているし一緒に黒いモヤのようなものの調査をするということで、都合がよかったのだ。


「ちゅうもーく!」

フリージアが仕切りだす。

「明日やることは、『空漆黒に覆われし時、最悪が招かれる!地下に潜みし悪霊は地上を枯らし最悪が訪れるであろう。やつを倒し蒼天の空へと導くべし』の文献による地下を探すことよ。」


「目星はついていますの?」

ルイーズが問う。

「それなまったくなし!でも大丈夫!あたしがリーダーなんだから!」

根拠のないこの自信はどこから来てるのか?


「「「・・・・・・・・・。」」」


この場を沈黙が支配する。

「ちょっとみんなそんなに黙らなくてもいいじゃない」

ややお怒りモードのフリージア。


「僕たちはこの里のことよくわからないしある程度探す目星や怪しいところを知って起きたいんだけど・・・。」

僕がそういうと

「そうですね。その方が効率がいいですね」

ルイーズが便乗する。

「そうっすね。ただ歩き回っても見つかるもの見つからないっすからね!」

レニーも便乗!

「ん!無駄に動いても疲れる!怪しいとこ探す!」

ウェンディーも便乗!


「なにそれ!?あったまいい!」

マジ顔でフリージアがいった・・・。この子はなにを言っているんだ!


フリージアに質問をぶつけてみた。すると驚愕の事実を知る。

「これまでどうやって調べていたの?」


「そんなの適当に動いていたら見つかるんじゃないの?」

「適当?どこを?」

「気分が乗るままに直観で!」

ドヤ顔でいうこの妖精にちょっとイラっとしてしまった・・・。

「なんで直観で探していたの?」

「えっこういうのは気合じゃないの?現場百回っていうじゃない?人族の噂で聞いたことがあるわ」

やっぱりこの子ダメな子だ・・・脳筋じゃないか・・・どの口が天才とかいっているんだ・・・。現場百回って事件が起きた現場だよ・・・。なんだか違う方向で勘違いしてないかな?


「うん!とりあえずこの地域の細かい地図ないかな?」

僕はそういってフリージアにこの地域の地図を持ってきてもらうことにした。

ダメだ!この子に任せたらなにも進まないことは想像に容易い。


脳筋自称天才の花の妖精族フリージアとの共同調査。

前途多難である。


いつも読んでいただきありがとうございます。

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