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転生魔法使いは射程2メートル  作者: ひでんのたれ
妖精の国編
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80話 お魚が食べたい

新章突入です

トーライ帝国から帰国し、あれから半年経ち皆それぞれ成長している。

テオはBランク冒険者の中でも、Aランクになるのも時間の問題だと噂をされるほどの実力者となっていた。

レニーとウェンディーは現在Bランク冒険者。

そしてルイーズはCランクになっていたのであった。


そんなある日テオ=イシュタルは叫び声をあげる。


「魚が食べたい!!!!!」


「いきなりどうされたのですか?」

「びっくりしたっす」

「魚?美味しい?食べたことない」


ルイーズは質問し、レニーは驚き、ウェンディーは事実を述べる。


バルジリア王国は大陸のほぼ中央にある国であり、主に食料は穀物、肉類、山菜などである。海から遠い土地な為、魚はほとんど出回ることがない。

そしてこれまでテオは魚を食べたことがないのだ。


川はもちろんある。しかしこの世界の川には魚はおらず、川には魔物が生息している。食することはできるが肉なのだ。


「僕は・・・僕は・・・魚が食べたいんだぁー!!」

この国は美味しい料理はたくさんある。だけど魚だけはない。乾物の文化もこの国はない。さらに海から遠いこの土地に生の魚が届くはずもない。


「魚を食べることができる国を知らないか?」

ダメ元で聞いてみる。


「私はあまり知りません。帝国にはたまにですが魚が並んでいましたが貴重なものでした。」

「・・・私知らない。美味しいの?」

美味しいんだよウェンディー!魚介類を日本人には心のふるさとなんだよ。


「あの~?おいら聞いたことあるっす!」

なにー!さすが料理上手のレニー。

「噂では、ここよりずっと南西に魚をよく食べる地域があると市場で聞いたことあるっす。そこなら美味しい魚料理あるかもしれないっすよ。」

ここから南西か。


「その地域の名前とかわかる?」


「うーん?忘れたっす。だれに聞いたのかもよく覚えてないっすね。すいません師匠」


「そういった地域があるってわかっただけでも十分だよ。ギルドに行って聞いてみよう。」



「・・・ということなんです。なにか知りませんか?」

ギルドの受付嬢のメイアさんに事情を話し、聞いてみた。するとかなり簡単に答えが帰って来た。

「それは、海洋国家シーラじゃないでしょうか?首都ドルフィキでの魚料理は非常に美味だと聞いておりますよ。」


「シーラですか?ここからどのくらいかかります?」


「そうですね。馬車でニか月といったところでしょうか」


「「「なっ・・・・」」」

一同声を上げて固まる。

に・・・ニか月・・・だと・・・。思ったよりも遠いところにあるようだ。


「はい皆さん注目!!」

ルイーズ、レニー、ウェンディー、そして僕の頭の上にいるハクト。


「魚を食べる為に海洋国家シーラの首都ドルフィキに行きたいと考えております。片道約二か月という期間になるので多数決を取ります。」


「行く人は挙手!」


「「「いきますわ(もちろんっす)(ん!食べに行く)(キュンキュキュン)」」」

満場一致で魚を食べる為に旅をすることとなった。


「そうなると準備をしないといけないけど差し当たって急ぐのは馬車かな!」

「そうですね。それとテオさんお母様にも言わないといけませんよ!」

往復約四か月ほど国を離れることを考えると、説明する必要がある。ルイーズは母上の性格をよく把握していた。


初めて母上にルイーズを紹介したときに何があったのかわからないがいきなり意気投合したのだ。これには予想外で驚いたほどだ。

それからというもの母上との仲は良好でなにかと気を使ってくれる。


「ただこのことをいうとどうなると思う?」

「泣きつかれると思います。」

「そうだよね・・・どうしたものか・・・」

・・・・・・。

・・・・。

・・。

ルイーズがある提案を出してきた。

「それならばテオさんがお母様と一緒にお風呂に入ればいいのではありませんか?」

ちょ・・・なにを言っているの・・・。

「失礼しました。温泉ということです。」

「温泉?」


「はい。トーライ帝国から東の山を越えた先に『温泉都市ユバスラ』があります。温泉都市であれば男女一緒に温泉入るのは問題ありませんし、そこならば一緒に入られるのも問題ないかと思いますよ。」

なるほど温泉か。いまだにしつこく一緒にお風呂に入ろうとせがんでくる母上。屋敷ではさすがに抵抗もあるし簡便してほしいが、温泉ならば少し変わってくる。


海洋都市から戻ってきたら『温泉都市ユバスラ』へ行きお風呂も一緒に入れるということを伝えれば解決できるのか。


「温泉!そうか!そうしよう」


屋敷に戻り僕とルイーズは母上に海洋都市にいくこと、そして帰ってきたら『温泉都市ユバスラ』にいくことを話した。


はじめは母上はリザと共に

「テオちゃんママを捨てるの?もう帰ってこないの」

「ママを置いていかないでぇー」

「テオ様さみしいですです。私もついていきたいですです。」

など涙ながらに訴えてきていたのだが、温泉都市のことを言うと納得し何とか落ち着かせることにも成功した。ルイーズナイスアイデアだったよ。


翌日馬車を買いに来た。

「すいません!馬車が欲しいのですが」

「はいいらっしゃいませ。どんな馬車をお探しですか?」

「えっとよくわからないのですが、4人で旅をすることになりましてどういった馬車がいいのか相談させてください。」


「そうですね。どのくらいの期間と距離ですか?」


「往復約四か月ほどの距離です。」

「そうなると二頭びきがいいかもしれませんね。馬の疲れを考えると一頭びきだとその一頭に負担がありすぎて潰れるかもしれません。あとは乗車専用と荷馬車とどちらがよろしいですか?」

乗車専用って普段僕たちが乗っていたような貴族が座るようなタイプだよね?

アイテムボックスがあるから荷物の問題はないにしても、全くないというのも怪しいし荷馬車がいいかな!


「なお乗車専用だと納品まで1年ほどお待ちいただくことになります。」

って答え出したけど一択だった・・・。そんなに長く待てません。

「荷馬車だとどのくらいになりますか?」

「そうですね。遅くとも一週間あれば十分でございます。」

「それでしたら二頭びきの荷馬車をお願いします。」

「かしこまりました。」


つつがなく馬車の購入を終わらせるとルイーズが嬉しそうな笑顔をしていた。

「どうしたの?なんだかうれしそうだけど」

「なんだか新婚旅行をするようでうれしくなってしまいました。」

そういって僕の腕に胸を押し付けながら腕を強く組んできた。

よし僕冷静になれ。負けるな自分。平常心。

僕は少し頬を赤らめドキドキした気持ちを静めようとしながら胸の感触を確かめていた。何もやましいことはない。そうないのだ。


これから楽しい世界への旅立ちとテオ達の成長が急激に進んでいくこととなる。


いつも読んでいただきありがとうございます。

新章はお魚食べたい。お魚探しの旅となります。

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