77話 これからの道
トーライ帝国の内乱が終結した翌日。
僕たちは帝国が用意した宿に集まっている。
「予期せぬハプニングも多くあったけどこれからどうするの?」
そうこれからどうするのか知りたかった。当初の予定と明らか違う展開となっており、こればかりはクラウスに判断を委ねるしかない。なにせ護衛だしね。
「会談は確かに行ったが、あのままの内容にすると確実に帝国は亡ぶ。故に今回の会談の内容は白紙とし、後日改めて会談する方向にする。帝国も今回の内乱により内政はズタズタに引き裂かれているだろうからすぐに会談というわけにはいかないだろう。」
「となるとこれからは?」
「2、3日マクダリアに滞在し帰国ということになるな!」
ということは・・・まさかの?
「休暇を楽しんでくれ!」
心の中でガッツポーズ。
「観光できるんだね。」
「ゆっくり休めるっす!最近きつかったすよ」
「ん!いっぱい遊ぶ街いく」
僕、レニー、ウェンディーは最近の過酷!?な労働からの解放を喜んでいる。
明らかなブラック企業状態ですよ。これまでは。
「テオ。どうするんだ?ルイーズのことは!」
うっ・・・そうなんだよね。どうしよう・・・
「どうしたらいいと思う?」
「なにをいう自分のことだろ!?」
そうだけど・・・モテる男クラウスの意見を聞きたいんだよ。
「せっかくの自由時間だ。ルイーズに逢いに行ってみてはどうだ?」
だよねー。少なくともマクダリアに入れるのは2、3日。その後は街を出ることになるもんね。
「そうだね!ルイーズに逢いに行ってくるよ」
今僕はインフィールド家の一室にいる。
目の前にはルイーズ、ルイーズの父マキアがいる。
僕は休暇中でルイーズと逢う為にインフィールド侯爵家の屋敷を訪れていた。
そこでルイーズとマキアそして僕の3人で話し合いが持たれていた。
「おう小僧よく来たな。」
「はい。昨日ぶりですねマキアさん!」
「おうおうそんな他人行儀な言葉遣いじゃなくていいんだぜ。お父様と呼んでくれ!」
・・・・・・。いや・・・いきなりそれは無理。にしてもキャラ変わりすぎだろ・・・、最初あったときなんて言っていた。
娘はやらんとか喧嘩腰だったじゃないか・・・。
「まあそれはいいが、あと2、3日でマクダリアから離れるんだってな?」
「そうですね。王子の護衛でもあるので一緒にランベルグに帰ることになります。」
「ルイーズお前はどうしたい?」
マキアはルイーズに意思を問う。
「・・・私は・・・そのう・・・。」
「自分の気持ちをはっきりいえ!騎士であることを考慮しなくていい。今の気持ちをいいなさい。」
野暮ったいおっさんみたいな印象だったけど、娘のことよく考えているんだな。素直に関心してしまった。
「私は、テオさんについていきたいと考えています。」
えっ!ついてくる?
「うむ!・・・ということだが娘を連れて行ってくれるか?」
「いきなりすぎですがいいんですか?」
「いいもなにも娘はそれを望んでいる。テオならば娘を守ることもできるだろう?」
「しかし、騎士である以上この国にいたほうが戦力面でもいいのでは?」
そうだ今この時帝国は内乱で疲弊している。騎士の中でも上位の力を持つルイーズが離れるのは帝国にとってマイナスになってしまう。
「構わない。俺は娘に幸せになって欲しい。それに帝国では娘が最前線に立たされることは目に見えている。一番危険な場所へ行かせることにもなる。だがテオの傍であれば、危険なところへ行ったとしても、娘を守ってくれると信じることができるものがいる。娘を守ることができるものがいる場所とそうでない場所。どちらがいいと思うだろうか?それに娘もテオと一緒にいくことを望んでいる。反対する理由はない。」
ここまで言われると反対できないな。
「わかりました。娘・・・いえルイーズさんを守り抜いて見せます。」
「ふっはっは!頼んだぞテオよ!」
そういいながら僕の背中を叩くマキア。痛いよ力強いよ・・・。
ルイーズと目が合いお互いに笑顔を返す。そして彼女は少し恥ずかしそうに目を伏せた。
「ルイーズさんよろしければ一緒に街へいきませんか?」
「喜んでお供させていただきます。それと・・・」
ちょっと恥ずかしそうにしているルイーズ。
「私のことはルイーズとお呼びください。」
「分かったよ!じゃあ僕のこともテオでいいよ!」
そういうと
「いえ!それはできません。」
なぜに!?
「テオさんは私の婚約者です。男性を旦那様となられる方をそんな・・・呼び捨てなんてできません。」
そういうものなのだろうか?
「わかりました。それでは呼びやすい呼び方でいいですよ。」
「はい!テオさん不束者ですがこれからもよろしくお願いします。」
な・・・なんだと・・・こんな言葉を聞くことができるとは・・・。二次元や想像でしか聞いたことのないこの言葉。まさか僕が言われることになるとは!
このこともあり、これからルイーズは僕たちと一緒に行動することとなる。
半日ほどルイーズと一緒に帝都マクダリアの街を散策することができ、彼女の様々な表情を見ることができたのは新鮮だった。
騎士であるときは騎士であるべき姿を見せていたルイーズだが、街中での彼女はいたって普通の女性であり愛おしく思えるような素直で男性を立てる女性だったのだ。転生前の言葉でいうとまさに『やまとなでしこ』と言っても良い。
普段強気な彼女とは別の顔を見ることができ、心惹かれるまでにそう時間は必要なかったのである。
帝都滞在最終日、僕たちは出発の挨拶をする為、ストレリチア皇帝陛下に謁見し、バルジリア王国からは支援の手を伸ばすことを約束。そしてルイーズも僕たちに同行することも報告し、帝都マクダリアを出立することとなった。
今回の会談で決定したことは白紙にするということもこの場で正式に表明している。
これにより、トーライ帝国でやるべきことはすべて終わり新たな旅立ちを迎えることとなった。
いつも読んでいただきありがとうございます。
内戦は終わり休日のお話でした。




