7話 衝撃の事実
メリッサからの加護という
【神の手】
この加護があることで射程2m、威力100倍というわけのわからない性能の魔法使いとなる僕は、攻撃魔法を使っても問題ないと言われてしまった。
「いったいどういうことなんだろうか?」
思わず口に出てしまった。当然だ。いろいろと意味の分からないことを立て続けに言われているんだ。
「じゃあ説明するね。」
「神の手の加護は、テオが魔法を使った魔法で傷つかないようにする加護なの。」
「本当は全魔法耐性でもいいかな?って思ってたんだけど、それやるとヒールもはじくわ、食べ物で毒にあたって解毒の魔法をかけてもはじいちゃうのね。」
「そこで考えたのが神の手よ!」
「最大限の火力の為に!」
「ほら、初めてあったときにモリモリにするっていったでしょ?」
「威力100倍の魔法。たとえ射程が短くとも効果範囲が広くなる。射程の問題解決♪」
「すごくない!?」
「・・・。脳筋女神め」
なんだこの頭の痛い発想は・・・。いやわかるよ。確かに200m射程の魔法射程が2mになって、威力が100倍となると200m先まで影響あるかもしれないだろうよ。
だが・・・打つほうはこえーよ。爆発魔法なんて使ったときには下手すると大爆発の発生源にいることになるんだよ。加護があっても怖いものは怖いんだ!
「ふふふふーん♪」
鼻歌交じりにウキウキしているメリッサ。どう?すごいでしょ?褒めて褒めてっと視線の圧力を感じる。
「な・・・なんでこうなったーーーー!」
「ちょっとこれおかしいよね?なんでこうなったのメリッサ?」
「えっ!?だってステータスモリモリにするからって初めてあったときにいったよね?」
「これロマンだよ。威力強いんだよ。下手するとこの世界で最強の生物でもあるドラゴンを一瞬で消し炭にできる火力を得るかもしれない可能性に満ち溢れた夢のある配慮だよ。」
配慮とはなにか?
そう切実に問いたい。あーそれにしても初めてあったときの嫌な予感・・・当たってしまった。『死なないように体力や才能をちょっと調整する』っていってたよな。
あれでこんなおかしなことになってしまったのか・・・。
そうだよね。なにも言わなかったら筋骨隆々になる予定だったんだもんね。メリッサだもんね。
「はあー」
大きくため息をつくしかない。なってしまったものはしょうがない。ここはメリッサだと思って諦めるしかないようだ。
「次にスキルでアイテムボックスと魔法成長促進があるでしょ?」
「テオはこれってどういったスキルかわかる?」
「まーアイテムボックスは異空間にものをたくさん入れることができるスキルだよね?」
「うんうんそうだね。さっすがテオよくできました。」
イラっ!!なんかたまにこういうイラっとくる上から目線が気に入らないことがある。なにせメリッサのうっかりミスで日本から抹殺されたんですよ僕。
「魔法成長促進っていうのはわかりづらいかな。」
「テオは魔法才能限界突破を最初に選んだよね?これと相性がいいの!」
「な・・・なんだと・・・。神か!!」
「神だ!!!!!!!!」
「あっ!!」
ついついちょっとポンコツに思っているメリッサがまともなことをやっているので声に出てしまった。
「魔法才能限界突破のレベルを上げるのに必要なのはとにかく魔法を使って成長させる、上手にならないといけないのね。」
「そこでこの魔法成長促進よ!」
「はっ!!!!」
そうここで僕はあることに気づいた。これを組み合わせることでより早く魔法才能を伸ばすことができるのだ!
それを察したメリッサは、
「そうなの!このスキルがあると通常よりも早いペースで上達できるの。そして魔法才能限界突破にもわずかながら才能を成長させやすい。という能力があるからダブルでお得~♪」
その瞬間、メリッサが僕を指さし大声で叫んだ。
「どうだーーー!この組み合わせ。」
「おおおー」
今は・・・今だけは本物の女神様だと思える。最初はなんだこのめちゃくちゃしやがってなんて思ったけど、神様仏様メリッサ様じゃないか。まーメリッサは神らしいが。
「ところでテオ!」
「なに?」
「筋骨隆々にする気はございませんか?今なら間に合いますよ。」
「ないわーーーーー!」
まだ諦めてなかったのか?なんだその笑顔で筋骨隆々を進め、断られたら涙を流しながら悲しむ姿は。
そんなに筋骨隆々がよかったんかい!!!
メリッサはとある雑誌を掲げ僕に向かっていいはなった。
「他のステータス関係は変更できないけれど、筋骨隆々はいつでも受け付けております。」
「あああの雑誌は・・・」
日本にいたころに見かけたことがある筋肉雑誌。よくボディービルダーが見る雑誌だよね?
そんな雑誌をなぜメリッサが持っている。そんなに筋肉欲しいのか?
なんだかまたこの先メリッサがなにかやらかしそうで怖いな。そう思っていたらいきなりメリッサが、
「それと欲しそうだったから鑑定スキルおまけしとくね!」
「話終わったし、もういいよね?バイバーイ」
「えっ」
またこのパターン?毎度いきなりすぎませんか?メリッサさん・・・。
なんだか爆弾発言あったよね?『鑑定スキル』がなんだって?激レアだよね?
そんな声は届くことがなく教会に戻されたテオであった。