41話 友情
テオVSクラウスの戦い後編です。
クラウスの作戦にまんまとハマったテオ。
大爆発と共に姿を消したと思われたが、その姿は上空にあったのだった。
そのテオの姿は炎を身に纏い羽根のようなものが生えており、羽根をバタバタとさせながら上空にとどまっており、その姿はまるで赤く燃ゆるフェニックスのようであった。
『おおっとなんだ!テオ選手が空中にいるー!』
すかさず解説のレナが反応を見せる。
「まさかすべての回避方向を塞がれるとは思ってなかったよ。」
僕は素直にクラウスの作戦を誉め、僕もまだまだだと反省をしている。それに避けられたのだって第六感があったからこそ早めに対処できたんだよね。
クラウスの【サンダーウルフ】が放たれる直前に、僕の第六感がピーンと働いたからこそ回避行動をとれたのだ。もしあのままだったら確実に【サンダーウルフ】により大ダメージを受けていた。
「無傷で逃げられるとはな・・・!」
クラウスがポツリと呟く。
「いや!そうでもないよ。」
僕は腕を見せヤケドの跡をクラウスに見せる。
「それでテオ!その姿は説明してくれるんだろうな?」
僕を見てクラウスは問う。これはまだ誰にも見せていない魔法だ。本当はパメラと戦うときにお披露目したかったんだけどそうもいっていられない状況だったのだ。
なぜパメラに?というのも、これはパメラの【ファイアーバード(火鳥)】の魔法を元にして作り上げ身に纏えるようにしたのだ。そして名前を【ファイアーバードアーマー(不死鳥)】と名付けた。
学園に入学し二日目にパメラの【ファイアーバード(火鳥)】を見てからこれを身に纏い飛ぶことはできないだろうか?と考えた僕は、やっと実践で使用できるギリギリのラインに達した。
炎の羽根を自身の腕のように自然に動かすということが非常に難しく、短時間であれば空中にとどまったり飛行することができるようになったのだ。
パメラのほうに視線をやると、ジーッと睨みつけるような目で僕を見ている。
うん今のは見なかったことにしよう。試合が終わったらきっとしつこく聞かれるんだろ~な~。うん間違いないな・・・。なんて思いながら地上へゆっくりと降りていく。
「説明は試合が終わってからでいい?」
「ふっ!そうだな!決着をつけるか!」
僕は【ウインドアーマー】に切り替えてクラウスの目の前まで一瞬で移動する。するとクラウスは【マジックシールド】を発動。【ウインドストーム】を手のひらに発動させ直接叩きつけるが効果が薄い。さすがに硬いな・・・。
ならばと
「ウインドバレット(竜巻弾)」
3本の指先にそれぞれ竜巻を発生させ放つ魔法。今の僕では3本が限界だが、訓練することで指の数だけ発生させることも可能となる。【ウインドストーム】の上位魔法だ。
クラウスはこれも【マジックシールド】で防御するが、
ピキ・・・ピキキ・・・・
パリーーン。
【マジックシールド】は砕け散り、僕の魔法がクラウスに直撃!!!
「ぐはっ!!」
悲痛の叫びと共にクラウスは場外へと吹き飛ばされた。
『勝者!テオ選手!』
「「「わあぁーーーーーーーーー!」」」
大きな歓声が上がる。
『なんとテオ選手!王子様をぶっ飛ばしたーーーー!』
『容赦のない攻撃!まさにボッコボコです。』
おい、なんて人聞きの悪い。その言葉だけ聞いたら僕が悪党みたいじゃないか。これはそうちゃんとした試合なんだから、もうちょっと言葉を選んで欲しい・・・。
ほら周り見てよ・・・
恐らくクラウスのファンらしき女性たちからの視線がそれはもう冷たいものになっているんですよ。
あまりあおらないでください。
僕はクラウスの元へと駆け寄り、回復魔法をかけた。
「ヒール(回復)」
クラウスの傷はみるみると回復し、しばらくすると目を覚ました。僕は横になっているクラウスに手を差し伸べ、クラウスはその手を取り立ち上がった。
「「「これ薄い本のネタにつかえるかも!」」」ボソッ!
キャッキャ!ウフフ!
ん?なにか今不穏な言葉が聞こえたような?そんな気がして悪寒が走ったが、周囲を見渡しても誰がいったのかはわからなかった。
「テオ完敗だ!」
「クラウスかなり強くなったね。」
「嫌味にしか聞こえないな!」
「素直にそう思ったよ。それに楽しかった!」
「クックック!俺もだよ!」
お互いに健闘を称え、大歓声の中【テオVSクラウス】の試合は終わったのであった。
これは数週間後のできごとである。
とある街中である一冊の本が、女性たちの間で人気となっていた。
タイトルは、
『王子と最強魔法使い禁断の愛』
愛する男と男の友情そして淡い恋心をつづった薄い本。
このことは僕は知らない。これから先も一生知ることのない出来事ではあるが、とある裏の世界では大ヒットした一冊として数百年後まで語り継がれることとなったのだ。
話は戻り現在、僕は予想通りパメラからしつこく質問攻めを受けている。それは、【ファイアーバードアーマー(不死鳥)】についてである。レニーの試合を見たいんだがそれどころじゃないのが今の状態だ。
この魔法を纏うことで、空中での移動ができること。今は短時間しか使えないこと。パメラの魔法を参考にしたことなどすべては話すこととなった。クラウスも当然この説明を一緒に聞いている。
最初はジト目のパメラの目線が痛く感じたものの、最後には「テオだからしかたない。」とちょっと呆れたように言われてしまった。なんだかそれはそれで釈然としない。
僕だからって・・・。やや苦笑いをしている僕を見てクラウスはクスクスと笑っている。
するとそこにレニーが顔をだした。あれ?いま試合中じゃなかったっけ???
「勝ったっす!!」
実はすでにレニーの試合は終わっていた。パメラの質問攻めによる拘束でレニーの試合は見ることができず、なんとも締まりのない気持ちで僕の一日が終わったのだった。
いつも読んでいただきありがとうございます。
テオとクラウスの友情は腐のつく方々から絶大な人気となる一冊になってしまいました。




