3話 5歳になりました
遂に!遂に!この時が来た。念願の5歳の誕生日。
この国では5歳になると剣術や魔法の修行を始めることができます。まっといっても既に3歳のころからこっそり練習していたんだけど、これからは両手広げてコソコソせずに魔法の練習ができるのは嬉しいことだ!
「テオちゃん誕生日おめでとう!」
「ありがとうございます母上。」
「テオおめでとう。」
「ありがとうございます父上。」
イシュタル子爵家の屋敷の一室にてテオの誕生日を祝っている。
父ウォルターは剣術や魔法の才能がない。しかし非常に聡明で頭がよくその頭脳を買われ子爵として国の為に働き、領地を豊かに治めている。
「テオよ5歳となりこれからは剣術や魔法の訓練をすることとなる。」
「ハイ!父上」
「そこでだ!明日教会へいき洗礼を受けてもらう。」
「教会ですか?」
「そうだ!洗礼を受けることでステータスを知ることができ、その才能に合わせて家庭教師を選び訓練をしていくのだ。」
えっ!?ステータスボードって洗礼受けないと見れない代物だったの?
産まれたときにステータスオープンしちゃってたよ?
予想だにしていないまさかのチート能力だったことを今知った僕だった。
「いいかテオよ。」
「父は剣術も魔法も才能がない。私の息子であれば同じ可能性が0ではない。」
「しかしそれでも息子であるお前にはそれらの才能が有ってほしい。ない物ねだりではあるがな。」
「はい!父上のご期待に沿えるよう頑張ってみます。」
「はっはっは!才能だから頑張ってどうこうなるわけでもないのだがな。ウムそうだな。明日は期待しておこう。」
そう、この才能というのは厄介なものである。剣術才能値、魔法才能値は、レベル1だと伸びしろがないと烙印を押されるほどのことなのだ。どんなに頑張っても才能値Lv1のものは修練を励んでも精々Lv3まで上がればいいほう。平均がLv4の世界で、がんばってもLv3とか微妙すぎるのである。
まっ僕はすでに知っているし問題なし。
そんなことを考えていたら母であるアメリアが僕に抱き着いてきた。
「そうですよ貴方。テオちゃんこんなに可愛いのに才能がないなんてことはないわ。」
「うっ!!」
アメリアの豊満な胸が顔に押し付けられ息ができない・・・。
ギブギブギブ!!!苦しい・・・。
「はっ!あらら~ごめんなさいねテオちゃん。ママちょっとはしゃいじゃったわ。」
「はあはあはあ・・・。」
「いえ、大丈夫ですよ母上。」
「もうテオちゃんったら。ママって呼んでっていってるでしょ。」
「母上。」
「マ~マ?」
「母上。」
「テオちゃんのいじわる」
頬を膨らませ、ムスーとした表情で言われてしまった。
とまあちょっと過保護で子離れできるのか不安になる母ではあるが、明るく優しく尊敬するべき人なのは確かなことではある。
「ママ、テオちゃんにいじわるされると泣いちゃうんだからね!」
「そんなつもりはないのですが・・・。」
「いいもーん!そんなこというならママは夜中にテオちゃんのベットに入るんだから」
えっまじかこの人。ってどっちが大人でどっちが子供かわからないじゃないか?むしろ僕が入るなら自然かもしれないが、母が寂しくなって子供のベットにくるだと・・・。
難しい表情で考え込んでいたらウォルターにばれてしまった。
「はっはっは!アメリアそのあたりにしておいてやれ。テオが困っているじゃないか。」
「ええー」
残念そうな表情で落ち込んでいるアメリアが声に出していた。
しょうがない。ここは僕が大人になるか。
「母上。寂しくなったら母上のベットに行きますのでその時はよろしくお願いします。」
パアアアアア!キラキラと目を輝かしアメリアは抱き着いてきた。
「うんうん!いつでも来ていいのよ。テオちゃん。ママはいつでもウェルカムよ。」
父と僕は目が合いやや苦笑いをしながら、アメリアが落ち着くのを待っていた。
そして落ち着いたところで父がこう言葉で締めくくる。
「さて明日は早いしテオ、そろそろ寝たほうがいいぞ!」
「わかりました父上。それでは失礼いたします。」
「テオちゃんママはいつでも来ていいのよ。」
「おやすみなさい父上、母上。」
一礼し父、母のいる部屋から退室し自分の部屋へと戻るテオであった。
「なんか・・・疲れた・・・。」




