34話 モフモフは何物にも代えがたい
パメラ目線での話となります。
第一試合の熱気が冷めることなく第二試合が開始された。それと同時に席を立つパメラ。
私は自分の試合に向けて控室へ向かっている。試合を終えたウェンディーとすれ違い軽くではあるけど言葉を交わした。
「おめでとう!」
「ん!」
「パメラさん!がんばって」
「まかせて!」
ウェンディーに向けてウィンクをし、自信満々に私は答えた。しばらく歩き控室に到着。
控室では試合経過を見ることができるモニターがある。恐らくだがこの両者の試合を見るとロドリゲスとかいう筋肉だるまが勝つだろう。
しかし、なぜあんなに筋肉を鍛える必要があるのか?
私は疑問に思っていた。騎士であれば納得できるものの魔法使いに必要な物とは思えないのだ。
「第二試合終了!勝者ロドリゲス選手」
解説のレナぴょんとかいう兎の獣人の声が会場に響く。やっぱり筋肉だるまが勝ったのか。予想通りだった。
「さて!私も試合会場にいくか!」
闘技場の舞台に向けて私は足を進める。
「さあさあ続きまして第三試合【パメラVSジャンド】」
「学園2位の実力者。魔法も美貌もトップクラス。パメラ選手!」
「うわっ黒!全身黒づくめのコートにフードを被った怪しい匂いがプンプン匂うジャンド選手!」
「この戦い勝利の女神はどちらに微笑むのか!」
「第三試合開始!」
ズドーーーーーーン
「瞬殺!これぞ瞬殺。」
「格の違いを見せつける!」
「勝者パメラ選手!!!」
大歓声が沸き起こる。
そんなことはお構いないと言わんばかりに、パメラは赤い髪をなびかせながら舞台を後にした。
彼女が素早く舞台を後にしたのには一つの理由があった。
テオと約束していたの。
なにかって?
モフモフである。
「テオ。私が試合に勝ったら一回戦終わるまでハクトをモフモフしてていい?」
「うーん!相手が相手だし絶対勝つよね?」
「じゃあさ!速攻瞬殺で勝ってすぐ戻ってくるからモフモフさせて!」
そう私はテオの使い魔である一角兎のハクトをモフモフする権利を主張し条件を出したの。
「わかったよ!瞬殺したらハクトを自由にしていいよ。」
「ハクトもいい?」
「キューン!!!」
「やったね!」
言質いただきました。やったね。これならやる気がでる。やる気が出ないわけはない。ということで私は瞬殺しダッシュで観客席に戻ったのである。
テオの一声は
「瞬殺だったね!パメラ」
「でっしょー!」
私はピースしながらそう答える。そして
「それじゃあ約束の・・・」
「約束って?」
「テオひっどーい。約束したよね?ハクトもふもふタイム貰えるって。」
私は落ち込む。それはそうだよ。何のために戦ったのか。瞬殺したのか。
それはハクトをモフモフする為だけにがんばったのだから。それ以上でもそれ以下でもないのに。
「ごめんごめん!ちょっとからかった」
「テオのいじわる。」
「はいはい!ほらハクトを思う存分堪能してくれ!」
そういったテオはハクトを私に手渡しした。私はハクトを膝の上に乗せ軽くモフモフを味わう。からの~胸に抱きしめて顔をすりつけながらもふもふを体全体で堪能する。
モフモフに全力集中をしていたため気が付いたら【第四試合】が終わっていた。
次の私の対戦相手となるんだけど、はっきり言って興味がない。ハクトのモフモフの魅力には誰もあらがうことができないの。
さて次はテオの出番ね。
といってもテオは強いしきっとすぐ終わっちゃうんだろーなー。面白い試合になるのはまだもう少し先の話かなっと思っていた。
そう思っていたの・・・しかしその試合には予想もしない強敵がいたの。テオにとっての最強の刺客ともいえる人がいたの。
「第五試合このカードも注目です。」
「なんといっても魔法師学園カーデリアの最強魔法使いテオ=イシュタル選手の出番です。」
「裏情報によるとファンクラブがあるという噂も耳にしました。」
「うさぎだけに」
観客の男共はなぜが解説レナを見る目がハートの形になっている。
冷静に聞くと寒い寒すぎる。可愛いは正義なんですか?ええそうですか!そんな怒りのような思いが心に住み着く。
「それでは選手の入場です。」
「ルックス良し、魔法の実力も最強!テオ選手」
レナがテオを紹介すると、その瞬間テオにとっての最強の刺客が現れたのだ。
「きゃーーー!テオちゃん!がんばってぇママ愛してるわー」
「テオ様かっこいいですです。瞬殺ぼっこぼこにしてくださいです。」
そう最強の刺客とはテオの母親とメイドで確か名前はリザといったか、その二人である。
声がするほうに目をやると
【テオちゃんLOVE】という横断幕を掲げている。
これを見たテオは顔を真っ赤にして恥ずかしそうにしていた。
これはこれは珍しいテオの姿を見れた。面白い。こういった弱点があったのか。
クラウスは腹を抱えて大爆笑。レニーは目を輝かせながら
「応援負けないっす。」
とかいっている。
それに反応してかハクトも
「キュイーン」
と嬉しそうに鳴いている。
ウェンディーは真剣な面持ちで見ている。
「続きまして!なんだーあのヤンキーのようなリーゼント頭は!」
「アレン選手!」
それだけかい。とちょっとツッコミを入れてしまった私がいる。たしか彼は一応辺境伯家次期当主だったはず。見た目がアレだからしょうがないわね。
すると次はこんな声が聞こえてきた。
「アレンちゃーん!ママが見てるわよーがんばってーそんなやつすぐやっちゃいなさいな。」
今度はどうやらアレンの母親の声援のようだ。
するとそれを聞いたテオの母が
「テオちゃーん!テオちゃんは天才だからちゃんと手加減してあげてねー」
それからしばらく両方の母親同士の息子自慢とも言える口論バトルが続いたのであった。
舞台を見ると、
恥ずかしそうなテオに対し、アレンは胸を張っている。
『あっ!きっとこれあれだ!アレンはマザコンなのね。』
そんなことを思いつつ、試合前に面白い戦いが見れたのは私にとっては予想外であり楽しいひと時だった。
もちろんその手ではハクトのモフモフを感じることは忘れていない。
いつも読んでいただきありがとうございます。
モフモフ最高です!




