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転生魔法使いは射程2メートル  作者: ひでんのたれ
卒業コロッセウム編
36/147

33話 ウェンディーヤンデレモード

世にも恐ろしいことが今ここで始まります。

【一回戦第一試合ウェンディーVSモカ】

その戦いの舞台が開かれようとしている。

テオ、クラウス、レニー、パメラの4人はウェンディーを応援する為に観客席にいた。


「本日の第一試合の選手入場です。」

「おっ一人は小さくて可愛い女の子!手にはぬいぐるみみたいなのを抱いているぅ~」

「ウェンディー選手!!」


「さてもう一人の選手は、金髪縦ロール。」

「THEお嬢様ともいえるその容姿!」

「モカ選手!」


周囲から大きな歓声があがる。

両者が紹介されウェンディーとモカは舞台中央へと歩いていき、両者の距離は縮まっていく。二人の足は止まり開始の合図を待つ。


「あーら貴方な~に!?私に挨拶もないわけ?」

モカは上から目線でウェンディーに対して威圧する。ウェンディーは少し震えおどおどしている。人見知りである彼女にとって初対面の者に対してはどうしてもこういった行動になってしまうのだ。


「確か貴方、男爵家の者でしょう?子爵家令嬢である私に対して言うことがあるんじゃなくって!?」

ウェンディーはうつむきながら体を震わせ、パンダに似たぬいぐるみ(魔道具)のプー太をぎゅっと抱きしめる。


「何か言いなさい!」

『・・・。』

「私が話かけているのに無視するなんてなんて無礼な!!!!」

「それになーに!?その小汚いぬいぐるみは」

「不快だわ!私の目の前にそんな醜いものを見せないでちょうだい。」


ゴゴゴゴゴ・・・・。

ウェンディーのおどおどした姿が止まり、目から光が失われた。そしてみるみる表情が変わり、この世の者とは思えないまさに鬼のような形相へとウェンディーは豹変する。

『テメェェェーーーー!今なんつった!!!!』

『テメのケツに手突っ込んで奥歯ガタガタ言わせたろか!!!!』

会場がシーンと静まり返る。


客席から見ていた僕は

「ねえ!あれって?」

とみんなに視線をやり声をかけた。

「あれはなってるね~」

クラウスはクスクスと笑いながら答える。

「っす!やばいっす。」

レニーはサーっと血の気が引いた顔になり、震えている。

「はあ~やれやれ」

パメラは呆れたような声を出している。


僕たちはこの状態になったウェンディーのことを


【ヤンデレモード】


と言っている。


少し前の話である。

レニーとウェンディーが訓練している最中、レニーはあることに気が付いた。それはプー太が汚れてしまっていたのだ。レニーはキレイにしたほうがいいと思い、このように声をかけた。


「プー太きたないっす。バッチいっす。」

これを聞いたウェンディーは

『・・・・・・。』

表情が一変。今にも人を殺しそうな光を失った冷たい目となり、この世の者とは思えない鬼が可愛く見えるほどの形相へと変化。

『あ゛あ゛ーー!!!!なんだテメェー』

『プー太をいじめる口はこれか!!!』

「・・・なんすか?どうしたっすか?」

『プー太をいじめる発言許すまじ!!!』

「ち・・・ちがうっす。ごめんなさいっす。」

「汚れていたからキレイにしてあげたほうがいいと思ったっす。」

レニーは震えながら答える。


それを聞いたウェンディーは動きが止まり、数十秒したのちにいつものちょっとおどおどしているウェンディーに戻っていった。


落ち着いてから聞いた話、ウェンディーはプー太が悪く言われると豹変するらしい。大切な友達を馬鹿にされると我を失うようだ。


そういった経緯があり、今レニーはこのモードのウェンディーを非常に怖がっているのだ!


『おい!テメェーもう一度行ってみろ』

冷たい目でにらみつけ鬼以上におぞましい表情へと変貌しているウェンディーに怒鳴られたモカ。


「ひっ・・・・!!」

顔面蒼白、一歩後退し、今にも泣きそうな表情になっている。


その時戦闘開始の合図がなる!

「戦闘開始!!」

このタイミングで合図をするか。たしかにいいタイミングであるといえばあるのだが・・・。


ウェンディーは一歩、また一歩とモカに近づいている。

一方モカは一歩また一歩と後ずさる。モカは涙や鼻水など垂れ流しもはや子爵家令嬢としての姿は今ここにはない。【ヘビににらまれたカエル】のように、圧倒的強者の前にいる弱者という立場を理解したのだ。


決して怒らせてはいけない者のパンドラの箱をむやみに開いてしまったのだ。


「ごめんなひゃい・・・ごめんなひゃい・・ごめんなひゃい・・。」

顔面をグシャグシャにしながら懇願している。

それに対しウェンディーは、

『ゆるさない!!!!!』

『プー太!!ハイメガドライブ(大爆光線)』

プー太は大きく口を開け半径90cmのビーム状の光魔法を放つ。


ドゴーーーーーーーーーーーーン!!!!!!!!!!


そのビームはモカの顔を掠め、観客席に張られている結界魔法に勢いよくぶつかり消滅した。

その攻撃により、モカは恐怖のあまり失神。


会場は静寂に包まれる。次の瞬間


「勝者!!ウェンディー選手」

レナぴょんが勝者宣言!ウェンディーの圧倒的勝利となる。


「「「・・・・・・」」」


「「「・・・おお!!!!!」」」


「「「ワァァァァーーーーーーーーーーーー!!!!!」」」


しばらくの沈黙ののちに大歓声があがった。その歓声の中には、

「俺、ウェンディーちゃんのファンになった。」

「ウェンディーちゃんに罵られたい。」

「か弱い姿からあの豹変ぶり!ウェンディー様になじられたい。」

「あなたの物にしてください!」


など、なんだかちょっとわけのわからない声が聞こえてきた。大丈夫か?この国の男共。【ドMかよ!】チラっとパメラのほうを見ると、今度はパメラの目に生気を感じられない。男をさげすむ目だ・・・。


正気に戻った舞台上のウェンディーは頬を赤らめプー太をギュっと抱きしめ一礼したのちその場から舞台裏へと下がっていくのであった。



いつも読んでいただきありがとうございます。

泣く子も黙る、いや更に泣き出すウェンディーヤンデレモード。

ウェンディーのパンドラの箱。決して開けるべからず。

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