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転生魔法使いは射程2メートル  作者: ひでんのたれ
ドワーフ王国編
125/147

122話 これが変態というものか

30体以上のワイバーンに襲われていた幼女を助けたテオ。

その幼女は地べたに座り込み戦闘で疲弊した体を休めていた。

置いてきた仲間と商人がテオ達に追いつきそこで休憩食事がてら自己紹介をする流れとなった。


「本当に助かった。わしはトスリーじゃ」

助けた幼女はお礼と名前を口にした。

「僕はテオ、そしてさっき2体倒して油断していたのがレニー。」

そういうと

「師匠!その紹介はひどいっす!」

落ち込みながらそう答えるレニー。

「そしてぬいぐるみを抱いているのがウェンディーでピンクの髪の子がルイーズ。そのちっこいのがフリージアです。」


「だれがちっこいって?」

やや怒り気味にパンチをしてくるが痛くはない。

「そしてこのモフモフ最高なのがハクト。あと商人です。」


「キュキュイ!」

ハクトはよろしくと言わんばかりの声で答える。

「俺・・・雑じゃないですか?」

商人は意気消沈している。


「こんなところで小さい子が一人でなにをしていたの?」

ルイーズがその幼女に対して不思議そうな表情で目の前の幼女に声をかけた。


「幼女とは失礼な。わしはおんしらよりも年上じゃぞ!」


「「「エエエエエエエエエエエッ!」」」

衝撃の事実にテオ達一行は驚く。


「わしはドワーフ族で人よりも長寿な種族じゃよ。たしか149歳じゃったかのぅ~」


「「「149歳!!!」」」


「なんだババアじゃな(ブフォッ)・・」


(フ・・・フリージア・・・それいっちゃ・・あっ)

フリージアが最後までいいきる前にトスリーのハンマーがフリージアに直撃。


「遅かったか!」

テオは思った。

「女性にそんなこといったらだめだよフリージア。」

ルイーズは心の中で嘆く。

「あれはフリージアの自業自得です。その手の話題は乙女には禁句です。」

ウェンディーは確信した。

「ん!ババア禁止!この言葉封印する!」

レニーは悟った。

「これからご年配の女性はお姉さんと呼ぼうと。」


さまざまな思惑が今この場で微妙な空気が支配している。


「さてそこの小さいの!今何と言おうとしたのかのぅ?」

トスリーが笑顔という今のこの場には似合わない表情でフリージアに詰め寄る。


(この場でその笑顔は怖い。普通に怒った表情されたほうがましだ・・・。)


フリージアはガタガタと震えながら。

「いえ・・・お若く美しいお方だと・・・。」


「ならよいぞ!」

そういって担いでいたハンマーを地面に置くトスリー。


ほっと肩を撫で下ろし命拾いしたフリージア。


「その武器はなんですか?遠くから見てましたが少し変わってますよね?」

僕はトスリーのハンマーを見て質問する。ここは話題を変えるべきだと警鐘をならすスキル『第六感』。


「よくぞ聞いてくれた!これぞわしの相棒『トゲトゲウォッチング』なのじゃ!」

自信満々にいうトスリー。ハンマーヘッド部分だけでトスリーの身長よりも大きく、次の説明をごくりと生唾を飲み込み話を聞くテオ達一行の姿がそこにある。


「これはわしのオリジナル魔道具。こうやると、ほれトゲがハンマーヘッドに出てくるんじゃ。そしてこのトゲは飛ばすこともできるんじゃよ。近接遠距離一体型の『トゲトゲウォッチング』なのじゃ」

『むふん』っとどうじゃと言わんばかりの幸せそうな笑顔で自慢をするトスリー。さらに話が続く。


「そして刮目せよ!この装備を衣装を!これはもっとすごいんじゃよ。」


「まさか・・・ゴスロリで防御力皆無そうだけど、実はものすごく強靭な防具とか?」

僕は思わず身を乗り出しその装備に食い入る!


「チッチッチ!この服は、なんと」


「なんと?」



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。



「見せそうで見えない!下着が見えそうで見えない最強のミニスカなのじゃ!」

頬を染めなにやら意味深なうっとりした笑顔で言い放つトスリー。


「「・・・・・。」」


「おいおいおんしらそんな冷たい瞳でわしを見るんじゃない!」

トスリーは慌てながら懇願する。


「それはどこで売っているのですか?」

ん?僕の背後からその声が聞こえ背後に視線をやると、そこには護衛をしていた商人がおり、思った以上に食いついてきた。


「おんしにはわかるか?この偉大さを!」

「ええわかりますとも!これは素晴らしい。是非仕入れたい品物です。」

「おお!同志よ」


僕達は直感してしまった。

「ああ~これはあれだ!ただの変態だ!チラリストってやつだ!」

そんなことを思いながら二人を見る目は冷たく、かかわりあったことを後悔しそうになった。


「見えても問題ないものを穿いていればいいでしょう?実際売ってますし。」


僕はもっともな疑問を投げかけてみた。見えないというのは確かにメリットであるが、変態を楽しませる為の魔道具となっているのではないのか?と思ったからだ。とくにトスリーの・・・。


「ミニスカの下は下着じゃなければいけないのじゃ。そしてその下着がみえないんじゃよ?」

トスリーはそのように答えた。

(そのこだわりはなんなの?)

「それ女性が穿いてなんのメリットがあるんですか?見えてもいいものを穿いてそのミニスカを穿くのではいけないのですか?」

(トスリーって変態さんなの?絶対違う意味で見えないようにしようとしてるよね?)

僕の頭の中ではこれまでにない様々な思考が流れている。


「おんしも女冒険者と同じようなことをいうんじゃのぅ~。しょうがない奴じゃ。教えてしんぜよう。ミニスカートの中身。見えてしまえばただの下着である。がしかし・・・見えなければそこには無数の世界が広がっておると。こういって売り出そうとしたら女性は光を失った瞳をするんじゃ!それに見えても問題ないものを穿くじゃと!ミニスカの下は下着以外は邪道じゃ。なのに誰もわかってくれなかったのじゃ!じゃからわしが穿いておる。」


「ちなみにじゃが『見えてしまえばただの下着。見えなければ芸術となる下着の見えないミニスカート』というキャッチフレーズだったのじゃよ。」

(あっこれだめなやつだ!完全に変態さんの領域に踏み込んでいるやつだ。何も言っても変わらない。メリッサの筋骨隆々押しと同じやつだ。)

僕はそう確信し、これ以上何も言わないのが大人の対応だと理解した。


そして商人はトスリーの言葉を聞いて『そうですそうです。』と頷いていた。


(おい商人。男・・トスリーは女だけど男のその願望をかなえる為だけにわざわざお金を出して穿く女性はいないと思うのだが・・・。しかもあんな理屈で広げようとされればむしろ穿きたくないだろうに。そんな変な妄想を押し付けられて、説かれて買うものはいないだろう。むしろ変な説明なしで売った方が売れただろうに・・・。)


「トスリーさん物の売り方苦手なんですかね?」

ルイーズが僕の近くでそっと囁く。近づいた瞬間ふっといい香りがしてドキっとしてしまったのは隠しておこう。


「見えそうで見えないスカートの中身について熱弁されるとさすがに買いたくないよね・・・。」

「そうですね。そうでなければ戦闘し激しい動きをする冒険者や騎士といっても、女性はおしゃれをしたいですしミニスカートで下着が見えないのは決して悪くはないのですが、男性からそういった目線で見られると豪語されているようなものですし、それなら見えてもいいものをミニスカートの下に穿いた方がいいですね。」

ルイーズもスカートをはいている為、多少はこの魔道具について評価が高いようだが、変態思考駄々洩れのトスリーの熱弁を聞くと穿く勇気が相当必要になってくるようだ。


「あの熱弁がなければ私も欲しいと思ったのですが・・・さすがにドン引きします。」

ルイーズ小声で囁く。


「トスリーさんそれはミニスカート以外にはないのですか?」

「「なに馬鹿なことをいっているのじゃ(んだ)」」

「えっ」

僕は思わず声にでてしまった。トスリーはともかく商人の男さえも同じことを言い出してきた。


「「ミニスカ以外ありえんじゃろ(だろ)」」

トスリーと商人が口を揃えて言い放つ。

「・・・・」

(うん!これだめだ。痛いほうに熱意を持ってる。作った人物がトスリーじゃなく普通の人だったらきっと売れただろうに。いや普通の人はこういったものを作る発想がないのか?どっちがいいのやら・・・。)


僕はそっと目を閉じ、これ以上は手に負えないと悟ったのである。


その後、

レニー特製の魚料理をふるまい

「なんじゃこれはうまいのぅ~絶品じゃ!何を使っておるのじゃ?」

「それ魚っすよ!シーラ産の新鮮食材っす。」


「魚じゃと。あんなもの軟弱者が食べるものじゃと思っておったのにこんなに美味しいとは!」


「へへへ!ありがとうっす!」

「してこんなに新鮮となるとおんしはアイテムボックスもちなのか?」

「おいらは持ってないっす!師匠が持ってるっすよ!」

「師匠?だれじゃ?」

「目の前にいるじゃないっすか?テオさんっすよ!」

「ほほうおんしが持っておったのか!なかなか見どころがあると思っておったがアイテムボックスまで持っておったとはのぅ~。」

「そんなに珍しいですか?」

僕が聞くと、

「そんなことはないぞ!わしも持っておるしの!ただイメージが難しいのと容量の大きさじゃな!わしは馬車5台分ほどの収納力があるんじゃが多い方じゃよ。1台分以下のものが多いのぅ」

(5台で多い!?もっとあるということはあまり言わない方がよさそうだ。)


食事を終え僕たちは『ドワーフ王国ゴンドーラ王都パトアラ』へ出発することにした。


「トスリーさんご一緒しませんか?」

僕はせっかくだし危険が減るということもありそのように伝えると、

「わしは遠慮しておくのじゃ。まだやることがあるのでな!」

「一人で大丈夫ですか?」

「心配いらんよ。先ほどはさすがにワイバーンが多すぎたが、一応わしも強いんじゃよ。」

笑顔で答えるトスリー。


「そうですか!ご一緒できればよかったのですが。」

「構わんよ!また機会があればよしなに!」

「はいそれでは!」


そういって僕たちはトスリーと別れ、商人護衛の任務へと戻り、『ドワーフ王国ゴンドーラ王都パトアラ』に向けて出発するのであった。





いつも読んでいただきありがとうございます。

お巡りさんここに変態がいますよーーーー!!

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