Ⅰ
登場人物
『どうしようもなく好きなの。だから、浮気されても嫌いになれない・・・』
名前 中園 美唯(なかぞの みい)
性別 女
ニックネーム みいちゃん、みい、中園
性格 一途、人見知り、テキパキしている、少し暗めなネガティブな女の子
『浮気しちゃうけど彼女のことだけは離したくない・・・』
名前 荒畑 皇大(あらはた こうだい)
性別 男
ニックネーム 皇大、荒畑、皇大くん、こうちゃん
性格 明るくって来る者拒まず。ポジティブ、俺様系?イケメン
美唯に出会ってからは、美唯がいなければ何も出来ない、美唯が居なくなれば生きる気力さえない。
『友人として見てられないからいい加減にしてくれよ・・・』
名前 吾妻 奏翔(あがつま かなと)
性別 男
ニックネーム 吾妻、吾妻君、奏翔、奏翔くん
性格 優しい、包容力のある。
→皇大郎の親友?美唯の友人。
『私だったらあんなやつ嫌でたまらないのに・・・』
名前 中津 杏姫(なかつ あき)
性別 女
ニックネーム 杏姫ちゃん、なかつ、杏姫
性格 言葉はきついがとても優しい心の持ち主。
→美唯の親友
その他、皇大の元カノやすきと言いよる女たち
溺愛する彼に1番愛されていると、美唯はどんなに浮気されても思っていたい。その彼、皇大と付き合うようになってから定期的に彼の浮気は発覚している。数ヶ月に1回くらいのペースで浮気していると思われる。
「・・・美唯ちゃん、また荒畑のやつ浮気してるんでしょ?いい加減別れなよ。」
「・・・うん。でも皇大、戻って来てくれるもの私のところに」
「そうだけど!見てられないよ!美唯ちゃんが悲しそうな顔してるもの!」
今も溺愛する彼は浮気中だと疑われている。先程女の子に呼び出され出て行ったっきり戻って来ていない。
「杏姫ちゃん。いいの。悲しいけど戻って来てくれるだけで・・・、」
「美唯ちゃん!そんな・・・」
「・・・だったら、中園、皇大でなくて俺にしろよ。俺だったらしないのに。」
友人達にはいつも「別れちゃえば」と言われる。それでも別れられない。たとえ、友人の男に言い寄られても乗り換えられないくらい彼を愛してしまっているから。
「・・・吾妻くんありがとう。」
「・・・奏翔の方が安心だよ。ねぇ、美唯ちゃん。」
「・・・俺が言うのもなんだけど、中津の言う通りだと思うけどな。」
こうも説得されると心が揺らぎそうになる。皇大とは、2年も付き合っている。その2年の間に何度浮気をされたか分からない。けど、彼は必ず彼女の元へ戻ってくるし、彼は彼女との記念日は決まって一緒にいてくれるし、そういう日は必ずと言っていいくらい浮気はしたことない。
「・・・杏姫ちゃん。吾妻くん。私、なんの考えが無いわけじゃないよ。皇大が、次浮気したら離れるつもりだよ、別れるの。記念日は決まって一緒にいてくれるけどそれを忘れてしたらね?」
「・・・美唯ちゃん・・・もう・・・わかったよ。」
「・・・ったく、なんで皇大の野郎こんな愛されてるのに・・・中園1人幸せにしてやれねぇんだ。」
意思の固い彼女に友人達も折れる。なんの言葉も、もうかけてやれなくなる。そこに彼と出ていった女は帰ってきた。彼はいない。女は少々服が乱れているところを見ると浮気行為を働かせたことは確証に近いであろう。
「皇大くんがさ、私の事相手してくれて嬉しかったー」
帰ってきた女が友人に話していた言葉が、耳に入ってきた。これは浮気確定だろう。女が友人にそんな話をして帰ってきた彼に気が付かないくらい盛り上がるくらいの彼女らの後ろを何事もないように美唯の元へ戻ってきた彼。彼を睨みつける。すると慌てた様子の彼が連れてきた人1人こないしずかな場所。そこでようやく彼女も口を開く。
「・・・皇大、また浮気してきたの?隠す気もないの?」
「・・・美唯!ごめん!本当にごめん!・・・お前だけなんだ、本当に好きなのは!別れるなんて言わないでくれ。」
「・・・うん。今回は許すよ。次、浮気したら私、許さない。今度は本当に許さないって決めたから。次はないよ。」
彼に忠告をした。彼女はこの忠告を最後に次本当に浮気をしたら許すつもりもない。今度は本当に許さずに別れると決めたのだ。彼もラストチャンスと約束した。毎度浮気したあとはしばらく彼は優しい。1番に考えてくれる。それだけで彼女は許したことに後悔など消えてしまう。
「・・・最近、皇大くん相手してくれないらしいよ?」
「・・・えー?あれでしょ、いつもの。浮気の後の彼女のご機嫌取り。」
「あーぁ!いつものね?彼を大好きすぎる彼女のご機嫌取り。またしばらくまてば相手してくれるやつね?」
「そうそう!」
女子たちの聞きたくなかった言葉が聞こえてくる。彼女達は美唯が近くにいることなんて気が付かず話しながら通り過ぎて行った。
「・・・あいつら!」
「・・・杏姫ちゃんいいよ。あの人達の言うのも事実だから。」
「・・・でも、美唯ちゃん!」
いつだって悪いように言われる彼女の事情は、ネガティブすぎるこの性格。散々に、皇大好きの女子達に言われることをネガティブさが、心に不安、嫉妬、独占、様々な感情を溜め込み、沈ませていく言動。全てにおいてネガティブに捉えすぎてしまう。
「・・・いいの。しばらく独占出来るの。それに・・・次浮気してたら別れるし。もう次が限界だから。今回がラストチャンスって約束したし。」
「美唯ちゃん・・・」
そう、約束したのだ。今がラストチャンスだと。この約束を忘れて浮気をしたら次はない、別れると。だからいいんだ。でも本当は今、言っていた女達の声にもすごく嫌で、感情は抑えているつもりだが、怒ろうとしてくれた杏姫と同じように怒り狂う感情は今にも煮えくり返りそうなくらい不安と嫉妬の渦でいっぱいだ。
「みーい!帰れる?」
「・・・うん。皇大こそ、終わったの?」
「あぁ、もう今日は必須科目はないから。」
彼が誘いをくれるこんな日は決まって一緒にいてくれる日。
「・・・皇大・・・大好き・・・。」
「・・・ん。オレも・・・すきだよ、美唯。」
彼の愛で心も身体も埋め尽くされる。俺のモノだと言わんばかりに印が至る所につけられる。これでしばらくまた満たされる。
「美唯・・・大好き・・・。愛してる。」
彼の腕の中で薄れゆく意識の中で彼がそう言ったのが聞こえた。
あの幸せな一時から数ヶ月、浮気発覚でラストチャンスの約束してからも数ヶ月たった。
「美唯ちゃん、荒畑は浮気してないの?あれから、」
「・・・うん。してないはずだよ。」
「・・・そう。良かった。」
「・・・今のところはの話しね。あいつ私に付けたこの印が消えた頃に浮気いつもするからね。」
心配してくれる親友が、いてくれて良かったと思うくらい、浮気されまた裏切られると言うどん底に引きずり込まれそうなのを引き上げてくれている。
「え、じゃあ・・・」
「・・・うん。そろそろかもね?」
冷静に答えるが、内心冷静じゃ居られていない。今にも穴に引きずり込まれそうである。
「・・・そうじゃなくて!いいの?次したら別れるって言ってたじゃん!」
「・・・杏姫ちゃん、あんだけ別れろ言ってたのに今はどうしてそんなの聞くの?私の決心鈍るから辞めてよ?」
「・・・でも!だって美唯ちゃん、大好きじゃん彼のこと、今まで散々されても・・・」
「だから!だからだよ。・・・いいって言ってるじゃない。」
決心ついた彼女への親友の言葉は、心が揺らぐ。それでも強く意志を持っておかないとこの決心がまた許しに変わってしまう。
数日後、予想通り彼は浮気した。半同棲しかけている彼の家に行くと、彼が慌てて隠したものの中に浮気たるものの証拠は山ほどあった。
「・・・皇大、今隠したもの何?浮気した証拠?そっかじゃあ・・・」
「・・・ごめん!!そんなつもりじゃ・・・」
「・・・そんなつもりじゃなかった?笑わせないで。皇大今までありがとうさようなら。」
「美唯!待ってくれ!ラスト・・・」
言い訳を並べようとする彼へと言い放つ。
「ラストチャンス?それはもうあげた。約束守らなかったのはどっちよ?次浮気したら別れるって言ったよね?なのに今回はした。だから別れる。別れて。」
彼はそう言うと、何も言わなくなり掴まれた腕の力も弱まった為、その手を振り払い彼の家を後にした。それから彼には会っていない。彼がどうしているかなど知ったことではない。
「美唯、荒畑と別れたんだって?!ねぇ、じゃあ合コン行かない?!」
親友にそんなこと言われ、その言葉に少し救われた。親友に連れられて美唯は合コンに足を運ぶ。少しでも彼を忘れられるかなと。
「・・・美唯ちゃんって可愛いね!」
集まった男達が寄って集って美唯を落とそうと集まってくる。女の子は他にいるのに。忘れようとするために来たのにどうしても彼でないと落ち着かないし、忘れられない。彼のことがここまで好きなんだと気がつくのは時間がかからなかった。だが、彼と終わってしまっている。だから、と思うのに他の、男の話なんて耳に入らない。モテてはいたが特別連絡先を交換することも無く、終わった。
それから数日後の事だった。彼の親友が不思議そうにはなしかけてきたのは。
「・・・なぁ、中園?まさかと思うけど、皇大に別れると言った?と言うか別れた?」
「・・・うん。どうして?」
「・・・あ、いや、その・・・なんでもない。」
なんとも歯切れの悪い返事をした友人の吾妻君。そんな言われ方すると気になってしまう。
「何?どうしたの?気になるじゃんその返事。」
「・・・いや、皇大こねぇんだよ。学校。だから2人の間に何かあったのかもって思って。」
「・・・来ない・・・?」
「あぁ、来てねぇのよ。だから気になった・・・俺あいつの所に様子見てくるわ。中園は行きたくねぇだろ?友人として気になるし。」
「・・・ごめん」とだけ美唯は謝った。いろんな意味を含めて。
その日、友人の彼は家に言ったのだと言うが、詳しいことはなんも話してくれなかった。ただはぐらかすだけだった。すごく優しい彼のことだ、気にしているの分かっていて話さないのだろうことも予想つく。
彼が来ないと友人から話があってから1ヶ月 近くがたったある日のことだった。相変わらず彼は来ていない。美唯は浮気生活でも送ってて来ないのだろうと勝手な想像で彼をでっち上げていた。彼がそんな想像になるのも彼の今までの行いのせいであるが・・・。
「中園!!やばい!」
「・・・?」
彼の友人で美唯の友人でもある、奏翔が、顔を少し青ざめ、慌てた様子で駆け寄ってきた。
「・・・皇大を助けてくれ!皇大がやばい。助けられるの中園しかもういねぇ!お願いだ。」
「・・・でももう別れ・・・」
「分かってる!でもお願いだ。助けてくれ、やばいんだあいつ。」
慌てた様子の彼だが、どういう状況でやばいのかが伝わってこない。
「・・・何がヤバいの?」
「・・・んー・・・とにかく説明するよりも見た方が早い!来て。今日はもう授業ないだろ?」
なんだかよく分からないまま、奏翔の強引な誘いに受けざる負えなかった。何がヤバいのかは行くまで理解できなかった。




