アセロラ…違うアウロラがほら…えっと…特にないです
半分埋めてきましたー
見に来てくれた方々申し訳ない。
遅くなりました
くしゃみがようやっと止まった。花粉症の人は何時もこんな思いをしているのか…。いや、こんなもの序の口なのかもしれない。こんな事で花粉症の気持ちを知ったなんて言ったら花粉症四天王が来て
「調子に乗るなよガキィ…」
「貴方は花粉症の入り口にも立っていないわ」
「Ψ(`∀´)Ψケケケ、お前に杉を見て一生分の怨みを放ってもまだ足りないと思う俺達の気持ちが分かるものか。」
「鼻と眼球もぎ取りたいとか狂気の台詞を無意識に吐いてしまう我々の気持ちがなぁ!」
とか言われてしまうのだろうな。
そんな事は置いといて、アウロラへと到着しました。町の入り口には門番が二人のみ立っていて強硬突破なら侵入は難なく成功しそうだ。町の自警団変わりである冒険者ギルドがすぐ近くに建っているので、その後はムキムキ達に追いかけられるのでお勧めはしない。
邪神ちゃんとラスボス様は目立ったり身分証明出来るものが無かったりと入れそうにないので、ボックスの中へと入ってもらっている。それに邪神ちゃんも途中から白目剥いてたから休ませてあげよう。
俺には実の所身分証明を出来るものが一つだけある。この世界に来た当時から持っている皮鎧の右腰辺りにこっそりと縫い付けられてる黒い剣の紋章は冒険者ギルドに所属しているという証である。紋章の下には幾つかの文字が書かれてあり、これが個人を表す表示なのだとか。
左側にいる門番に近づき紋章を指差す。ガタイが良く、陽気そうなおっちゃんだ。
「やぁ、冒険者。この町は初めてかい?」
「あぁ初めてだ。この世界に生まれて初めて入る町がこの町なんだ。」
「ハッハハ、町にしかない冒険者ギルドに町に入らずどうやって冒険者に成ったって言うんだよ。じっと動かないでくれよ、何度もやるのは面倒だ。」
門番が皮鎧の紋章とその下の文字を若干歪な長方形の水晶でなぞる。門番は水晶を覗いて呟いた。
「んだ?珍しいな。本人証明印と名前しか出て来ねぇ。おい、プーカブ!」
左側の門番が門の右側に立っていた門番を呼び寄せる。
「あん?どうした問題か?それとも笑い話か?」
「どっちかってぇと、後者だな。ほら、見ろよプトゥルグみてぇだろ?」
「ブフッ、そいつはその兄ちゃんには荷が勝ちすぎるだろ。どうせ故障か何かだろ。兄ちゃん、冒険者ギルドがすぐそこにある。」
プトゥルグ、ネタバレしてしまうと大昔に町を救った正体不明の英雄を指した昔の言葉である。
「ハッハハ、そうだろうな!兄ちゃん、長く引き止めちまって悪かったな。印は何処に貼る?手の甲でいいか?」
「問題なし、綺麗に貼りつけてくれよ?イケてる男の雰囲気が台無しになっちまう。」
「ブッフフ、んな台詞は俺らみたいな大人の香りを漂わせてから言いな。ほい、ベテランの腕前で完璧に貼りつけてやったから町で大人の魅力を仕上げてくるんだな。」
門番二人は入場許可証代わりの町の紋章が手の甲に貼りついたのを確認して持ち場へと戻っていった。何時見てもあの二人組は笑ってんな。嫌いじゃない。
んー、コミュ障故に会話がロールプレイになってしまうのは良いが、自分の台詞振り返ると馬鹿みたいに恥ずかしいな。同行者をボックスに詰めといて良かった。
門を潜れば塀で上半分程しか見えていなかった町並みが露になる。大雑把に敷かれたガタボコの石タイルの道の両脇でドンッと大きな建物が威圧をかけ、そこから奥へと繋がる建物達は何か商売をしていることが大半だった。屋根は深い緑一色で煙突から煙を棚引かせている。
左側の大きな建物には万年筆のマークが大きく書かれ、右側の大きな建物には皮鎧と同じ黒い剣の紋章が看板に描かれている。迷うことなく右の建物へと西部劇風の扉を押して入ると、スキンヘッドの群れが生息していた。光の反射でお前の目を何時でも潰せるんだぞという威嚇か…。片目が潰れても咄嗟にもう片目を生かし逃げれるよう片目を瞑る。
「この町でクエストを受ける事が出来るようにしてくれ」
「畏まりましたぁ、紋章を読み取りますので動かないでくださいねぇ。」
受付嬢のポジションにいるのもオネェ口調のスキンヘッド、あまりの殺意に目が回りそうだ。町中で無闇にボックスのバグを使うわけにはいかない。自己利益の為ならば他人の理解の及ばない行動をするのが人間というものだ。ゲームのNPCとして何てもう見ていない。人間のコロニーで下手な行動を打てば利用する事が難しくなる。最悪殺し殺されの関係に発展してしまうだろう。
「……名前以外の登録がごさいませんねぇ。少し記録を漁っても宜しいですかぁ?」
オネェのスキンヘッドさんが水晶で紋章を撫で終えてから俺に尋ねた。殺気の渦巻く中では言葉を少なく。俺のロールプレイのお決まりだ。
「構わない」
「…………………完全な不明ねぇ…。どうやったか教えて貰ってもぉ?」
「悪い、記憶にない」
ドスの効いた声と頭以外に周囲で鈍い金属が光を反射する、元の世界なら逃走の二文字と平伏の二文字が争っていただろうが切り札があるという意識がロールプレイを続けさせる。
沈黙が続きお互いの視線が直線上に並ぶ。
「…まぁ、いいわぁ。目が腐っていないものぉ。」
スッ、と威圧が解けた。
「ランクはFからぁ。問題無いわねぇ?」
「もちろんだ。」
オネェのスキンヘッドさんが極上のスタンプの様なものを紋章の左上に押し付けた。見た目には変化が映らないが、門やここでやったように水晶で読み取ればこの町でクエストを受ける許可を得た事を証明出来る。
「問題は起こさないでねぇ、プトゥルグさん」
「勿論だ、粋なお嬢さん」
「ふふっ、口説くなら本当のプトゥルグみたいになってきなさいなぁ。」
それはない!と全力で心で叫びながら片手を上げてギルドを後にする。ボックスでこっそりとカウンターに花を置いた。格好いい自分を演じるってのは一人用ゲームの醍醐味だよなぁ。
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ちょっとした裏路地でラスボス様と邪神ちゃんをボックスから排出。出てきたばかりの邪神ちゃんはキョロキョロと辺りを見渡し、ラスボス様は固まった肩を解すように背伸びをした。
こっそり門から盗んできたステッカーを邪神ちゃんの手の甲に置いて、秘密の暗号を心で唱えれる。
【町長はヅラは三段重ね】
これで邪神ちゃんも自由に町を歩ける様になった。
「はいはーい、はぐれない様に一列に並んでねー」
「余計なお世話です。あの気持ち悪い移動方法じゃなきゃ着いてけるので、用事とやらをさっさと済ませるです」
あらま冷たい反応。そこまで重要な用事はこの町にないから飛ばしちゃってもいいんだけど、金策と食事のレパートリーを増やすのを早々とやっておきたいんだよね。
食事はずっと木の実と小人達から貰ったミニマムサイズの料理だけだから特に早急に解決したい。金策の方は生活レベルを上げたいだけだから大量生産で莫大な財産を~とかではない。この世界だと誰かの食い扶持を奪うことになりそうだし。んー、ただのゲームであった時より肩身が狭い気がする。
順番的には金策優先だね。他の町だと効率が若干悪くなってしまうFランクのクエストを回るついでにお金になりそうな物を収集して小金を稼ぐって感じにしようかね。
皮鎧の紋章設定は当初からあったのですが
描写を忘れていました。
第一の町に来る速度が予想外に早い…
15話くらいの予定だったのに…
普通の女性だった受付嬢とギルドに屯ってた
ギルド員がハゲました。何故かは分かりません。
酷いことをする奴もいたもんだ。
次回から少しRPG要素が入ってくるかもです