遠足じゃあ!ちょっと行く前萎えるけど!
今ページもお開きありがとうございます。
当初から予定していたシリアス路線の『アイテムボックスがバグってる!!』も書きましたので
少し宣伝を。
核兵器でのドンパチが始まった世界で
アメリカに飼われるだけになった日本人が
VRゲームをする話です。実はアイテムボックス
が現実世界に持ち出せて…
暴走しまくる今作をプロット扱いしたものなので
そちらの方が読みやすいとは思います。
ギャグが好きな人はこちらを
シリアス…?が好きな人はもう片方を
しゃあない、どっちも読んでやるよという人には
画面越しの熱い口づけを
「オヤツは持ったかーー!?」
「「「持ったーー!」」」
「300円までかーー!!」
「「「おうともーー!!」」」
「バッキャロウ!アウトロー精神で350円まで持つんだよぉ!」
「「「あいあいさーー!!」」」
行きはいいが帰り道が分からなくなるので小人達をお供に森の探索を決行。白い石材に加工可能な石は小人の国から南西にあり、アイテム名を【ココロット白石】という。目印は垂れた背の高い針葉樹だ。
ラスボス様は呆れ面で着いてきているし、邪神ちゃんも猫背でトボトボ歩いてくる。
「先生…私は400円持ってきました…」
「ナイスなアウトロー精神だ!英雄気質だな!」
「「「英雄気質だなー!」」」
うむうむ、ノリが良い小人は良い小人だ。そんな小人にはご褒美だな。
「あそこに木苺発見!」
「「「ワーイ!食べるー!」」」
「あっちにはあまーいリゴンの実だぞ!」
「「「キャッホーー!!」」」
「なっ!あれは伝説のコゴレの実だ!!」
「「「伝説ぅううう!!…シブッ!?」」」
とても楽しいです。いえ、性格は歪んでいません。大丈夫です。動物愛護団体と徹底交戦する覚悟しか持ち合わせてないので問題ないです。可愛い子に意地悪するのは合法って知ってるんですよ!
「酷いデス!人間は酷い奴だったデス!」
「はい、お口直しの木苺ジャムだよー」
「いい奴だったデス!だからもう一口デス!」
「「「私達もちょうだーーいー」」」
まったく君達はチョロ可愛いなぁ。
「私にも…」
あら、邪神ちゃんも食べちゃったか。顔が渋さでムンクになってるね。どーぞ、たーんとお上がり。
若干嬉しそうな邪神ちゃんの隣を歩きながら今回のついで用件を確認する。工業modの下準備の為に来ている今回だがそれだけに集中するのは勿体ない。序盤も序盤の為に高性能な某かを作る事は出来ないが、一般的な植物系のアイテムは大抵森の中にあるのでそれの採取とほのぼのmodで可能になったモンスター牧畜の為の便利なモンスター収集をサブクエストに据えようと思う。
この森の生息モンスターは芋虫を始めとした蟻などの虫系モンスターや、野犬等の野生動物系のモンスターの二種がいる。既プレイだと弱く見えるが森の普通の動物達にとってはこの森の生態系の頂点だ。不殺を決めた訳じゃないが積極的に経験値にするのは少し躊躇われる。それでもドロップアイテムは欲しい。
ほのぼのmodでは不殺推奨が行われており『お礼システム』が存在する。優しく何かしらのお世話をしてあげれば本来ドロップアイテムとして得られるものをプレゼントしてくれるというシステムだ。
本体からもぎ取ってくれるという訳じゃないから欠損するとかのグロい状態になることはないが、ウサギ系モンスター等にウサギの足をもらったプレイヤーの顔は何とも言えない事になる。
であればドロップアイテムはこのシステムを使用して集めていこうと思う。手軽なお世話では『餌を与える』『ブラッシング』『遊んであげる』の三つがある。
コストや手間のかかるお世話の方がレアドロップをくれる確率が高いので、レアドロップ狙いならそちらを選択するのがベターだ。
「ふむ…」
「どうしたです?急に黙りこくって?」
「ちょっと真面目に考えたから走りだすね!」
「ちょっ!?」
「ヒャッハーー!!」
「「「ヒャッハーー!!」」」
ゲームと現実ごっちゃで奇行に走るのはゲーム世代の証明!経験は人生を彩る!ゲーム経験だってそりゃ彩るさ!他人の理解が得られないだけで奇行なんて鼻歌歌っちゃうのと変わらないさ!
おっとモンスター発見だ!リス型モンスターだから好物は硬い殻のある木の実だね!そうと分かればお口にドングリ擬きをシュートッ!そしてシステムが発動し放出されたドロップアイテムを回収!
おっ、リス君が幸せそうなお顔だ。アイテムボックスにしまっちゃいますねー。はっ!これが本当のしまリス!?
「急に寒くなってきたです!」
「「「極寒だーー!」」」
やめて!ダジャレは口に出さなきゃセーフだってルールが壊れちゃう!
お口にシュー!するシューティングゲームを行いながら行進すること40分。ようやっと垂れ針葉樹へと辿り着いた。道中は単調に小人達とピギャッてただけなのでカットです。
リス型モンスター6匹と野犬型のモンスター2匹とハナカマキリ型のモンスター1匹ゲット。
「綺麗な程真っ白な岩石ですね。」
土に埋もれてなお純白のココロット白石が堂々たる姿で垂れ針葉樹の隣に並ぶ、大きさは小山のようになっており今回の目的には十分である事が伺える。
「はい、しまっちゃいまーす」
「まぁ、そるなるですよね。」
ココロット白石の小山は綺麗さっぱり姿を消して、隕石でも落ちたのかってくらいの穴が空いた。爽快感が脳内アドレナリンびしびし引き出してますわぁ。
エネルギー変換装置に必要なのは木材と鉄と夜にしか取れないアレだから、ついでに下に降りて鉱石類でも取ってきますか。
「エビバデ、ジャンピング!」
「「「ジャンピング!」」」
「躊躇は!?です!!」
そんなもんは恵まれない方々に寄付してきたぜ!大切に使ってくれてるといいな!着地はアイテムボックスに自分ごと入れてどうにかしました。出口設定しないで入ると詰むので危険な行為だったりする。
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さっそく確保してきた【ココロット鉱石】で縦10m横30m高さ3mの直方体造りました。そうかこれが本物の豆腐か。我々は豆腐を甘くみていたのかもしれない。食べてみればお菓子のような甘さはないと分かっていたのにだ。
これこそがキングオブお豆腐。白くない豆腐なんてごま豆腐で十分なんだって俺たちに教えてくれているんだね。ただ残念な事に遊ぶの大好きな小人さん達が白いキャンパスがごときお豆腐を許してくれる事はなく、ピギャりながら装飾を加えている。
帰ってきてすぐに皆疲れて眠ってしまったのでお昼寝をした結果、現在の時刻は夜になっている。
「ブラザー!カモーン!」
『混沌の申し子マゼリオンのゴトジョォーーー!
偉大にしてクレイジーなブラザーのお呼びに答え参上だせぇいぇい!』
「おっとジャムは落としてきたなマゼリオン!」
『あったぼうよ!衛生面を気にしないマゼリオンはマゼリオンじゃねぇ!ブラザー!エネルギー変換装置の材料は用意出来てんのかいな!』
「俺を誰だと思ってやがる!お前のブラザーがそんかチョロい事が出来ねぇとでも?」
『カッケェぜ、ブラザー!木材10kg、鉄50kg、そして一番大事な莫大な力を宿した何か…コイツを手にいれるのは甘ったれた野郎じゃ無理だ。さぁ、俺に放り込んでみな!』
「鉄は原石でも大丈夫だったよな?」
『フハハ、ブラザーこそ俺を甘く見てやがるな?成分が入ってりゃあ俺は何でもありの凄い奴だぜ?ただ、原石じゃあ鉄自体の分量が分かりづれぇ。俺が判断するからどんどん放り込んでくれ!』
マゼリオンの指示に従い木材を入れ、ドバドバと鉄の原石を放り込む。
『オールオッケェェエエ!満杯だぜぇ!さぁ、ブラザー!最後の一品入れちゃえやーー!!』
「あっ、ちょい待って。今から取るから」
『え?』
「今から採取するからちょい待って」
『え?またお預けなの?』
「いや、今回はすぐに準備出来る」
莫大なエネルギーを宿すアイテムなんてこんな序盤にある訳がない。普通のゲームならそうだがアイテムボックスがバグってるこのバグモードなら別だ。入れられると思えば何でも入るなんて素敵しよう。工業modを作った人も思いたった訳だよ。
今日は綺麗な夜空だ。あの星の光は何億年も昔から送られてきた光なのか…。ふと手を星に伸ばす。こんなちっぽけな人間の手じゃ永遠に届かないんだろうな…。よし、アイテムボックスで取るか、と。
星なら序盤でも夜になれば取り放題だからね!エネルギー変換装置なんて特殊なものを作れる理由にも十分に納得出来るからね!
「なのでお星様をドゴーーン!!」
『器がデカ過ぎるブラザーだぜ!いいね、いいね!十分だ!【エネルギー変換装置】カオスクリエイトォオオオ!!』
パタッとマゼリオンの開きっぱなしだった蓋部分が閉まりきると、マゼリオンが空中に飛び上がり前後左右上下にバッタンバッタンと暴れまわる。それが終わり静かに成や否やサイコロの展開図のように開き中からカプセルが地面へと転がった。
『一丁完成だぜぇい』
ガキンガキンとそんな音のする要素が欠片もない体を蓋の空いた箱状に整えたマゼリオンは満足げにこちらにサムズアップをした。
これにて工業mod第一段階【エネルギー変換装置】の作成完了である。
お星様取れるんだって…これもうゲームクリア
出来ちゃうね。メテオストラァーイクとか楽勝
だもんね。(なお、星の光として届くくらい大きな星なのでメテオったら足元の惑星ごとお陀仏します。)