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同棲

お久しぶりです。

さて、どうしたものか──と、俺は目の前で一緒に夕食を食べているメイジーを一瞥する。

フードコートを脱いでブラウス姿になったメイジーは、簡易的ながら俺が作った夕食を頬張っている。中でもどうやら味噌汁が気に入ったようで、追加注文を三度ほど余儀なくされた。



「……そんなに味噌汁が気に入ったか?」

「はい。私の国ではこんな美味しい飲み物はありませんでしたから」

「飲み物というか、その国独自の料理だな。『和食』って呼ばれる料理だ」



苦笑しつつ、思考を巡らせる。メイジーはドイツ住みのようだが、少しばかり現代離れしたこの風貌、いつの時代の人間なのだろうか。



「でさ、メイジー。ふと気になったんだが、君って何時の時代の人間なんだ? 《幻想戯曲》のキャラクターと服装という点から見ると、少なくとも現代の人間ではないようだけれど」

「時代……ですか。そうですね──」



やや思案して、



「ちょうど今が、三十年戦争……です。真っ只中です」

「……だいぶ前だな」

「……というと、今は?」

「四百年くらい後の時代だ」



端的にそう告げてやれば、「え」と硬直したメイジー。

……どうやら、《幻想戯曲》は時代などを超えて召喚されるらしいな。それが現代におけるモノなのか、異世界と呼ばれる世界におけるモノなのかは分からないが。


だが、まぁ。



「徐々に慣れていけばいいさ。少しばかり驚くことはあるだろうが、それさえ理解出来てしまえば、便利な時代だぞ」

「……へぇ、そうなんですね」



「あぁ」と手短に告げた俺は、食べ終えた食器をシンクに持っていき、慣れた手つきでお湯はり設定をして。湯を入れれば、あとは待つだけだ。

そうしてリビングに戻り、



「メイジー。お風呂入れてるから、ご飯を食べ終えたら入ったらどう? アイリスに世話を見てやれと言われた以上、放置には出来ないからね」

「……分かり、ました」



それと、と俺は付け加えて。



「別に敬語じゃなくていいさ。一緒に住むのに敬語は硬っ苦しいだろ?」

「分かりま──じゃない……。分かった」



しどろもどろになりつつもコクリと頷いてくれたメイジーを見て、俺は安堵する。

……どうやら、この子の世話をすることくらいは出来そうだ。

そう思いつつ、また味噌汁のお代わりを要求している赤ずきんちゃんへと苦笑したのだった。







「……はぁ」



バスルームの扉を後ろ手に閉め、俺は大きく溜息を吐く。

今しがた、メイジーを風呂にいれてきたのだが──いやはや、時代と価値観の違いとは恐ろしいモノだ。


バスタブに浸かったは良いものの、シャワーの使い方を知らないという始末。

近代ドイツがどのような入浴をしていたのかは知らないが、一つ一つと使い方を教えていくのも面倒である。


やはり女の子だからか、シャンプーとボディーソープは好評だった。

『いい匂い〜♪』と言わんばかりの──恐らくドイツ語である──ご機嫌な鼻歌と、響き渡るシャワーの音。


突如、それに被さるようにして、ポケットに仕舞っておいたスマホがブブッと震える。まさか──? と思い、画面を見る。予感というものはこうも当たり易いのだろうか。

……宛先は、アイリス・クラリス。 件の《幻想司書》だった。



~to be continued.

明日を公立前期試験に控えている彩です。こんばんは。


試験、頑張ってきます。

更新は私が高校に受かるまで待ってください。

そしたら亀更新で更新します。(語彙力の低下)


それでは、また次回。お楽しみに。

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