第7話『もう一人の姉』
久しぶりの更新よ。
読みにくいとのご指摘があったので1~6話については順次改定していく予定よ。
ここは王都「スカイパレス」、赤道付近の魔力溜まりをエネルギーにして動く空中都市である。
今、クーリィさんとアタシの2人はこの王都へとやって来たわ。
何故かって?ちょっと話が巻き戻るは・・・
いつものように狩りをして素材を抱えてギルドの素材買取所へやって来たアタシたち。
素材買取担当の虎の獣魔族のドルさんとはすっかり顔なじみよ。
元冒銀ランク冒険者の彼には色々とお世話になっているわ。
効率の良い狩場とか、値段の高い素材とか色々教えてもらっているわ。
「今日の戦果はどうだ?」いつものようの不適な笑顔で話しかけてくるドルさん。
「もちろん大量よ!換金よろしく!」アタシもいつものように受け答え。
2人で狩りをするようになり、アタシのランクも青銅ランクから次のランクに上がりそうよ。
クーリィさんの方も素材を売って順調に資金が増え、孤児院の維持費もバッチリ!
「この辺の素材はレア素材だから王都に持っていけばかなりの値になるぞ!」高額素材のレクチャーを受け、メモを取るクーリィさん。
高額素材がまとまった数になったら王都に行こうって話しになり、今に至るわ。
クリスタの街からゲート料金を払い、王都へ。
王都「スカイパレス」には転移阻害呪文がかかっているので、ゲートからしか侵入出来ないのよね。
例外として、アタシたち魔界猫は結界フリーパス体質だから一度行けば影移動で行けるはず!?
まあ、ズルをするつもりわないからいいのだけどね。
ゲート通過時に誰がゲートを通過したかが、通行担当官にわかる仕組みになっているわ。
悪さをしてもゲートを使わないと外に出れないから一発よね・・・
王都育ちのクーリィさんと違い、おのぼりさんなアタシ・・・
何もかもが珍しいわ。
そういえば王都に行く話しを姉様にしたら難しい顔をされたわ。
「いいこと、用事が終ったらすぐに王都を離れなさい!もし、あたしのことを聞かれても知らないって言い通しなさい!」って言われたわね・・・
何かあるのかしら?
考えていてもしょうがないわね。
クーリィさんと2人で王都のギルドに直行よ!
まずはギルドの受付へ。
ギルドカードを提示して素材買取所の場所を聞かなきゃね。
買い取り結果は、ドルさんの言っていた通りかなりの金額。
ゲートの通行料を考えてもこっちの方がお徳ね。
換金も終り、ギルドの外に出るといかにも貴族な馬車が・・・
「お待ちしておりましたクーリィ様」と話しかけてくる執事さん・・・
「ところでそちらの方はクーリィ様の伴侶でございますでしょうか?」いきなり誤解されてるわ・・・
「クーリィさんとパーティを組んでるヴィンセンよ!と普段通りなご挨拶。
「お仕事だけの関係よ!」ビジネスパートナーを強調するアタシ。
「少々お話をお伺いしてもよろしいですかな?」執事さんが私に話しかけてきたわ。
クーリィさんが心配なのかしら?
「クーリィさんの女性関係?」他人の恋愛に興味は無いんだけど・・・
「クーリィさんと仲がいいのはシスターテレサくらいかしら?」と言ってみると、執事さんの目が輝いたわ・・・
「ふむ、そうですか。(奥様にご報告しなければ!)」うんうんうなずく執事さん。
ご実家に寄ることになったクーリィさんと別れ、アタシは魔道具店を目指したわ。
目的の帰還スクロールの補充完了。
さて、王都観光としゃれこみましょ。
露店で購入したアイスを片手に王都をブラブラ。
前方から小さな子供が走ってくるわ。
うん?アタシに向かって走ってきてない?
「おばちゃーーーーーーーん!!」掛け声を上げながらダイブしてくる子供・・・
アタシはキューブから紙を出し、山折、谷折。
ハリセン完成!この間0・02秒!!
「誰ぁれがおばちゃんかぁぁっ!!!!」猛烈な勢いで子供の頭にハリセンを畳み込んだわ!
そして頭を抱えてうずくまる子供の背後に回り、げんこつ2つで頭をグリグリ。
「幼女虐待にゃ!」「黙れちびっこ!誰がおばちゃんよ!」
そんなやり取りをしていると、結界に閉じ込められたわ・・・
「この結界は!?」魔界猫特有の固有結界がアタシたちの周りに張り巡らされていたわ・・・
「あらあらまあまあうふふ♪そろそろ許してあげて頂戴♪」謎の垂れ目美女が話しかけてきたわ。
「何者なの!?」「あら?ネロちゃんから聞いてないのかしら?」どうやら姉様の知り合いみたいだけど・・・
「じゃあ事故紹介しましょ♪あなたの姉のパンドラよ♪その子は娘のキョーカ、仲良くしてあげてね♪」衝撃発言をサラリと言って来たわ・・・
どう見ても外見は魔人族、しかしこの固有結界は魔界猫の物・・・
アタシの頭はパニックよ・・・
「結婚するときに魔界猫から別の種族になっただけよ。殆どの力を失ったけど固有結界くらいは貼れるのよ♪」アタシが知らない事実がポンポン出てくるわ・・・
「たくさん話したから喉が渇いたわ。うちでお茶にしましょう♪」強引にアタシの手を取り、馬車に連行するパンドラ・・・
連れ行かれたのは貴族の邸宅・・・
「ここって・・・」聞くのが怖いが聞いてみるわ・・・
「もちろん私の家よ♪ファントム家にようこそ♪」にこやかに言って来るパンドラ。
まさか貴族に関わることになるとは・・・
姉様が言ってたのはきっとこのことね・・・
なし崩しで泊まることになり、根掘り葉掘り聞かれたわ・・・
まあ、姉様の情報は死守したけどね・・・
そうそう、何故かアタシ専属のメイドが出来たのが謎よね・・・
次の日、孤児院へのお土産を購入し、疲れ果てた顔で王都を去ったわ・・・
正直、もう関わりたく無いわね・・・
あの2人組が帰ってきた!?
次回、『真魔界猫物語』 第8話清く正しく太ましく!にねこぱーーんちw