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真魔界猫物語  作者: ねこぱんちw
4/8

第3話『運命の出会い!?』

人と人との縁は意外なところにあるものなのです。

それが良い縁であるといいのですが・・・



やって来ました氷獄(コキュートス)

辺り一面雪景色・・・

あぁ寒い、あぁ帰りたい・・・

寒さが我慢できないから、さっさと一番大きな町に入りましょ。

町をすっぽりと覆うドーム型結界のおかげで町の中は適温だわ。

門番にギルドの場所を聞いて、早速ギルドへ。


まずは登録よね。

ギルドに入り、受付へ。

羊型魔獣族の受付嬢にギルド登録を頼んだわ。

何だか珍しい者を見るような目をしていたような・・・

何かしら???


登録したカードはこんな感じよ。


《ギルドカード》

ランク:初級(ノービス)

名前:ヴィンセン

種族:魔猫族

クラス:アサシン


”魔界猫”ってばれないように、変化の腕輪を使っての登録。

偽装は上手くいったみたいね。

ギルドの登録が終り、受付嬢と話しているといきなり絡まれたわ・・・


ニヤニヤしながら近づいてくる2人組の冒険者。

ブルドック魔獣族の男が馴れ馴れしく話しかけてきたわ・・・

「よう新人!俺はドギー!青銅(ブロンズ)ランクの冒険者だ!」

続いてパグ型魔獣族も、頼みもしないのに話しかけてきたわ・・・

「俺はバックス!同じく青銅(ブロンズ)ランクの冒険者だ!」

正直鬱陶しいと思ったのは内緒よ・・・


ニヤニヤしながらさらに近づいて来ます・・・

「新人のお前ぇに色々レクチャーしてやるよ!その代り、有り金全部よこしな!」

「ドギーのアニキが教えてやるって言ってんだ感謝しろ!」

何て恩着せがましいのかしら・・・

お約束だわ、これがテンプレってやつかしら・・・

「ギルドで聞くからいいわ。どうぞお引取りください!」


そんなアタシに激高する2人組・・・

「てめぇ!折角アニキが教えてやるって言ってるのに生意気だぞ!」

「まったくだ、大体何だその格好は!新人のくせに生意気だな!」

自分たちだって下品な金色装備じゃないの・・・


「そうかしら?似合うからいいでしょ!」

自信満々のアタシ。


「ふざけんな!派手な格好しやがって、冒険者舐めてんのか!」

「お前ぇみたいな奴がいると周りが迷惑するんだよ!」

アタシの装備のよさがわからないなんて、何てセンスが無いのかしら・・・


「センスの欠片も無い貴方たちに言われてもねぇ・・・」

「「表に出ろ!口で言ってわからねぇなら体に教えてやらぁ!」」

一触即発な事態に・・・

2対1の状態だけど、この程度の相手なら何とかなるでしょ。


そこへ、全身赤い装備の筋肉マッチョな(あやしい)人物がやって来たわ。

「女性に対し、何をしているでござる!!某が相手になるでござる!!!」

身長2mオーバー、全身を赤い鎧に染め上げたその人物は、男たちを一喝!

「「ノブハルだ!!!逃げろーーーーーっ!!!!」」

脱兎の如く逃げて行ったわ・・・

軟弱者ね・・・


「無事でござるか?」

巨漢マッチョさんがあたしに話しかけてきたわ。

まあ、一応助けてもらったことだし、お礼を言っておこうかしら。

「助かったわ。無駄な血を流さずに済んだわ。」


じーーっとアタシを見てくるその視線が痛いわ・・・

「某は”ノブハル”と申す、何かあったら某に相談して欲しいでござる!!女性回のお願いならなんでもお任せでござる!!」

そう言いながら、視線はアタシの全身を舐めまわすように・・・

これってセクハラ!?

「その装備、お似合いでござる!!」


突然褒められたわ・・・

「あ・・ありがとう・・・」

一応お礼?を言っておくわ・・・

「それではこれにて、ご免!!!」

来たとき同様、走り去るノブハル・・・

嵐のような人だったわ・・・


気を取り直し、ギルドに紹介された練習エリアへ移動。

冒険者の基礎知識なるものを教えてくれるらしいわ。

教官役の冒険者とマンツーマンで研修開始。

薬草の採取方法や、この町周辺のモンスターの知識などを色々と教わったわ。

基礎も教わったことだし、まずは初級クエストからよね。

先程の羊型魔獣族の受付嬢(ノルンと言うらしい)にクエストを発注、しっかり防寒対策をして、外へ出たわ。


吹雪の中、雪の下にある薬草を見つけるのは普通なら無理だけど、そこは魔界

猫、アタシの目には見えるのよ♪


薬草の生命力を読み取り、目に力を入れると、生えてる場所が丸解り。

鼻歌交じりに薬草を採取していると・・・

「てめぇ、さっきはよくも恥をかかせてくれたな!」

「さっきは余計な邪魔が入ったが、今度はそうはいかねぇぜ!!」

まだ諦めてなかったのね・・・

しつこい男は嫌われるって知らないのかしら?


問答無用で武器を抜く男たち・・・

「俺たちに詫びを入れて、有り金全部よこすっていうなら、命だけは助けてやらぁ!!」

「げへへ、その後はベッドでお楽しみだ!」

何て馬鹿な連中なのかしら?


ため息を1つ・・・

「折角死なずに済んだのに、アタシに武器を向けるなんて!!!アタシに挑んだことを後悔させてあげるわ!!!」

ちょいちょいっとゼスチャーでかかって来い!のポーズをとるアタシ。

「てめぇ!ぶっ殺す!!!」

「舐めやがって、覚悟しろ!!!」


猪突猛進を地で行くお馬鹿さんたち。

アタシは剣が振り落とされるのを見てから、ドギーの影に移動。

そして、ドギーの背後に移動し、自慢の爪で切りつけたわ!

うなる右腕!

ビュンッ!

「なっ・・・」

宙を舞うドギーの首!

ブシューーッ!!

そして、首から噴出す鮮血!

まるで噴水ね。

最後にドギーが見たのは、自分の体だったでしょうね。


それを見て、慌てて逃げ出すバックス・・・

「ヒィィッ・・バ・バケモノ・・・お助けーーーっ!!」

馬鹿ね、逃がすわけ無いでしょ!!!

影を移動し、先回り。

バックスの前へ。

驚愕の表情を浮かべるバックス・・・

「何処に行くのかしら?まさか逃げられるなんて思ってないわよね?」

「お、俺たちが悪かった・・・た、頼む・・命だけは・・・」

今更命乞い?許すわけ無いでしょ!!


「あんたはそう言って来る奴らを何人殺したのさ・・・」

「そ・それは・・・」

アタシは右手を一閃!バックスののどを切り裂いたわ!

「ヒュー・・ヒュー・・・」


のどを切り裂かれ、声も出せぬまま崩れ落ちるように倒れるバックス・・・

バシャーーッ!

そして、のどから血が噴出し、雪原に赤い花を咲かせたわ。


おや?誰かがこちらにやって来るわね。

あれはさっきの・・・

「無事でござるか!?先程の連中が、貴殿を追いかけたと聞いたので追ってきたのでござる!しかし、その心配はなかったようでござるな・・・」

2人の死体を確認しながら、アタシに話しかけてきたわ。

「こんな奴ら、某に任せて欲しかったでござる!女性の手を汚させるなどもっての他でござる!!汚れ仕事は漢の仕事でござる!!」

力説するノブハル・・・


アタシは首を振りながら。

「この世は弱肉強食、いつかはやらなきゃいけないことよ。」

「そうでござるな・・・」

まだ、何か言いたそうだったわ。


「ところで、この2人のギルドカードを持って、ギルドに報告に行くでござる!」

今回の件をギルドに説明してくれることになったわ。

改めてお礼を言うと。

「お礼はデートでお願いするでござる!!!」

前言撤回した方がいいのかしら、ただのナンパだったみたい・・・

何だか色々と台無しだわ・・・

ギルドで今回の件は問題にならず、お咎め無しだったことだし、1回くらいならいいかしら?

しばらくは、クエストをこなしてランクアップかしら?

本業?も忘れないようにしなきゃ・・・


それでは次回にwねこぱーーんちw





【真魔界猫物語番外編 あるギルド職員の日誌】


○月×日 雪

今日も吹雪が止みそうに無い。

私の名は「ノルン」。

ギルドにて受付嬢をしています。

いつもの喧騒鳴り止まぬギルド。

しかし、今日はちょっと違いました。

ギルドの扉を開けて入ってきたのは、全身赤いレザー装備に仮面をつけた魔猫族の女性。

その女性は、私のところに来て、ギルドカードと冒険者登録をして欲しいと言ってきました。


こんな派手な格好で初心者!?

驚きながらも表情に出さず、冷静に対応。

声に出さなかったのが不思議でした。

自分で自分を褒めたい気分です・・・

そして、彼女はやっぱり絡まれていました・・・


ドギーとバックス。

うちのギルドの中級冒険者。

初心者から金品を巻き上げたりしているとの黒い噂が耐えない2人組。

大丈夫かしら?


心配していたら、ノブハルさんがやって来てなんとかしたみたい。

色々と有名な「ノブハル」さんだけど、こんなときは頼りになるわ。

とりあえず一安心かしら?


しかし、事態は急変・・・

夕方、先程の女性とノブハルさんが絡んでいた冒険者のギルドカードを持参し、ギルドにやって来ました。


あの2人にとってとても残念な結果になったみたいです・・・

彼女はこれからギルドの台風の目になるのかしら・・・

私の悩みは付きません・・・

はぁ、私もシェリーみたいに結婚退社したいです・・・

それでは、本日はこの辺で。


ギルド日誌より抜粋

冒険者「ヴィンセン」誕生よ!

さあ、次はどんな冒険が待っているのかしら?

次回 『真魔界猫物語』第5話 二つ名・・・にねこぱーーんちw

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